コハダ ・ シンコ (小肌, 小鰭 ・ 新子), レシピ recipe edomae kohada shinko
Dec 21, 2014 1:35:26 GMT 9
Post by 管理人 on Dec 21, 2014 1:35:26 GMT 9
シンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロと呼称 (関東) が変わる出世魚。
マグロ ・ アナゴと並ぶ我が家の大の人気ネタで、1年を通じてほとんど毎回使いました。
江戸前のすしを代表するネタ (タネ) の一つで、東京では人気ですが、全国的にはさほど好まれていないようで残念です。
キチンと仕込めばとても美味しくなり、シャリとの相性は抜群です。
ぜひ、トライしてください。
1.仕入れ (築地場内市場)
有難いことに、築地場内市場には1年中各地からコハダが入荷します。
私が使ったコハダは、原則として1匹で1カンになる大きさで、
そのサイズで気に入ったものが無い時は半身で1カンのサイズを仕入れました。ごく一般的なサイズです。
中には1匹で3カンになる大きさのコハダを使う名店もありますが、それはそれで多くの人達から支持されています。
脂が強めのコハダがお好きな方は、キロあたりの値段も半値以下になりますので、このサイズを選ぶとお得です。
6月下旬あたりから入荷されるシンコは、出始め(上物の仲卸しのみが扱う)のキロあたりの値段は異常な高値ですが、
7月中旬くらいには落ち着き、あちらこちらの仲卸しに並びました。
私も家族もシンコが大好きなので出始めの頃から仕入れました。
私が仕入先として選んだ上物の仲卸しは、時期ごとに最高の産地の上物を扱っていましたが、
晩秋から初冬の東京湾産・三河湾産のコハダが、特に味わい深かったです。
2.仕込み
◆コハダ
☆下処理 (右利きで説明)
・下処理でコハダの形が決まります。左右対称に美しく開いてください。
・室温及び水温が高い時は、氷・冷水・冷蔵庫を使用してください。
①冷水で洗った後、氷入りの冷たい塩水の入ったボウルに入れます。
こうするとウロコをとりやすくなります。
②背ビレを右にしてその根本を包丁で切ります。
③片側のウロコを包丁でとります。
④コハダを裏返して、反対側のウロコを包丁でとります。
⑤頭と尾を切り落とします。
頭の後ろにある黒い点のあたりで、頭をやや斜めに切り落とします。
黒い点は少し身側に残し、好みの角度で切り落としてください。
尾も好みの角度で切り落としてください。
⑥頭側から尻ビレの後ろまで細長く腹を切ります。(コハダは腹を割いて臓物を取ると切り口がまっすぐにならないため)
⑦右の親指で臓物を取ります。
⑧腹を洗ってザルに上げ水切りします。
⑨他のコハダも①~⑧の処理をします。
⑩コハダに残った水を拭き取り、頭側から、中骨に沿ってコハダを開きます。
ぎりぎりまで包丁を入れないと左右対称にならないので気を付けてください。
⑪身側を下、皮側を上にし、開いた状態で頭側から包丁を入れ中骨を外します。
⑫両サイドの腹骨を包丁で薄くすき取ります。
⑬他のコハダも⑩~⑫の処理をします。
⑭塩と酢につける時間別にコハダを分けます。
※同じくらいのサイズのコハダを仕入れても、個体ごとに若干の違いがあります。
大きめのもの ・ 身と皮が厚いもの ・ 脂が多いものは、塩と酢につける時間を若干長くとります。
小さめのもの ・ 身と皮が薄いもの ・ 脂が少ないものは、塩と酢につける時間を若干短くします。
☆締め方
・すし店によってコハダの締め方は様々です。 色々なすし店で食べると、とても良い勉強になります。
・室温及び水温が高い時は、氷・冷水・冷蔵庫を使用してください。
・コハダそのものの質は別として、味に大きく影響する要素は以下の通りです。
・振る塩の量
・塩に漬ける時間
・塩出しの加減
・使う酢と酢の味付け(昆布・砂糖・かんきつ類などで味を加える店もあり。)
・酢洗いの有無(必ず酢洗いしてください)
・酢に漬ける時間
・酢から上げた後の時間
塩が弱すぎたり酢洗いしなかったりすると、コハダ特有の臭みが消えないことがあるので、気を付けてください。
【レシピ】
あくまでも一例です。(この方法ならば失敗しないと思います。)
私自身、様々な締め方で様々な味を楽しみました。
好みに応じて調整してください。
(材料)
・下処理済みのコハダ(1匹で1カンまたは半身で1カンのサイズ)
・あら塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
※私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
①ザルに塩を均等に振ります。かなりの量です。
②コハダの皮を下にしてザルの上に置き、身の上に塩を均等に振ります。かなりの量です。
※塩と酢に漬ける時間別に分けたコハダに、時間差をつけて塩を振ってください。
ザルを上から見て、コハダの身がうっすら見えるくらいの塩加減です。
③そのまま置きます。
塩が馴染んで (コハダから出る水分で塩がだいぶ溶けて) きたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、20分前後が目安です。
※塩は、
・室温が高いほど早く回ります。
・湿度が高いほど早く回ります。
④コハダをボウルに入れ、流水で水洗いして塩出しします。
慣れないうちは、ここでコハダの味をみてください。
塩辛いと感じるようでは明らかに塩出しが足りません。
・酸味が強めの味に仕上げるならば、ほんの少しだけ塩味が強めだなという程度にしてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、少し塩味が弱めだなという程度にしてください。
⑤コハダを別のザルに上げ30分位水切りします。下処理の⑭と同じく酢に漬ける時間別に分けてください。
⑥冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを同量ボウルに入れます。
⑦コハダを酢洗いします。
長く酢に漬けるものから順に5~6枚ずつ、⑥の中でシャブシャブと洗い、
皮目を下に手のひらに重ね、もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げて30分位置きます。
酢洗いによって、コハダの皮目のヌメリがきれいに取れます。
⑧酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてコハダを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はコハダが全て浸かる量にしてください。
※酢の温度が高いと、皮がはがれることがあります。
⑨そのまま置きます。
酢が馴染んで(コハダの身が白くなって)きたら、別のザルに上げて酢を切ります。
酢に漬ける時間は、
・酸味が強めの味に仕上げるならば、20分前後にしてください。
慣れないうちは、ここで味をみてください。
まだ塩味が強いと感じるならば、ほど良い塩分になるまで冷やした新しい酢に漬けてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、10分前後にしてください。
⑩酢が切れたコハダをボウル状のザルの中に立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下、皮側が外側、身側が内側です。
コハダから出た酢が容器の中央にたまりますので、コハダにつかないよう時々取り除いてください。
容器の中央に小さく畳んだティシュなどを置くと良いです。
⑪この締め方だと、24時間くらい経てば美味しく食べられます。
※翌日になってから、味を修正するために酢に漬け直さないでください。
食べた時に、生酢のきつい匂いが鼻を突く低調なすしになってしまいます。
ある名店は、当日になって酢で味を修正したコハダをたびたび使っていました。
味の均一性を保ちたいという気持ちは理解できるのですが、他のすしが良いだけに、もったいないなと思いました。
◆シンコ
シンコは、仕入れたその日に食べられます!
☆下処理
・シンコは傷みやすいので、冷水・氷・冷蔵庫を使って常に低温を保ってください。
・コハダと同じようにして左右対称に美しく開きますが、包丁は小出刃かアジ切り包丁を使ってください。
・コハダよりも身も皮も弱いので注意してください。
☆締め方
・シンコは淡い味を楽しむものです。締めすぎないよう気を付けてください。
・シンコといっても、5~6匹で1カンになるものから1匹で1カンになるものまでサイズは様々です。
塩と酢に漬ける時間ごとにシンコを分けて時間差をつけてください。
・すし店によってシンコの締め方は様々ですが、
大きく分けて塩を直接振る方法と、立塩 (濃い塩水)に漬ける方法の2つがあります。
より多く行われているのは、立塩に漬ける方法だと思います。
塩を直接振る方法は、酢をある程度効かせたい時に向いていると思います。(暑い日は身体が酢を求めます。)
2つの方法を説明します。
【レシピ - 塩を直接振る場合 - 】
あくまでも一例です。(この方法ならば失敗しないと思います。)
好みに応じて調整してください。
(材料)
・下処理済みのシンコ(大小様々なサイズ)
・焼き塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
・氷
・冷水
①長く漬けるものから時間差をつけて
シンコの皮を上にしてザルの上に置いて塩を軽く均等に振り、同様に裏返して塩を振ります。
塩の量は、そのまま食べてちょうど良いか少し薄い程度です。
②冷蔵庫に入れて、そのまま置きます。
塩が馴染んで(シンコから出る水分で塩が溶けて)きたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、10~20分前後が目安です。
③ボウルに氷と冷水を入れ、その中でシンコを軽く洗います。
④シンコを別のザルに上げ、冷蔵庫に入れ20分位水切りします。
酢に漬ける時間別にシンコを分けてください。
⑤冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを1:5の割合でボウルに入れます。
⑥⑤でシンコを酢洗いします。
長く酢に漬けるものから順に5~6枚ずつ、⑥の中でシャブシャブと洗い、皮目を下に手のひらに重ね、
もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げ冷蔵庫に入れ20分位置きます。
酢洗いによって、シンコの皮目のヌメリがきれいに取れます。
⑦酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてシンコを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はシンコが全て浸かる量にしてください。
⑧酢に漬ける時間は、10秒から2分位です。
酢から別のザルに上げて冷蔵庫で酢を切ります。
⑨酢が切れたシンコをボウル状のザルの中に立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下、皮側が外側、身側が内側です。
シンコから出た酢が容器の中央にたまりますので、シンコにつかないよう時々取り除いてください。
容器の中央に小さく畳んだティシュなどを置くと良いです。
⑩6~7時間くらい経てば美味しく食べられます。
【レシピ - 立塩に漬ける場合 - 】
あくまでも一例です。(この方法ならば失敗しないと思います。)
好みに応じて調整してください。
(材料)
・下処理済みのシンコ(大小様々なサイズ)
・冷やした立塩(濃い塩水。精製塩の使用不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
・氷
①立塩に長く漬けるものから時間差をつけて漬けてください。
時間は2~5分くらいです。
②シンコをザルに上げ、冷蔵庫に入れ20分位水切りします。
酢に漬ける時間別にシンコを分けてください。
③冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを1:5の割合でボウルに入れます。
④シンコを酢洗いします。
長く酢に漬けるものから順に5~6枚ずつ、③の中でシャブシャブと洗い、皮目を下に手のひらに重ね、
もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げ冷蔵庫に入れ20分位置きます。
酢洗いによって、シンコの皮目のヌメリがきれいに取れます。
⑤酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてシンコを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はシンコが全て浸かる量にしてください。
⑥酢に漬ける時間は、1~5分位です。
酢から別のザルに上げて冷蔵庫で酢を切ります。
⑦酢が切れたシンコをボウル状のザルの中に立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下、皮側が外側、身側が内側です。
シンコから出た酢が容器の中央にたまりますので、シンコにつかないよう時々取り除いてください。
容器の中央に小さく畳んだティシュなどを置くと良いです。
⑧6~7時間くらい経てば美味しく食べられます。
3.供し方
コハダは仕込んだ翌日、シンコは当日、シンプルにワサビを挟んで握り、煮切り醤油を塗って供しました。
強めに締めた時はやや軽めのシャリが、軽めに締めた時はやや強めのシャリが合うと思います。
シンコの時期は暑く、身体が塩と酢を求めますので、いずれの場合も強めのシャリで良いと思います。
シャリにもコハダ・シンコにも、造りの良い好みの酢を使うことで一段と美味しさが引き立ちます。
◆コハダ
・皮が硬い場合は、柳刃包丁で美しく切れ目を入れてください。
・1カンづけのサイズは、コハダをシャリに対して少し斜めにして握り、尾の方は少しひねるようにすると美しいです。
・半身づけのサイズは中央の部分が少し硬いので、皮を下に置きその両サイドを柳刃包丁で切ってから握ってください。
◆シンコ
・1カンづけのサイズは、コハダと同じくシャリに対して少し斜めにして握り、尾の方は少しひねるようにすると美しいです。
・1カンに何枚かのシンコを使う場合は、少し重ねながら美しく並べて握ってください。
マグロ ・ アナゴと並ぶ我が家の大の人気ネタで、1年を通じてほとんど毎回使いました。
江戸前のすしを代表するネタ (タネ) の一つで、東京では人気ですが、全国的にはさほど好まれていないようで残念です。
キチンと仕込めばとても美味しくなり、シャリとの相性は抜群です。
ぜひ、トライしてください。
1.仕入れ (築地場内市場)
有難いことに、築地場内市場には1年中各地からコハダが入荷します。
私が使ったコハダは、原則として1匹で1カンになる大きさで、
そのサイズで気に入ったものが無い時は半身で1カンのサイズを仕入れました。ごく一般的なサイズです。
中には1匹で3カンになる大きさのコハダを使う名店もありますが、それはそれで多くの人達から支持されています。
脂が強めのコハダがお好きな方は、キロあたりの値段も半値以下になりますので、このサイズを選ぶとお得です。
6月下旬あたりから入荷されるシンコは、出始め(上物の仲卸しのみが扱う)のキロあたりの値段は異常な高値ですが、
7月中旬くらいには落ち着き、あちらこちらの仲卸しに並びました。
私も家族もシンコが大好きなので出始めの頃から仕入れました。
私が仕入先として選んだ上物の仲卸しは、時期ごとに最高の産地の上物を扱っていましたが、
晩秋から初冬の東京湾産・三河湾産のコハダが、特に味わい深かったです。
2.仕込み
◆コハダ
☆下処理 (右利きで説明)
・下処理でコハダの形が決まります。左右対称に美しく開いてください。
・室温及び水温が高い時は、氷・冷水・冷蔵庫を使用してください。
①冷水で洗った後、氷入りの冷たい塩水の入ったボウルに入れます。
こうするとウロコをとりやすくなります。
②背ビレを右にしてその根本を包丁で切ります。
③片側のウロコを包丁でとります。
④コハダを裏返して、反対側のウロコを包丁でとります。
⑤頭と尾を切り落とします。
頭の後ろにある黒い点のあたりで、頭をやや斜めに切り落とします。
黒い点は少し身側に残し、好みの角度で切り落としてください。
尾も好みの角度で切り落としてください。
⑥頭側から尻ビレの後ろまで細長く腹を切ります。(コハダは腹を割いて臓物を取ると切り口がまっすぐにならないため)
⑦右の親指で臓物を取ります。
⑧腹を洗ってザルに上げ水切りします。
⑨他のコハダも①~⑧の処理をします。
⑩コハダに残った水を拭き取り、頭側から、中骨に沿ってコハダを開きます。
ぎりぎりまで包丁を入れないと左右対称にならないので気を付けてください。
⑪身側を下、皮側を上にし、開いた状態で頭側から包丁を入れ中骨を外します。
⑫両サイドの腹骨を包丁で薄くすき取ります。
⑬他のコハダも⑩~⑫の処理をします。
⑭塩と酢につける時間別にコハダを分けます。
※同じくらいのサイズのコハダを仕入れても、個体ごとに若干の違いがあります。
大きめのもの ・ 身と皮が厚いもの ・ 脂が多いものは、塩と酢につける時間を若干長くとります。
小さめのもの ・ 身と皮が薄いもの ・ 脂が少ないものは、塩と酢につける時間を若干短くします。
☆締め方
・すし店によってコハダの締め方は様々です。 色々なすし店で食べると、とても良い勉強になります。
・室温及び水温が高い時は、氷・冷水・冷蔵庫を使用してください。
・コハダそのものの質は別として、味に大きく影響する要素は以下の通りです。
・振る塩の量
・塩に漬ける時間
・塩出しの加減
・使う酢と酢の味付け(昆布・砂糖・かんきつ類などで味を加える店もあり。)
・酢洗いの有無(必ず酢洗いしてください)
・酢に漬ける時間
・酢から上げた後の時間
塩が弱すぎたり酢洗いしなかったりすると、コハダ特有の臭みが消えないことがあるので、気を付けてください。
【レシピ】
あくまでも一例です。(この方法ならば失敗しないと思います。)
私自身、様々な締め方で様々な味を楽しみました。
好みに応じて調整してください。
(材料)
・下処理済みのコハダ(1匹で1カンまたは半身で1カンのサイズ)
・あら塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
※私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
①ザルに塩を均等に振ります。かなりの量です。
②コハダの皮を下にしてザルの上に置き、身の上に塩を均等に振ります。かなりの量です。
※塩と酢に漬ける時間別に分けたコハダに、時間差をつけて塩を振ってください。
ザルを上から見て、コハダの身がうっすら見えるくらいの塩加減です。
③そのまま置きます。
塩が馴染んで (コハダから出る水分で塩がだいぶ溶けて) きたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、20分前後が目安です。
※塩は、
・室温が高いほど早く回ります。
・湿度が高いほど早く回ります。
④コハダをボウルに入れ、流水で水洗いして塩出しします。
慣れないうちは、ここでコハダの味をみてください。
塩辛いと感じるようでは明らかに塩出しが足りません。
・酸味が強めの味に仕上げるならば、ほんの少しだけ塩味が強めだなという程度にしてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、少し塩味が弱めだなという程度にしてください。
⑤コハダを別のザルに上げ30分位水切りします。下処理の⑭と同じく酢に漬ける時間別に分けてください。
⑥冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを同量ボウルに入れます。
⑦コハダを酢洗いします。
長く酢に漬けるものから順に5~6枚ずつ、⑥の中でシャブシャブと洗い、
皮目を下に手のひらに重ね、もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げて30分位置きます。
酢洗いによって、コハダの皮目のヌメリがきれいに取れます。
⑧酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてコハダを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はコハダが全て浸かる量にしてください。
※酢の温度が高いと、皮がはがれることがあります。
⑨そのまま置きます。
酢が馴染んで(コハダの身が白くなって)きたら、別のザルに上げて酢を切ります。
酢に漬ける時間は、
・酸味が強めの味に仕上げるならば、20分前後にしてください。
慣れないうちは、ここで味をみてください。
まだ塩味が強いと感じるならば、ほど良い塩分になるまで冷やした新しい酢に漬けてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、10分前後にしてください。
⑩酢が切れたコハダをボウル状のザルの中に立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下、皮側が外側、身側が内側です。
コハダから出た酢が容器の中央にたまりますので、コハダにつかないよう時々取り除いてください。
容器の中央に小さく畳んだティシュなどを置くと良いです。
⑪この締め方だと、24時間くらい経てば美味しく食べられます。
※翌日になってから、味を修正するために酢に漬け直さないでください。
食べた時に、生酢のきつい匂いが鼻を突く低調なすしになってしまいます。
ある名店は、当日になって酢で味を修正したコハダをたびたび使っていました。
味の均一性を保ちたいという気持ちは理解できるのですが、他のすしが良いだけに、もったいないなと思いました。
◆シンコ
シンコは、仕入れたその日に食べられます!
☆下処理
・シンコは傷みやすいので、冷水・氷・冷蔵庫を使って常に低温を保ってください。
・コハダと同じようにして左右対称に美しく開きますが、包丁は小出刃かアジ切り包丁を使ってください。
・コハダよりも身も皮も弱いので注意してください。
☆締め方
・シンコは淡い味を楽しむものです。締めすぎないよう気を付けてください。
・シンコといっても、5~6匹で1カンになるものから1匹で1カンになるものまでサイズは様々です。
塩と酢に漬ける時間ごとにシンコを分けて時間差をつけてください。
・すし店によってシンコの締め方は様々ですが、
大きく分けて塩を直接振る方法と、立塩 (濃い塩水)に漬ける方法の2つがあります。
より多く行われているのは、立塩に漬ける方法だと思います。
塩を直接振る方法は、酢をある程度効かせたい時に向いていると思います。(暑い日は身体が酢を求めます。)
2つの方法を説明します。
【レシピ - 塩を直接振る場合 - 】
あくまでも一例です。(この方法ならば失敗しないと思います。)
好みに応じて調整してください。
(材料)
・下処理済みのシンコ(大小様々なサイズ)
・焼き塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
・氷
・冷水
①長く漬けるものから時間差をつけて
シンコの皮を上にしてザルの上に置いて塩を軽く均等に振り、同様に裏返して塩を振ります。
塩の量は、そのまま食べてちょうど良いか少し薄い程度です。
②冷蔵庫に入れて、そのまま置きます。
塩が馴染んで(シンコから出る水分で塩が溶けて)きたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、10~20分前後が目安です。
③ボウルに氷と冷水を入れ、その中でシンコを軽く洗います。
④シンコを別のザルに上げ、冷蔵庫に入れ20分位水切りします。
酢に漬ける時間別にシンコを分けてください。
⑤冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを1:5の割合でボウルに入れます。
⑥⑤でシンコを酢洗いします。
長く酢に漬けるものから順に5~6枚ずつ、⑥の中でシャブシャブと洗い、皮目を下に手のひらに重ね、
もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げ冷蔵庫に入れ20分位置きます。
酢洗いによって、シンコの皮目のヌメリがきれいに取れます。
⑦酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてシンコを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はシンコが全て浸かる量にしてください。
⑧酢に漬ける時間は、10秒から2分位です。
酢から別のザルに上げて冷蔵庫で酢を切ります。
⑨酢が切れたシンコをボウル状のザルの中に立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下、皮側が外側、身側が内側です。
シンコから出た酢が容器の中央にたまりますので、シンコにつかないよう時々取り除いてください。
容器の中央に小さく畳んだティシュなどを置くと良いです。
⑩6~7時間くらい経てば美味しく食べられます。
【レシピ - 立塩に漬ける場合 - 】
あくまでも一例です。(この方法ならば失敗しないと思います。)
好みに応じて調整してください。
(材料)
・下処理済みのシンコ(大小様々なサイズ)
・冷やした立塩(濃い塩水。精製塩の使用不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
・氷
①立塩に長く漬けるものから時間差をつけて漬けてください。
時間は2~5分くらいです。
②シンコをザルに上げ、冷蔵庫に入れ20分位水切りします。
酢に漬ける時間別にシンコを分けてください。
③冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを1:5の割合でボウルに入れます。
④シンコを酢洗いします。
長く酢に漬けるものから順に5~6枚ずつ、③の中でシャブシャブと洗い、皮目を下に手のひらに重ね、
もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げ冷蔵庫に入れ20分位置きます。
酢洗いによって、シンコの皮目のヌメリがきれいに取れます。
⑤酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてシンコを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はシンコが全て浸かる量にしてください。
⑥酢に漬ける時間は、1~5分位です。
酢から別のザルに上げて冷蔵庫で酢を切ります。
⑦酢が切れたシンコをボウル状のザルの中に立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下、皮側が外側、身側が内側です。
シンコから出た酢が容器の中央にたまりますので、シンコにつかないよう時々取り除いてください。
容器の中央に小さく畳んだティシュなどを置くと良いです。
⑧6~7時間くらい経てば美味しく食べられます。
3.供し方
コハダは仕込んだ翌日、シンコは当日、シンプルにワサビを挟んで握り、煮切り醤油を塗って供しました。
強めに締めた時はやや軽めのシャリが、軽めに締めた時はやや強めのシャリが合うと思います。
シンコの時期は暑く、身体が塩と酢を求めますので、いずれの場合も強めのシャリで良いと思います。
シャリにもコハダ・シンコにも、造りの良い好みの酢を使うことで一段と美味しさが引き立ちます。
◆コハダ
・皮が硬い場合は、柳刃包丁で美しく切れ目を入れてください。
・1カンづけのサイズは、コハダをシャリに対して少し斜めにして握り、尾の方は少しひねるようにすると美しいです。
・半身づけのサイズは中央の部分が少し硬いので、皮を下に置きその両サイドを柳刃包丁で切ってから握ってください。
◆シンコ
・1カンづけのサイズは、コハダと同じくシャリに対して少し斜めにして握り、尾の方は少しひねるようにすると美しいです。
・1カンに何枚かのシンコを使う場合は、少し重ねながら美しく並べて握ってください。