クルマエビ(車海老,車蝦),ブドウエビ(ヒゴロモエビ),レシピ ebi kurumaebi recipe edomae
Jan 9, 2015 18:22:38 GMT 9
Post by 管理人 on Jan 9, 2015 18:22:38 GMT 9
エビは小さいので、ネタ(タネ)の数を増やすのに最適。
すしにしなければいけない、というわけではないので、色々なエビを仕入れ、色々な食べ方をしました。
(すしにはしませんでしたが、カニも色々と仕入れました。)
クルマエビ ・ イセエビ ・ オマールエビ ・ アカザエビ ・ クマエビ(アカアシ) ・ シロエビ ・ ウチワエビ ・
ブドウエビ(ヒゴロモエビ) ・ ボタンエビ ・ シマエビ(モロトゲアカエビ) ・ シバエビ等々。
我が家で圧倒的に人気があったのは、幻のエビ、ブドウエビ(ヒゴロモエビ)です。
「ブドウエビ」 が標準和名となっている他の種類のエビがいますが、
一般的に「ブドウエビ」といえば、標準和名でいうところの「ヒゴロモエビ」を指し、
このサイトでも、「ヒゴロモエビ」を「ブドウエビ」と呼んでいます。
ブドウエビは、ボタンエビと同じように生で食べると美味しいエビで、
身 ・ ミソ ・ タマゴ、いずれも素晴らしい。
深海のエビで漁獲量が極めて少なく、
当時、築地場内では2件のエビ専門の仲卸しだけが、冷凍ではない生のブドウエビを極少量扱っていて、
良いものがあれば必ず仕入れました。
入荷の頻度が高かったのは6~10月頃で、特に夏場が多かったです。
他の時期の入荷はあまりなく、特に真冬は稀でした。
冬が一番いい時期だと思いますが、春の産卵期前後に気をつければ、いつでも美味しく食べることができます。
ブドウエビは活けで販売されてはいませんでしたが、どの活けのエビよりも高価でした。
三陸・青森・銚子あたりのエビという認識でいましたが、最近は羅臼など北海道でも獲れるそうです。
最近は、冷凍物の流通も多いようですが、冷凍物は使ったことがないので何とも言えません。
ブドウエビは、すしにも使われるエビですが、すしにはせずにそのまま生で供しました。
すしに使ったのは、江戸前のすしの定番、クルマエビとシバエビです。
シバエビは、江戸前のすしでは、玉子焼きやおぼろに使うのですが、ここではクルマエビついて書きます。
1.仕入れ (築地場内市場, クルマエビ)
すし ・ 天ぷら ・ 日本料理の店では、欠かせないエビです。
築地場内には、クルマエビ専門の仲卸しも、かなりの数ありました。
残念ながら、そのほとんどが養殖。
養殖物と天然物の差は、他の魚介類よりも小さいのですが、
私は上物を扱う仲卸しから、活けの天然物のみを仕入れました。
1年を通じて、各地から活けの天然のクルマエビが入荷しましたが、
東京湾の神奈川側で獲れるものが、最も優れていました。
旬は漁の少ない真冬から早春ですが、夏場の産卵期とその直後に気をつければ1年中美味しく食べられます。
2.仕込みと供し方
かなり多くの名店で行われているクルマエビの仕込みは、次の通り。
大グルマと呼ばれる20センチ以上の大ぶりな活けのクルマエビの腹側に、身を傷つけぬよう竹ぐしを打つ
→塩ゆでする(塩だけでなく少量の酢を入れる店もあり)
→氷水で熱をとる(自然に冷ます店もあり)
→身にミソが残るように頭とカラを外す(火の通しを浅くする店ではミソは身に残さず、頭を焼いて供する。)
→腹を開いて背ワタをとる
→ワサビをつけて握る(握る前、酢にくぐらせる店もあり)
→煮切り醤油又は塩をつけて、まだ少し温かい状態で供する。
この仕事の場合、私はすしにはしませんでした。
大グルマをゆでる前に、頭をつけたまま背ワタを抜き、頭に完全に火を通すほどにはゆでず、
身はカラつきのまま腹を開かずに、頭は焼いて、温かい状態で供しました。
クルマエビをシンプルに美味しく食べる方法の一つだと思います。
あえてすしにするならば、別の仕事をした方がシャリとの相性が良くなると思います。
甘酢に漬けたもの、甘酢とタマゴでつくったおぼろに漬けたもの、おぼろを使ったものなど、
いくつもの名店で食べ、自分でもそれらを試しましたが、もう少し自分好みのすしにしたいと思い、次の2つを考えました。
【レシピ - その1】
料理人時代に作っていた、数あるクルマエビ料理の一つをヒントにしたものです。
供する直前に仕込みます。
(材料)
・活けのクルマエビ(15cmくらい) 適量
・好みの塩(精製塩は不可) 適量
・干したコノコ(クチコ) 適量
・ユズ(他のかんきつ類も可) 適量
①クルマエビを水洗いし、オガクズと汚れを落とします。(活けのクルマエビはオガクズに入れて販売されます)
②クルマエビの頭を折るようにして外しながら、一緒に背ワタを抜きます。
③カラをむきます。
④身と頭を網にのせて焼きます。
身は、外側を焼く感じで、中の方は少し生にします。
ナマすぎても、焼きすぎてもダメです。
ほどよく焼けると、香りが出て、甘味も凝縮され、ジューシーな仕上がりになります。
頭は、中のミソを使うのでよく焼いてください。
⑤身を焼いている間に、コノコを軽くあぶり、刻みます。
⑥供し方(色々と楽しめます)
背を開き、形を整え、腹表に握ります。(焼くと丸くなるので背を開きます)
a. ワサビなし(ありでも可)で握り、塩と刻んだコノコをふる。
b. ワサビをつけて握り、塩又は煮切り醤油をつけ、ごく少量の、すったユズをふる。(ユズはシャリにつけて握っても可)
c. ワサビをつけて握り、塩とユズの果汁を数滴ふる。
d. ワサビをつけて握り、煮切り醤油を塗る。
e. ワサビをつけて握り、塩又は煮切り醤油と焼いた頭のミソをつける。(ユズを使っても可)
【レシピ - その2】
甘酢に漬ける、伝統的な江戸前の仕事をアレンジしたものです。
甘味の強いクルマエビでなければ、美味しくできません。
供する数時間前に、仕込みを終えてください。(酢を馴染ませるため)
(材料)
・活けのクルマエビ(15cmくらい) 適量
・造りの良い米酢(軽く酸味がマイルドなもの) 適量
・あら塩(精製塩は不可) 適量
・水 (高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・氷 (高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化して凍らせたもの) 適量
①鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を入れます。
②クルマエビを水洗いし、オガクズと汚れを落とします。
③腹側の身とカラの間に、身を傷つけぬよう竹ぐしを打ちます。
④鍋にクルマエビを入れ茹でます。
⑤クルマエビが浮いたら取り出し、氷水で冷ましてからザルに上げます。
身の中心にギリギリ火が通ったくらいです。頭にはまだ完全に火が通っていません。
⑥キッチンペーパー等で水気をとり、竹ぐしを回しながらそっと抜き、頭を外し、カラをむき、別のザルに移します。
ミソは身に残しません。
⑦身に塩を均等にふり、塩がなじむまで置きます。
この後に塩を洗い落とさないので、塩の量に気を付けてください。
ただし、塩が少なすぎると身の甘味が強調されず、また酢の浸透が悪くなります。
⑧身から出てきた水分を、キッチンペーパー等でとります。
⑨ボウルに米酢を入れ、身を漬けます。
米酢の量はヒタヒタになる程度です。
⑩10分程漬けたら、身を別のザルに上げ、しばらく置きます。
⑪酢が切れたら皿に移し、ラップをし、供するまで室温に置きます。
冷蔵庫には入れません。
⑫供し方
・身の水気をキッチンペーパー等で拭い、腹を開いて背ワタをとり、形を整え、
ワサビをつけて背表に握り、煮切り醤油を塗って供します。
・頭は、握りとは別に、塩焼きにして供します。
【参考】
若い頃は、クルマエビではない、頭のついていない安い冷凍のエビを解凍して使いました。
この場合、【レシピ - その2】 と同じように仕込みましたが、米酢に砂糖を加えた甘酢を使いました。
甘酢にごく少量の梅酢を加えてもOKです。
すしにしなければいけない、というわけではないので、色々なエビを仕入れ、色々な食べ方をしました。
(すしにはしませんでしたが、カニも色々と仕入れました。)
クルマエビ ・ イセエビ ・ オマールエビ ・ アカザエビ ・ クマエビ(アカアシ) ・ シロエビ ・ ウチワエビ ・
ブドウエビ(ヒゴロモエビ) ・ ボタンエビ ・ シマエビ(モロトゲアカエビ) ・ シバエビ等々。
我が家で圧倒的に人気があったのは、幻のエビ、ブドウエビ(ヒゴロモエビ)です。
「ブドウエビ」 が標準和名となっている他の種類のエビがいますが、
一般的に「ブドウエビ」といえば、標準和名でいうところの「ヒゴロモエビ」を指し、
このサイトでも、「ヒゴロモエビ」を「ブドウエビ」と呼んでいます。
ブドウエビは、ボタンエビと同じように生で食べると美味しいエビで、
身 ・ ミソ ・ タマゴ、いずれも素晴らしい。
深海のエビで漁獲量が極めて少なく、
当時、築地場内では2件のエビ専門の仲卸しだけが、冷凍ではない生のブドウエビを極少量扱っていて、
良いものがあれば必ず仕入れました。
入荷の頻度が高かったのは6~10月頃で、特に夏場が多かったです。
他の時期の入荷はあまりなく、特に真冬は稀でした。
冬が一番いい時期だと思いますが、春の産卵期前後に気をつければ、いつでも美味しく食べることができます。
ブドウエビは活けで販売されてはいませんでしたが、どの活けのエビよりも高価でした。
三陸・青森・銚子あたりのエビという認識でいましたが、最近は羅臼など北海道でも獲れるそうです。
最近は、冷凍物の流通も多いようですが、冷凍物は使ったことがないので何とも言えません。
ブドウエビは、すしにも使われるエビですが、すしにはせずにそのまま生で供しました。
すしに使ったのは、江戸前のすしの定番、クルマエビとシバエビです。
シバエビは、江戸前のすしでは、玉子焼きやおぼろに使うのですが、ここではクルマエビついて書きます。
1.仕入れ (築地場内市場, クルマエビ)
すし ・ 天ぷら ・ 日本料理の店では、欠かせないエビです。
築地場内には、クルマエビ専門の仲卸しも、かなりの数ありました。
残念ながら、そのほとんどが養殖。
養殖物と天然物の差は、他の魚介類よりも小さいのですが、
私は上物を扱う仲卸しから、活けの天然物のみを仕入れました。
1年を通じて、各地から活けの天然のクルマエビが入荷しましたが、
東京湾の神奈川側で獲れるものが、最も優れていました。
旬は漁の少ない真冬から早春ですが、夏場の産卵期とその直後に気をつければ1年中美味しく食べられます。
2.仕込みと供し方
かなり多くの名店で行われているクルマエビの仕込みは、次の通り。
大グルマと呼ばれる20センチ以上の大ぶりな活けのクルマエビの腹側に、身を傷つけぬよう竹ぐしを打つ
→塩ゆでする(塩だけでなく少量の酢を入れる店もあり)
→氷水で熱をとる(自然に冷ます店もあり)
→身にミソが残るように頭とカラを外す(火の通しを浅くする店ではミソは身に残さず、頭を焼いて供する。)
→腹を開いて背ワタをとる
→ワサビをつけて握る(握る前、酢にくぐらせる店もあり)
→煮切り醤油又は塩をつけて、まだ少し温かい状態で供する。
この仕事の場合、私はすしにはしませんでした。
大グルマをゆでる前に、頭をつけたまま背ワタを抜き、頭に完全に火を通すほどにはゆでず、
身はカラつきのまま腹を開かずに、頭は焼いて、温かい状態で供しました。
クルマエビをシンプルに美味しく食べる方法の一つだと思います。
あえてすしにするならば、別の仕事をした方がシャリとの相性が良くなると思います。
甘酢に漬けたもの、甘酢とタマゴでつくったおぼろに漬けたもの、おぼろを使ったものなど、
いくつもの名店で食べ、自分でもそれらを試しましたが、もう少し自分好みのすしにしたいと思い、次の2つを考えました。
【レシピ - その1】
料理人時代に作っていた、数あるクルマエビ料理の一つをヒントにしたものです。
供する直前に仕込みます。
(材料)
・活けのクルマエビ(15cmくらい) 適量
・好みの塩(精製塩は不可) 適量
・干したコノコ(クチコ) 適量
・ユズ(他のかんきつ類も可) 適量
①クルマエビを水洗いし、オガクズと汚れを落とします。(活けのクルマエビはオガクズに入れて販売されます)
②クルマエビの頭を折るようにして外しながら、一緒に背ワタを抜きます。
③カラをむきます。
④身と頭を網にのせて焼きます。
身は、外側を焼く感じで、中の方は少し生にします。
ナマすぎても、焼きすぎてもダメです。
ほどよく焼けると、香りが出て、甘味も凝縮され、ジューシーな仕上がりになります。
頭は、中のミソを使うのでよく焼いてください。
⑤身を焼いている間に、コノコを軽くあぶり、刻みます。
⑥供し方(色々と楽しめます)
背を開き、形を整え、腹表に握ります。(焼くと丸くなるので背を開きます)
a. ワサビなし(ありでも可)で握り、塩と刻んだコノコをふる。
b. ワサビをつけて握り、塩又は煮切り醤油をつけ、ごく少量の、すったユズをふる。(ユズはシャリにつけて握っても可)
c. ワサビをつけて握り、塩とユズの果汁を数滴ふる。
d. ワサビをつけて握り、煮切り醤油を塗る。
e. ワサビをつけて握り、塩又は煮切り醤油と焼いた頭のミソをつける。(ユズを使っても可)
【レシピ - その2】
甘酢に漬ける、伝統的な江戸前の仕事をアレンジしたものです。
甘味の強いクルマエビでなければ、美味しくできません。
供する数時間前に、仕込みを終えてください。(酢を馴染ませるため)
(材料)
・活けのクルマエビ(15cmくらい) 適量
・造りの良い米酢(軽く酸味がマイルドなもの) 適量
・あら塩(精製塩は不可) 適量
・水 (高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・氷 (高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化して凍らせたもの) 適量
①鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を入れます。
②クルマエビを水洗いし、オガクズと汚れを落とします。
③腹側の身とカラの間に、身を傷つけぬよう竹ぐしを打ちます。
④鍋にクルマエビを入れ茹でます。
⑤クルマエビが浮いたら取り出し、氷水で冷ましてからザルに上げます。
身の中心にギリギリ火が通ったくらいです。頭にはまだ完全に火が通っていません。
⑥キッチンペーパー等で水気をとり、竹ぐしを回しながらそっと抜き、頭を外し、カラをむき、別のザルに移します。
ミソは身に残しません。
⑦身に塩を均等にふり、塩がなじむまで置きます。
この後に塩を洗い落とさないので、塩の量に気を付けてください。
ただし、塩が少なすぎると身の甘味が強調されず、また酢の浸透が悪くなります。
⑧身から出てきた水分を、キッチンペーパー等でとります。
⑨ボウルに米酢を入れ、身を漬けます。
米酢の量はヒタヒタになる程度です。
⑩10分程漬けたら、身を別のザルに上げ、しばらく置きます。
⑪酢が切れたら皿に移し、ラップをし、供するまで室温に置きます。
冷蔵庫には入れません。
⑫供し方
・身の水気をキッチンペーパー等で拭い、腹を開いて背ワタをとり、形を整え、
ワサビをつけて背表に握り、煮切り醤油を塗って供します。
・頭は、握りとは別に、塩焼きにして供します。
【参考】
若い頃は、クルマエビではない、頭のついていない安い冷凍のエビを解凍して使いました。
この場合、【レシピ - その2】 と同じように仕込みましたが、米酢に砂糖を加えた甘酢を使いました。
甘酢にごく少量の梅酢を加えてもOKです。