仕入れの極意 (仕入れの姿勢 ・ 仕入先の選定) edomae shiire
Dec 4, 2014 17:23:47 GMT 9
Post by 管理人 on Dec 4, 2014 17:23:47 GMT 9
すしはシンプルな食べ物ですから、すしの質のかなりの部分が素材の良し悪しで決まってしまいます。
特に生鮮素材については、学習と実践で自らの目利きを鍛えていくことに加え、いつも良いものを扱っている仕入先を選び、
その仕入先と良好な関係を築くことがとても重要になります。
1. 仕入れの姿勢
仕入先には、自分が最高のものが欲しいことを明確に伝えること、究極を目指すなら、値段は問わないことです。
例えば、魚介類の仲卸しで常連になってから、次回の仕入れで特に欲しいものがあれば、
「××産の釣りもので、2キロから3キロの最高の△△△が欲しいです。
値段はいくら高くてもかまいません。1キロ5万円でも10万円でもかまいません。(現実的な最高値をはるかに上回る金額)」
とはっきりと伝えれば、仲卸しは強気で競りに望めます。
そして、仕入先への尊敬と感謝の気持ちを言葉で伝えること。
仕入れたモノがとても素晴らしかった、というような言葉は、仕入先の方々の喜びにつながるはずです。
また、私は仕入れのたびに、仕入先の方々に必ず、「ありがとうございます。」とお礼の言葉を伝えました。
毎日仕入れるわけでもない、しかも少量しか買わない私などに、
惜しげもなく最高級のモノを適正な値段で売ってくださることへの心からの感謝の気持ちからです。
また、魚介類や調味料などを送ってくださる仕入先の方々にも、Eメールや手紙で丁寧にお礼の言葉を伝えました。
今振り返れば、こういう私の姿勢が仕入先との良好な関係を築くのに大いに役立ったのではないかと思います。
2. 仕入先の選定
素材ごとの詳細は、別途述べますが、ここでは、築地場内市場での魚介類の仕入先選定にあたり、
私が重視したことについて書きます。
私が築地場内市場で仕入れていた頃、仲卸しの総数は900軒前後だったと思います。
上物店も多く、その中から、ネタ(タネ)ごとにとびっきりの仲卸しを絞り込んでいくのは、なかなか大変なことでした。
築地以外の大きな市場で仕入れをされる場合にも、参考になると思います。
①競りに強い仲卸し
競りを何度も見て、最高級の魚介類をコンスタントに競り落としている仲卸しを特定する。
競りに強い仲卸しは、競りにはかけられない魚介類も上物を扱っている場合が多い。
②すしや日本料理の一流店が仕入れている仲卸し
上物の仲卸しには、すしや日本料理の一流店が顧客として多くつきます。
築地の場内市場では、すしや日本料理の一流店のご主人達をよく見かけました。
もちろん、後をつけました(笑)
そういう方々が、書物で仕入先を明らかにしていることもあります。
おかげで、いくつもの上物を扱う仲卸しを選定できました。
たとえば、アナゴは競りにはかけられませんが、江戸前の上物を年間を通じて扱う仲卸しは決まっており、
その数は築地広しといえどほんのわずかです。
そのような魚介類の仕入先選定には、特に役立ちました。
私見では、すしネタのうち活魚に関しては、すしの一流店よりも日本料理の一流店の方が、
上物の仲卸しを選んでいたと思います。(ちなみにワサビもそうです。)
評論家が、「最高級のネタのみを選別し最高級のワサビで・・・」、
と言っているようなすしの一流店の方々が、私から見ても、「えっ、なんでそんなモノを仕入れるの?」
と思うほど、質も産地も良くない魚を仕入れているところもよく見かけました。
マグロ ・ ウニ ・ クルマエビのように良否が分かりやすいネタ以外では、けっこう節約しているのですね。
質が良くなくても、馴染みの仲卸しから色々なモノを仕入れれば値段も安くなりますから。
経営者でもあるその方々を責めるつもりはありませんが、
いいかげんなことを言っている評論家には、いつも呆れてしまいます。
③養殖モノや蓄養モノを扱っていない仲卸し
カキのような特殊なモノを除き、養殖モノや蓄養モノを扱っている仲卸しは、選定対象から外しました。
そういう仲卸しで、天然モノだけを仕入れている一流店の方を見たことがありますが、
値段は安く、まあまあのモノはあっても、とびっきりの上物は置いていないというのが私の見方です。
④自分が欲しい量を販売できる仲卸し(マグロ)
築地場内市場では、マグロやカジキはコロ(大きく切り分けたかたまり)で販売されています。
コロから3センチくらいを輪切りのように切ってくださる仲卸しもありましたが、それでは、まともなすしにはなりません。
その他の魚も、最低一匹単位(場合によっては半身も可能)での仕入れが原則です。
これでは使い切ることの出来ない魚もあります。
でも、マグロだけは絶対に諦めたくありませんでした。
幸い、築地でも有数の上物を扱うことで有名なマグロの仲卸しが、サクでも販売していることが分かりました。
以後、マグロはその仲卸しからのみ仕入れました。
⑤目利きに優れ、勉強熱心な仲卸し
魚介類は、大きさ、脂のノリ、時期、産地、漁法、漁師の扱い方、流通過程での扱い方などによってその良否が決まります。
また、オスかメスかによって評価が大きく変わるものもあります。(魚の身に関しては、一般的にメスの方が上です。)
私にとって(私だけでなく魚を扱う多くの人にとって)とてもやっかいなのが、青ものや白身の高級魚です。
なぜならば、漁獲後生け簀で何日も魚を生かし、場合によってはせっかくの天然ものに餌を与え蓄養魚化してしまい、
相場が上がりそうな時に、活け又は活け締めの状態で出荷してくる業者が少なくないからです。
もちろん、食べても味がなかったり養殖魚のようだったりで、到底高い金額に値するものではありません。
私自身、ひどい思いをしたことが何度もあります。
活けのエビ類(特に伊勢海老)や貝類(特にアワビ)にも、特に注意が必要です。
また、高級魚ではなくても、ブランド化された魚介類は、出荷調整されがちだと思います。
これを見分けるのは私にとっても、魚のプロにとっても難しいことで、
蓄養魚化された魚が、競りで高値をつけることもあるそうです。
ですから、競りに強いことに加え、産地の業者が魚介類をどう扱っているか、ということも含め、
よく勉強している仲卸しでなければ、つまらないモノをつかまされることになります。
よく勉強している仲卸しは、一流店の料理人達からの信頼も厚いです。
⑥親しくなった仲卸しからの紹介
私が主に活魚を仕入れていた仲卸しのご主人は、ご自分が扱わない魚介類のことや、
その上物を扱う仲卸しがどこか、といった類のことにまで精通していました。(そういう方はあまりいません。)
私ごときが、その当時既に幻となりつつあった、めったに入荷のない千葉大原のマダカアワビの上物を
仕入れることができたのも、その仲卸しのご主人の紹介のおかげでした。
他にも、選定できていなかったネタの仕入先も紹介していただき、とても助かりました。
⑦地味な仲卸しも見逃さない
何か月も前を通り過ぎていただけの、間口数メートルの小さな仲卸しの店先で、
時期外れなのに質の良い活けのトリガイを見つけました。
通路からは見えにくい冷蔵ケースの中には、数は少ないものの箱盛りのウニ (箱ウニ)、
シャコなどのとびっきりの上物ばかり。
店の奥のふたをした発泡スチロールの中には、とびっきりのアカガイ。
「コハダのいいモノもありますよ。」と仰るご主人が奥から持ってきてくださったのは、
これまた貴重でとびっきりの江戸前のコハダ。
「ああ、なんてことだ。こんなにスゴイ仲卸しを見逃していた!」
というショックとそれ以上の喜び。
以後、その仲卸しも重要な仕入先となりました。
いくつかのすしの一流店の仕入先であることも、後に分かりました。
箱ウニの競りを見ていれば、もっと早く見つけることができたのでしょうが。
(築地に並ぶ箱ウニにはミョウバンが使われていたので、仕入対象外でした。
でも、ウニ以外のネタのために、ウニの競りを見ておくべきでした。)
こういう仲卸しを見逃してはいけません。
【参考】 鮮魚店での仕入れ
私が本格的にすしを始めてから、いきなり築地に行って最高級のモノを追い求めたわけではありません。
20代前半の頃は使えるお金があまりなかったので、
産地直送中心の、新鮮さと安さを売りにする比較的大型の鮮魚店で仕入れていました。
その後、デパートでの仕入れを経て、地元では知る人ぞ知る大ベテランのご主人が営む鮮魚店を主な仕入先に変えました。
(並行して産地や築地の仲卸しからも、魚介類を時々送っていただきました。)
主な顧客は、すしを含む料理店、地元でも裕福な層の人達で、小さな店でしたが、
高級な魚介類も多くあり、カキ以外は養殖モノ・蓄養モノを一切扱っていませんでした。
さほど大きくない魚でも、少量のサクで買えるところも鮮魚店のありがたい点です。
常連となってからしばらくして、「魚でもワサビでも海苔でもなんでも仕入れてきてあげるよ。」
と言われ、お言葉に甘えることになりましたが、いつも良いものを仕入れてくださいました。
ご主人は鮮魚店の三男に生まれ、子供の頃からの夢が鮮魚店を営むことだったそうですが、
長男が後継ぎと決まっていたため、築地の仲卸しで長年働いた後に、自らの店を持ったそうです。
仕事が趣味みたいな方で、目利きと包丁技に優れ、私もずいぶんと勉強させていただきました。
こういう鮮魚店も仕入先としておススメです。
高齢のご主人が健康上の理由でお店を続けることが出来なくなった頃、
私の父も病気が悪化し、そう遠くはないであろう父の死を覚悟するようになりました。
幸い、手術後は食欲も元に戻り、食事制限もなく、それならば築地で最高級の素材を手に入れようと思い、
毎週の築地通いが始まり、父が亡くなるまで続きました。
特に生鮮素材については、学習と実践で自らの目利きを鍛えていくことに加え、いつも良いものを扱っている仕入先を選び、
その仕入先と良好な関係を築くことがとても重要になります。
1. 仕入れの姿勢
仕入先には、自分が最高のものが欲しいことを明確に伝えること、究極を目指すなら、値段は問わないことです。
例えば、魚介類の仲卸しで常連になってから、次回の仕入れで特に欲しいものがあれば、
「××産の釣りもので、2キロから3キロの最高の△△△が欲しいです。
値段はいくら高くてもかまいません。1キロ5万円でも10万円でもかまいません。(現実的な最高値をはるかに上回る金額)」
とはっきりと伝えれば、仲卸しは強気で競りに望めます。
そして、仕入先への尊敬と感謝の気持ちを言葉で伝えること。
仕入れたモノがとても素晴らしかった、というような言葉は、仕入先の方々の喜びにつながるはずです。
また、私は仕入れのたびに、仕入先の方々に必ず、「ありがとうございます。」とお礼の言葉を伝えました。
毎日仕入れるわけでもない、しかも少量しか買わない私などに、
惜しげもなく最高級のモノを適正な値段で売ってくださることへの心からの感謝の気持ちからです。
また、魚介類や調味料などを送ってくださる仕入先の方々にも、Eメールや手紙で丁寧にお礼の言葉を伝えました。
今振り返れば、こういう私の姿勢が仕入先との良好な関係を築くのに大いに役立ったのではないかと思います。
2. 仕入先の選定
素材ごとの詳細は、別途述べますが、ここでは、築地場内市場での魚介類の仕入先選定にあたり、
私が重視したことについて書きます。
私が築地場内市場で仕入れていた頃、仲卸しの総数は900軒前後だったと思います。
上物店も多く、その中から、ネタ(タネ)ごとにとびっきりの仲卸しを絞り込んでいくのは、なかなか大変なことでした。
築地以外の大きな市場で仕入れをされる場合にも、参考になると思います。
①競りに強い仲卸し
競りを何度も見て、最高級の魚介類をコンスタントに競り落としている仲卸しを特定する。
競りに強い仲卸しは、競りにはかけられない魚介類も上物を扱っている場合が多い。
②すしや日本料理の一流店が仕入れている仲卸し
上物の仲卸しには、すしや日本料理の一流店が顧客として多くつきます。
築地の場内市場では、すしや日本料理の一流店のご主人達をよく見かけました。
もちろん、後をつけました(笑)
そういう方々が、書物で仕入先を明らかにしていることもあります。
おかげで、いくつもの上物を扱う仲卸しを選定できました。
たとえば、アナゴは競りにはかけられませんが、江戸前の上物を年間を通じて扱う仲卸しは決まっており、
その数は築地広しといえどほんのわずかです。
そのような魚介類の仕入先選定には、特に役立ちました。
私見では、すしネタのうち活魚に関しては、すしの一流店よりも日本料理の一流店の方が、
上物の仲卸しを選んでいたと思います。(ちなみにワサビもそうです。)
評論家が、「最高級のネタのみを選別し最高級のワサビで・・・」、
と言っているようなすしの一流店の方々が、私から見ても、「えっ、なんでそんなモノを仕入れるの?」
と思うほど、質も産地も良くない魚を仕入れているところもよく見かけました。
マグロ ・ ウニ ・ クルマエビのように良否が分かりやすいネタ以外では、けっこう節約しているのですね。
質が良くなくても、馴染みの仲卸しから色々なモノを仕入れれば値段も安くなりますから。
経営者でもあるその方々を責めるつもりはありませんが、
いいかげんなことを言っている評論家には、いつも呆れてしまいます。
③養殖モノや蓄養モノを扱っていない仲卸し
カキのような特殊なモノを除き、養殖モノや蓄養モノを扱っている仲卸しは、選定対象から外しました。
そういう仲卸しで、天然モノだけを仕入れている一流店の方を見たことがありますが、
値段は安く、まあまあのモノはあっても、とびっきりの上物は置いていないというのが私の見方です。
④自分が欲しい量を販売できる仲卸し(マグロ)
築地場内市場では、マグロやカジキはコロ(大きく切り分けたかたまり)で販売されています。
コロから3センチくらいを輪切りのように切ってくださる仲卸しもありましたが、それでは、まともなすしにはなりません。
その他の魚も、最低一匹単位(場合によっては半身も可能)での仕入れが原則です。
これでは使い切ることの出来ない魚もあります。
でも、マグロだけは絶対に諦めたくありませんでした。
幸い、築地でも有数の上物を扱うことで有名なマグロの仲卸しが、サクでも販売していることが分かりました。
以後、マグロはその仲卸しからのみ仕入れました。
⑤目利きに優れ、勉強熱心な仲卸し
魚介類は、大きさ、脂のノリ、時期、産地、漁法、漁師の扱い方、流通過程での扱い方などによってその良否が決まります。
また、オスかメスかによって評価が大きく変わるものもあります。(魚の身に関しては、一般的にメスの方が上です。)
私にとって(私だけでなく魚を扱う多くの人にとって)とてもやっかいなのが、青ものや白身の高級魚です。
なぜならば、漁獲後生け簀で何日も魚を生かし、場合によってはせっかくの天然ものに餌を与え蓄養魚化してしまい、
相場が上がりそうな時に、活け又は活け締めの状態で出荷してくる業者が少なくないからです。
もちろん、食べても味がなかったり養殖魚のようだったりで、到底高い金額に値するものではありません。
私自身、ひどい思いをしたことが何度もあります。
活けのエビ類(特に伊勢海老)や貝類(特にアワビ)にも、特に注意が必要です。
また、高級魚ではなくても、ブランド化された魚介類は、出荷調整されがちだと思います。
これを見分けるのは私にとっても、魚のプロにとっても難しいことで、
蓄養魚化された魚が、競りで高値をつけることもあるそうです。
ですから、競りに強いことに加え、産地の業者が魚介類をどう扱っているか、ということも含め、
よく勉強している仲卸しでなければ、つまらないモノをつかまされることになります。
よく勉強している仲卸しは、一流店の料理人達からの信頼も厚いです。
⑥親しくなった仲卸しからの紹介
私が主に活魚を仕入れていた仲卸しのご主人は、ご自分が扱わない魚介類のことや、
その上物を扱う仲卸しがどこか、といった類のことにまで精通していました。(そういう方はあまりいません。)
私ごときが、その当時既に幻となりつつあった、めったに入荷のない千葉大原のマダカアワビの上物を
仕入れることができたのも、その仲卸しのご主人の紹介のおかげでした。
他にも、選定できていなかったネタの仕入先も紹介していただき、とても助かりました。
⑦地味な仲卸しも見逃さない
何か月も前を通り過ぎていただけの、間口数メートルの小さな仲卸しの店先で、
時期外れなのに質の良い活けのトリガイを見つけました。
通路からは見えにくい冷蔵ケースの中には、数は少ないものの箱盛りのウニ (箱ウニ)、
シャコなどのとびっきりの上物ばかり。
店の奥のふたをした発泡スチロールの中には、とびっきりのアカガイ。
「コハダのいいモノもありますよ。」と仰るご主人が奥から持ってきてくださったのは、
これまた貴重でとびっきりの江戸前のコハダ。
「ああ、なんてことだ。こんなにスゴイ仲卸しを見逃していた!」
というショックとそれ以上の喜び。
以後、その仲卸しも重要な仕入先となりました。
いくつかのすしの一流店の仕入先であることも、後に分かりました。
箱ウニの競りを見ていれば、もっと早く見つけることができたのでしょうが。
(築地に並ぶ箱ウニにはミョウバンが使われていたので、仕入対象外でした。
でも、ウニ以外のネタのために、ウニの競りを見ておくべきでした。)
こういう仲卸しを見逃してはいけません。
【参考】 鮮魚店での仕入れ
私が本格的にすしを始めてから、いきなり築地に行って最高級のモノを追い求めたわけではありません。
20代前半の頃は使えるお金があまりなかったので、
産地直送中心の、新鮮さと安さを売りにする比較的大型の鮮魚店で仕入れていました。
その後、デパートでの仕入れを経て、地元では知る人ぞ知る大ベテランのご主人が営む鮮魚店を主な仕入先に変えました。
(並行して産地や築地の仲卸しからも、魚介類を時々送っていただきました。)
主な顧客は、すしを含む料理店、地元でも裕福な層の人達で、小さな店でしたが、
高級な魚介類も多くあり、カキ以外は養殖モノ・蓄養モノを一切扱っていませんでした。
さほど大きくない魚でも、少量のサクで買えるところも鮮魚店のありがたい点です。
常連となってからしばらくして、「魚でもワサビでも海苔でもなんでも仕入れてきてあげるよ。」
と言われ、お言葉に甘えることになりましたが、いつも良いものを仕入れてくださいました。
ご主人は鮮魚店の三男に生まれ、子供の頃からの夢が鮮魚店を営むことだったそうですが、
長男が後継ぎと決まっていたため、築地の仲卸しで長年働いた後に、自らの店を持ったそうです。
仕事が趣味みたいな方で、目利きと包丁技に優れ、私もずいぶんと勉強させていただきました。
こういう鮮魚店も仕入先としておススメです。
高齢のご主人が健康上の理由でお店を続けることが出来なくなった頃、
私の父も病気が悪化し、そう遠くはないであろう父の死を覚悟するようになりました。
幸い、手術後は食欲も元に戻り、食事制限もなく、それならば築地で最高級の素材を手に入れようと思い、
毎週の築地通いが始まり、父が亡くなるまで続きました。