ウニ (キタムラサキウニ ・ エゾバフンウニ ・ アカウニ) uni edomae
Jun 27, 2015 16:26:07 GMT 9
Post by 管理人 on Jun 27, 2015 16:26:07 GMT 9
老舗系の江戸前のすし店では、頑なにウニを使わないところもありますが、
今や多くのすし店で1年中使われる定番ネタ(タネ)です。
ウニのすしと云えば、かつては軍艦巻一辺倒でしたが、今はウニのみの握りや、
イカ ・ イクラ ・ マグロのトロ ・ 子持ち昆布 ・ ゆば ・ キュウリ等と組み合わせたり、
塩 ・ カンキツ果汁を使ったりと様々です。
日本の食用のウニにも色々ありますが、東京のすしの名店では、
キタムラサキウニ ・ エゾバフンウニ ・ アカウニの3種が主に使われていると思います。
私も、最終的にはこの3種に落ち着きました。
築地では、バフンウニ系のウニを「赤ウニ」、ムラサキウニ系のウニを「白ウニ」と呼んだりしますが、
ここでいうアカウニは別の種類のウニです。
以前、東京のすし店ではアカウニは使われず、築地での扱いもなかったようですが、
若手・中堅のすしの名店が、こぞって産地直送の唐津産(佐賀)のアカウニを使いだしてから広まり、
後に築地場内でも扱われるようになったようです。
私に初めてシマアジを食べさせてくれた姉は、ウニが大好物でした。
シマアジで恩返しすることは出来ませんでしたが、姉が病気で亡くなる少し前、
彼女が一番好きなキタムラサキウニの上物で作った軍艦巻を、思う存分食べてもらいました。
ウニといえば、その時の姉の笑顔を思い出します。
私にとって、かけがえのない思い出です。
1.仕入れ (各地, 築地場内)
ウニは、種類 ・ 場所により産卵期が異なるため、旬の時期にバラツキがありますが、
いずれも産卵期よりも少し前が一番美味しい時期です。
産卵期ならびに産卵期直前は、味が悪くなります。
最近は上質のウニの漁獲が激減してしまい、ウニの仕入れが難しくなっていると、すし職人達が口を揃えて言います。
特に、江戸前のすしとの縁が深い、
北海道のキタムラサキウニとエゾバフンウニ(北方領土産含む)の上物が減っていて、
わずかになった上物の値段は、以前にも増して跳ね上がってしまいました。
エゾバフンウニにいたっては、種苗の放流なしにはウニ漁が成り立たない産地も多いようです。
私が働いていた日本料理店では、
ウニを使う場合は、ミョウバン処理していないエゾバフンウニ ・ バフンウニ ・ アカウニのいずれかの最高級品を、
産地から直接仕入れていました。
その中で、ダントツで値段が高く、味わい豊かなのは北海道のエゾバフンウニでした。
残念ながら、私の知る限り、今の北海道の最高級のエゾバフンウニは、その当時のものには及びません。
◆ミョウバン使用品の場合
ミョウバン使用を気にしなければ、
築地場内ならば、最高値をつけるレベルの箱盛りのウニ(以下、「箱ウニ」)を選べば、満足出来るでしょう。
築地場内にはウニ専門の仲卸しが多くありますし、
それ以外の仲卸しでもウニを扱っているところがたくさんあります。
仕入先を特定するのはたいへんだと思いますが、ウニの競りを何度か見れば、
コンスタントに最高級の箱ウニを競り落としているいくつかの仲卸しを特定できるはずです。
(分かりにくいとは思いますが)
それらの仲卸しが、最高級のすし店のウニの仕入先です。
ただし、上物が品薄の時はとんでもない値段になり、
尚且つその値段に見合うものとは限らないので、そういう時はやめておいた方がいいと思います。
ちなみに、築地で最高値をつけるウニは、
北海道の数ある加工会社のうち、一部の加工会社が出荷するキタムラサキウニ又はエゾバフンウニの箱ウニです。
箱ウニの容器には、加工会社の名称(又は通称)と、
加工会社が独自に定めたウニのランクが書かれたシールが貼ってありますので、それらを覚えておくといいでしょう。
インターネット通販でも、上物を扱っているところが稀にあります。
◆ミョウバン不使用品の場合
ミョウバン使用を嫌うとなると、上物を仕入れるのは非常に難しくなります。
というのは、名産地の最高品質の活けのウニ(以下、「殻付きウニ」)のほとんど全てが、
高値の付く箱ウニに回され、箱ウニのほとんどにミョウバンが使用されているからです。
私が築地通いをしていた当時、築地場内に並ぶ箱ウニで、ミョウバンを使用していないものは皆無でした。
私はミョウバン使用のウニを嫌ったので、築地通いをする以前からウニの仕入れには苦労しました。
塩ウニは別として、ミョウバン不使用の生ウニの選択肢は次の通りです。
a. 殻付きウニそのまま(もちろん、死んだものは使えません。)
b. 剥いて、箱ウニ ・ パック詰め ・ 瓶詰め等にしたもの
c. 剥いて塩水に入れたもの(「塩水ウニ」、「塩水パック」、「海水パック」などと称されます。)
それぞれに短所があります。
aは、開けてみたらあまり良くなかった、ということがよくあります。(特に色)
bは、身崩れしやすく、特にキタムラサキウニ・ムラサキウニの場合は、加工日の翌日にはかなり溶けてしまいます。
cは、どうしても味が抜けてしまいます。
私は、最終的には産地から、キタムラサキウニをaで、エゾバフンウニとアカウニをbで仕入れました。
いずれもミョウバン不使用の上物を市場等で見つけるのは難しいので、産地直送をオススメします。
ただし、産地直送といっても、インターネットで一般向けに販売されているものに、上物はありません。
ウニ漁師・産地や産地に近い集散地の仲買人・加工業者など
(インターネット販売をしているところもあります)
と交渉して、上物を押さえてください。
その際、相手方がぜひともあなたに売りたい、と思わせるだけの金額と熱意を伝えてください。
そして、良いものが届いたら定期的に仕入れ、感謝の気持ちをきちんと伝えてください。
築地通いをしていた頃も、ウニは産地直送で仕入れていましたが、築地場内で仕入れたこともあります。
探したのは殻付きのキタムラサキウニ。
築地場内には、あちらこちらの仲卸しに、
キタムラサキウニ・ムラサキウニ・エゾバフンウニ・バフンウニの殻付きウニが並んでいるのですが、
なかなか良いものが見つかりませんでした。
経済力のなかった若い頃、産地直送中心の大型安売り鮮魚店で、
下物の殻付きウニを仕入れていたので、駄目なものの目利き(笑)には慣れていました。
何日探しても上物が見つからないので、やっぱり無いかぁ、と半ばあきらめていたところ、
大きめで、厚く、重く、口が閉じていて、ツヤがあり、トゲがかたく立っている、
とてもいい感じの殻付きのキタムラサキウニを見つけました。
何度か仕入れて使ってみたところ、
身(生殖巣)は大人の男性の手の親指の第一関節より上の部分くらいでふっくらとした最適サイズ、
甘味が豊かで味も香りも良好、色も綺麗(ミョウバン使用のものと違い自然な色)と、なかなかのものでした。
その仲卸しのご主人に話を伺うと、
ミョウバン使用のウニを嫌う料理人が増え、上質の殻付きウニの需要が増えているけれど、
大卸し(築地に数社ある荷受会社。セリや相対取引で仲卸し等に魚介類を販売する。)は
良いものを扱っていないため、北海道と下北半島(青森)から上物を直送してもらっている、とのことでした。
今は、こういう仲卸しが増えているかもしれませんので、
築地場内のようなところでも、上物の殻付きウニが見つかるかもしれません。
2.仕込み
【下処理】
殻付きウニと塩水ウニの下処理について書きます。
熱に弱いので、低温で処理・保温してください。
また、処理の過程で、塩水に長く浸けたり、脱水シートに長時間挟んだりして、
味を落とさないよう気をつけてください。
★殻付きウニの場合
①包丁かハサミで口を外してから殻を割り、スプーン等で身(生殖巣)を傷つけないように取り出し、
表面に付いている不純物(生殖巣以外の内臓等)をピンセットで取り除きます。
身は、1個の殻付きウニに5房入っています。
②身をプラスチック製のザルに入れます。
③良く冷やした海水より薄めの塩水(精製塩以外の海水塩+ミネラルウォ-ター)をボウルに入れ、
その中で、ザルごと素早く且つやさしく振り洗いします。
④ザルを塩水から上げ、ピンセットで更に不純物を取り除きます。
⑤別のボウルに③と同様の冷やした塩水を入れ、その中に身を入れ、
軽くかき回して残留している不純物を完全に取り除き、別のプラスチック製のザルにあけます。
不純物が残っていると、苦みや渋みの原因になりますので、気をつけてください。
⑥盆ザルにキッチンペーパーを敷いて斜めに立て掛け、その上に身を載せて軽く水切りします。
⑦身を脱水シート(キッチンペーパーで代用可)に挟んで冷蔵庫に入れ(短時間)、
余分な水分が取れたら、器に移しラップして冷蔵庫に入れます。
★塩水ウニの場合
水切り用のシートが入っているので、それで水を切った後に、
脱水シート(キッチンペーパーで代用可)に挟んで冷蔵庫に入れ(短時間)、
余分な水分が取れたら、器に移しラップして冷蔵庫に入れます。
殻付きウニの場合も、塩水ウニの場合も、脱水シートは「リード おいしくなるシート」を使いました。
宣伝している訳ではありませんが、この下処理に向いていると思います。
3.供し方
色々なウニを、すし ・ その他様々な形で使い、それぞれに喜ばれましたが、
私の両親が圧倒的に好んだのは、キタムラサキウニの軍艦巻でした。
最近は必ずしもそうとはいえませんが、
キタムラサキウニは、東京のすし店が主軸にしてきたウニなので、食べ慣れているということもあったのでしょう。
ですので、キタムラサキウニの軍艦巻が我が家の定番となりました。
(妻や子供達もキタムラサキウニの軍艦巻を最も好みました。)
備長炭で炙りたての海苔とシャリで軍艦巻にし、ワサビを載せ、
その上に適量のキタムラサキウニを載せ、煮切り醤油をつけて供します。
ウニのすしにワサビを使うか使わないかは、好みによれば良いことですが、
私の知る限り、名店クラスでは使っています。
すしとしての味のバランスを考えてのことだと思います。
ただし、下物のワサビや粉ワサビならば使わない方が良いでしょう。
すし店では、(お客の願望に応えるべく)ウニをてんこ盛りにした軍艦巻がよく出されますが、
味のバランスからいうと載せ過ぎない方が、すしとして味わうには適しています。
私は、軍艦巻に好相性のウニは、上物のキタムラサキウニだけだと思います。(海苔の選択も重要です。)
近年は、ウニだけ(ワサビは使われるのが普通)を握るすしがトレンドとなっています。
私もいくつものすしの名店で何度も食べましたし、自分でも試しました。
悪くはないのですが、どの種類のウニであろうと、赤酢のシャリであろうと、米酢のシャリであろうと、
すしとしてはイマイチです。
それならば、すしにせずに食べた方が美味しいと思います。
すしとしての完成度を高めるならば、未知の工夫が必要です。
私はいくつかのアイデアを持っていましたが、
キタムラサキウニの軍艦巻ほどには喜ばれないだろうと思い、試すことはありませんでした。
そのうち、若手・中堅の名店から、完成度の高いものが出てくるかもしれません。
今や多くのすし店で1年中使われる定番ネタ(タネ)です。
ウニのすしと云えば、かつては軍艦巻一辺倒でしたが、今はウニのみの握りや、
イカ ・ イクラ ・ マグロのトロ ・ 子持ち昆布 ・ ゆば ・ キュウリ等と組み合わせたり、
塩 ・ カンキツ果汁を使ったりと様々です。
日本の食用のウニにも色々ありますが、東京のすしの名店では、
キタムラサキウニ ・ エゾバフンウニ ・ アカウニの3種が主に使われていると思います。
私も、最終的にはこの3種に落ち着きました。
築地では、バフンウニ系のウニを「赤ウニ」、ムラサキウニ系のウニを「白ウニ」と呼んだりしますが、
ここでいうアカウニは別の種類のウニです。
以前、東京のすし店ではアカウニは使われず、築地での扱いもなかったようですが、
若手・中堅のすしの名店が、こぞって産地直送の唐津産(佐賀)のアカウニを使いだしてから広まり、
後に築地場内でも扱われるようになったようです。
私に初めてシマアジを食べさせてくれた姉は、ウニが大好物でした。
シマアジで恩返しすることは出来ませんでしたが、姉が病気で亡くなる少し前、
彼女が一番好きなキタムラサキウニの上物で作った軍艦巻を、思う存分食べてもらいました。
ウニといえば、その時の姉の笑顔を思い出します。
私にとって、かけがえのない思い出です。
1.仕入れ (各地, 築地場内)
ウニは、種類 ・ 場所により産卵期が異なるため、旬の時期にバラツキがありますが、
いずれも産卵期よりも少し前が一番美味しい時期です。
産卵期ならびに産卵期直前は、味が悪くなります。
最近は上質のウニの漁獲が激減してしまい、ウニの仕入れが難しくなっていると、すし職人達が口を揃えて言います。
特に、江戸前のすしとの縁が深い、
北海道のキタムラサキウニとエゾバフンウニ(北方領土産含む)の上物が減っていて、
わずかになった上物の値段は、以前にも増して跳ね上がってしまいました。
エゾバフンウニにいたっては、種苗の放流なしにはウニ漁が成り立たない産地も多いようです。
私が働いていた日本料理店では、
ウニを使う場合は、ミョウバン処理していないエゾバフンウニ ・ バフンウニ ・ アカウニのいずれかの最高級品を、
産地から直接仕入れていました。
その中で、ダントツで値段が高く、味わい豊かなのは北海道のエゾバフンウニでした。
残念ながら、私の知る限り、今の北海道の最高級のエゾバフンウニは、その当時のものには及びません。
◆ミョウバン使用品の場合
ミョウバン使用を気にしなければ、
築地場内ならば、最高値をつけるレベルの箱盛りのウニ(以下、「箱ウニ」)を選べば、満足出来るでしょう。
築地場内にはウニ専門の仲卸しが多くありますし、
それ以外の仲卸しでもウニを扱っているところがたくさんあります。
仕入先を特定するのはたいへんだと思いますが、ウニの競りを何度か見れば、
コンスタントに最高級の箱ウニを競り落としているいくつかの仲卸しを特定できるはずです。
(分かりにくいとは思いますが)
それらの仲卸しが、最高級のすし店のウニの仕入先です。
ただし、上物が品薄の時はとんでもない値段になり、
尚且つその値段に見合うものとは限らないので、そういう時はやめておいた方がいいと思います。
ちなみに、築地で最高値をつけるウニは、
北海道の数ある加工会社のうち、一部の加工会社が出荷するキタムラサキウニ又はエゾバフンウニの箱ウニです。
箱ウニの容器には、加工会社の名称(又は通称)と、
加工会社が独自に定めたウニのランクが書かれたシールが貼ってありますので、それらを覚えておくといいでしょう。
インターネット通販でも、上物を扱っているところが稀にあります。
◆ミョウバン不使用品の場合
ミョウバン使用を嫌うとなると、上物を仕入れるのは非常に難しくなります。
というのは、名産地の最高品質の活けのウニ(以下、「殻付きウニ」)のほとんど全てが、
高値の付く箱ウニに回され、箱ウニのほとんどにミョウバンが使用されているからです。
私が築地通いをしていた当時、築地場内に並ぶ箱ウニで、ミョウバンを使用していないものは皆無でした。
私はミョウバン使用のウニを嫌ったので、築地通いをする以前からウニの仕入れには苦労しました。
塩ウニは別として、ミョウバン不使用の生ウニの選択肢は次の通りです。
a. 殻付きウニそのまま(もちろん、死んだものは使えません。)
b. 剥いて、箱ウニ ・ パック詰め ・ 瓶詰め等にしたもの
c. 剥いて塩水に入れたもの(「塩水ウニ」、「塩水パック」、「海水パック」などと称されます。)
それぞれに短所があります。
aは、開けてみたらあまり良くなかった、ということがよくあります。(特に色)
bは、身崩れしやすく、特にキタムラサキウニ・ムラサキウニの場合は、加工日の翌日にはかなり溶けてしまいます。
cは、どうしても味が抜けてしまいます。
私は、最終的には産地から、キタムラサキウニをaで、エゾバフンウニとアカウニをbで仕入れました。
いずれもミョウバン不使用の上物を市場等で見つけるのは難しいので、産地直送をオススメします。
ただし、産地直送といっても、インターネットで一般向けに販売されているものに、上物はありません。
ウニ漁師・産地や産地に近い集散地の仲買人・加工業者など
(インターネット販売をしているところもあります)
と交渉して、上物を押さえてください。
その際、相手方がぜひともあなたに売りたい、と思わせるだけの金額と熱意を伝えてください。
そして、良いものが届いたら定期的に仕入れ、感謝の気持ちをきちんと伝えてください。
築地通いをしていた頃も、ウニは産地直送で仕入れていましたが、築地場内で仕入れたこともあります。
探したのは殻付きのキタムラサキウニ。
築地場内には、あちらこちらの仲卸しに、
キタムラサキウニ・ムラサキウニ・エゾバフンウニ・バフンウニの殻付きウニが並んでいるのですが、
なかなか良いものが見つかりませんでした。
経済力のなかった若い頃、産地直送中心の大型安売り鮮魚店で、
下物の殻付きウニを仕入れていたので、駄目なものの目利き(笑)には慣れていました。
何日探しても上物が見つからないので、やっぱり無いかぁ、と半ばあきらめていたところ、
大きめで、厚く、重く、口が閉じていて、ツヤがあり、トゲがかたく立っている、
とてもいい感じの殻付きのキタムラサキウニを見つけました。
何度か仕入れて使ってみたところ、
身(生殖巣)は大人の男性の手の親指の第一関節より上の部分くらいでふっくらとした最適サイズ、
甘味が豊かで味も香りも良好、色も綺麗(ミョウバン使用のものと違い自然な色)と、なかなかのものでした。
その仲卸しのご主人に話を伺うと、
ミョウバン使用のウニを嫌う料理人が増え、上質の殻付きウニの需要が増えているけれど、
大卸し(築地に数社ある荷受会社。セリや相対取引で仲卸し等に魚介類を販売する。)は
良いものを扱っていないため、北海道と下北半島(青森)から上物を直送してもらっている、とのことでした。
今は、こういう仲卸しが増えているかもしれませんので、
築地場内のようなところでも、上物の殻付きウニが見つかるかもしれません。
2.仕込み
【下処理】
殻付きウニと塩水ウニの下処理について書きます。
熱に弱いので、低温で処理・保温してください。
また、処理の過程で、塩水に長く浸けたり、脱水シートに長時間挟んだりして、
味を落とさないよう気をつけてください。
★殻付きウニの場合
①包丁かハサミで口を外してから殻を割り、スプーン等で身(生殖巣)を傷つけないように取り出し、
表面に付いている不純物(生殖巣以外の内臓等)をピンセットで取り除きます。
身は、1個の殻付きウニに5房入っています。
②身をプラスチック製のザルに入れます。
③良く冷やした海水より薄めの塩水(精製塩以外の海水塩+ミネラルウォ-ター)をボウルに入れ、
その中で、ザルごと素早く且つやさしく振り洗いします。
④ザルを塩水から上げ、ピンセットで更に不純物を取り除きます。
⑤別のボウルに③と同様の冷やした塩水を入れ、その中に身を入れ、
軽くかき回して残留している不純物を完全に取り除き、別のプラスチック製のザルにあけます。
不純物が残っていると、苦みや渋みの原因になりますので、気をつけてください。
⑥盆ザルにキッチンペーパーを敷いて斜めに立て掛け、その上に身を載せて軽く水切りします。
⑦身を脱水シート(キッチンペーパーで代用可)に挟んで冷蔵庫に入れ(短時間)、
余分な水分が取れたら、器に移しラップして冷蔵庫に入れます。
★塩水ウニの場合
水切り用のシートが入っているので、それで水を切った後に、
脱水シート(キッチンペーパーで代用可)に挟んで冷蔵庫に入れ(短時間)、
余分な水分が取れたら、器に移しラップして冷蔵庫に入れます。
殻付きウニの場合も、塩水ウニの場合も、脱水シートは「リード おいしくなるシート」を使いました。
宣伝している訳ではありませんが、この下処理に向いていると思います。
3.供し方
色々なウニを、すし ・ その他様々な形で使い、それぞれに喜ばれましたが、
私の両親が圧倒的に好んだのは、キタムラサキウニの軍艦巻でした。
最近は必ずしもそうとはいえませんが、
キタムラサキウニは、東京のすし店が主軸にしてきたウニなので、食べ慣れているということもあったのでしょう。
ですので、キタムラサキウニの軍艦巻が我が家の定番となりました。
(妻や子供達もキタムラサキウニの軍艦巻を最も好みました。)
備長炭で炙りたての海苔とシャリで軍艦巻にし、ワサビを載せ、
その上に適量のキタムラサキウニを載せ、煮切り醤油をつけて供します。
ウニのすしにワサビを使うか使わないかは、好みによれば良いことですが、
私の知る限り、名店クラスでは使っています。
すしとしての味のバランスを考えてのことだと思います。
ただし、下物のワサビや粉ワサビならば使わない方が良いでしょう。
すし店では、(お客の願望に応えるべく)ウニをてんこ盛りにした軍艦巻がよく出されますが、
味のバランスからいうと載せ過ぎない方が、すしとして味わうには適しています。
私は、軍艦巻に好相性のウニは、上物のキタムラサキウニだけだと思います。(海苔の選択も重要です。)
近年は、ウニだけ(ワサビは使われるのが普通)を握るすしがトレンドとなっています。
私もいくつものすしの名店で何度も食べましたし、自分でも試しました。
悪くはないのですが、どの種類のウニであろうと、赤酢のシャリであろうと、米酢のシャリであろうと、
すしとしてはイマイチです。
それならば、すしにせずに食べた方が美味しいと思います。
すしとしての完成度を高めるならば、未知の工夫が必要です。
私はいくつかのアイデアを持っていましたが、
キタムラサキウニの軍艦巻ほどには喜ばれないだろうと思い、試すことはありませんでした。
そのうち、若手・中堅の名店から、完成度の高いものが出てくるかもしれません。