アジ (マアジ, 真鯵), レシピ ajimaajirecipeedomae
May 4, 2015 19:09:37 GMT 9
Post by 管理人 on May 4, 2015 19:09:37 GMT 9
マアジ (以下「アジ」) は、生でも塩と酢で締めても、シャリと相性の良い人気ネタ(タネ)です。
一般的には夏が旬ですが、産卵期にバラツキがあるので、ほぼ1年中使うすし店も多くあります。
東京のすしの名店では、片身づけ(片身で1カン)サイズか、片身から2~3カンとれるくらいのサイズが好まれます。
1.仕入れ(築地場内)
同じアジでも、俗に黄アジと呼ばれる内海に根付くものと、
俗に黒アジと呼ばれる回遊型のものと、更にその中間種とがいます。
黄アジは、背が黒っぽくなく、ヒレと体表面が黄色がかっています。
黒アジは、背が黒っぽく、とても大きく育ちます。
サバと共にブランド化され有名になった関アジは、黒アジです。
中間種は、外見は両者の中間ですが、黄アジに近いものと、黒アジに近いものとがあります。
内海の浅場に根付いた中間種は、外見が黄アジに近いようです。
昔から、東京のすし店が好んで使ったのが黄アジです。
脂の質がくどくなく、香りが上品で、豊かな甘味があるのが味覚上の特徴です。
かつては、東京湾奥で獲れた黄アジが最高の評価を得ていたそうですが、
私が子供の頃には、既に市場では幻となっていたようです。
でも、子供の頃に東京湾奥でアジを釣っていると、中間種がほとんどでしたが、黄アジも釣れました。
子供ながらに、黄アジの方がより美味しいと感じていました。
以後、あんなに美味しいアジを食べたことがありません。
東京湾の黄アジが幻となってから、東京のすしの名店が必死になって追いかけたのが、
相模湾(産地は小田原等)の黄アジです。
私が若い頃は、東京のすしの名店でアジといえば、相模湾の黄アジでしたし、
私も使ったことがありますが、とても素晴らしいものでした。
でも、まもなくして相模湾の黄アジも幻となってしまいました。
相模湾の黄アジが幻となる以前から、築地には淡路島から黄アジの入荷があり、
私が築地通いをしていた頃も大量に入荷がありました。
当時、築地に入荷される唯一の黄アジでもありました。
※最近は、スミイカ (コウイカ) の子供の新イカの産地として有名な、鹿児島の出水からも、
黄アジ系のアジが、築地に入荷するようですが、実際に見ていないので、黄アジか中間種かは分かりません。
でも、東京中のすしの名店が、淡路産の黄アジを必死に追いかけたかというと、必ずしもそうとは言えません。
淡路産の黄アジを使うすし店は多かったですが、あえて使わない名店もけっこうありましたし、
築地場内でもトップクラスの上物の仲卸しのいくつかは、扱っていませんでした。
使っていないすしの名店のご主人達に聞いたところ、
「片身づけのサイズに納得のいくものが少ない」(片身づけのサイズのアジを使う店)とか、
「質が安定しない」とかおっしゃっていました。
私は、築地通いをする以前から、上物を扱う地元の鮮魚店で、淡路産の黄アジを時々仕入れていました。
かつての東京湾や相模湾の黄アジのような、ずば抜けたものとは思いませんでしたが、
それなりに満足のいくものでした。
でも、築地場内では思い切り外しました。
淡路産の黄アジがそこら中の仲卸しに並び、黄アジで名をはせた荷受け会社が出荷した、
完璧と思える釣りの黄アジをじっと見ていたら、その仲卸しの方も「最高ですよ!」とのお墨付き。
行きつけの仲卸しは、淡路産の黄アジを扱っていなかったので、そこで仕入れたのですが、
寝かせても味がせず、使い物になりませんでした。(T_________T)
「長年料理人やってたくせに何やってんだよ!アジで外すかよ!」
と、自分を責めました。
アジは、お客さんに出す魚ではありませんでしたが、マカナイではよく使っていましたし、
子供の頃から慣れ親しんできた魚でしたから、他の魚で外した時以上に、自分自身に腹が立ったのです。
あれも出荷調整だったのでしょう。
すしの名店のご主人がおっしゃっていた、「質が安定しない」というのは、こういうことだったのかなぁ、とも思いました。
ただ、淡路産の黄アジの名誉のために言っておくと、良いものには、黄アジらしさがありました。
それにしても、いつも絶対に外さない、上物を扱う地元の鮮魚店のご主人の目利きはすごかったなぁと思います。
昔の築地場内には、すごい目利きがたくさんいたと聞きますが、そのご主人も築地場内で働いていた時は、
その一人だったのかもしれません。
私が築地場内で外したのは、大抵行きつけの仲卸し以外の仲卸し(=仕入先として吟味していない)で仕入れた時でした。
外す確率を低くするためには、きちんと選定した仕入先からのみ、仕入れた方が良いと思います。
参考: 仕入れの極意 (仕入れの姿勢 ・ 仕入先の選定)
それに加えて、ブランド化された魚介類も外しやすいです。
魚介類の処理が良い反面、何かしらの作為(出荷調整等)がありがちです。
淡路産の黄アジの場合は、築地に出荷してくる荷受け会社の名が、一種のブランドでした。
築地場内には、様々な産地からアジの入荷がありましたが、
当時すしの名店の多くが本命としていたアジは、
東京湾の浅場に根付き、釣りで漁獲される黄アジに近い中間種のアジだったと思います。
漁獲量が極端に少ないため入荷は極わずかで、行き先は予め決まっていたようで、
仲卸しの店頭には並びませんでした。
私は幸いにも、その東京湾産を使うことができました。
さすがに、かつての東京湾や相模湾の黄アジには及びませんでしたが、
当時築地で手に入るアジの中では、最高の質だったのではないかと思います。
淡路産の黄アジは、築地場内ならば誰でも仕入れられる量の入荷がありましたが、
その東京湾のアジは、すしの名店がのどから手が出るほど欲しがるものでした。
私が、その東京湾産を仕入れることが出来たのは、ひとえに行きつけの仲卸しのご主人のおかげでした。
2.仕込みと供し方
生も、塩と酢で締めたものも、それぞれに美味しさがあるので、両方とも握りました。
両方とも紹介させていただきます。
調理の際は、特に好塩菌の腸炎ビブリオに気をつけてください。
腸炎ビブリオは、アジに限らず注意しなければならない菌ですが、
夏場に生食することの多いアジで、腸炎ビブリオによる食中毒を起こすことがよくあるようです。
調理前と内臓を取り除いた後に真水でよく洗うこと、手指と包丁・まな板を常に清潔に保つこと、
低温を保つことが重要な予防策になります。
ヒカリを飛ばさないようにするためには、塩水で洗うと良いのですが、酢で締めない場合はリスクが高まります。
☆下処理 (右利きで説明)
江戸前のすしでは、アジフライのような形に開きます。
酢で締める場合は、真水ではなく塩水で洗ってください。(酢で殺菌できるため)
ヒカリが飛ぶのを予防できます。
①真水で表面をよく洗い、ザルに上げて水切り後、キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
②両側にあるゼイゴ(ギザギザした部分)だけを、尾の方から包丁を前後に動かしながら切り取ります。
よく切れる包丁と、それなりの技術が必要です。
包丁が深く入ると身が出てしまい(特に尾の近く)、見た目も悪く、酸化しやすく、尚且つ衛生上よくありません。
生で握るならば、この処理は飛ばしてもかまいませんが、
上手に出来るなら、やった方が薄皮をきれいに引くことが出来ます。(東京のすし店では、やります。)
③やさしく丁寧にウロコを取ります。
④胸ビレ・腹ビレと頭を一緒に落とし、腹ワタを出し、腹の内側を真水で洗って、
汚れ・血合いを除き、キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
魚体に残っているウロコも、きれいに洗い落としてください。
他の魚の場合もそうですが、腹の中の血の集中した部分に包丁を入れ、ササラ又は歯ブラシを使うと、
きれいに且つ手早く洗えます。
⑤真水でヒカリが飛んでしまっても、ここで海水程度の塩水(安全上、氷を入れて冷す)につければ、ヒカリは戻ります。
ただし、酢を使わない仕込みでは、腸炎ビブリオのリスクは高まります。
塩水につけた場合は、キッチンペーパーでやさしく水気をとってください。
⑥尾を手前に、背を右に置き、頭側から尾側に向けて背に切れ目を入れ、
頭側から中骨に沿って包丁を入れて開き、更に腹の皮ギリギリまで開きます。
⑦今度は開いた状態で、皮目を上、尾を向こう、中骨のついた側を右にして、
尾側から頭側に向けて背に切れ目を入れ、中骨まで包丁を入れ、
更に、頭側の切れ目から尾側に向かって包丁を進めて身を外し、尾が身に付くよう中骨を尾の根本で切ります。
⑧開いた状態で、尾を手前、身を上にして、包丁で皮側にある尻ビレを押さえ、
身を持ち上げるようにして尻ビレを外します。
⑨開いた状態で、皮目を下、尾を向こうにして、
頭側の身の中央についている左右の腹骨をそれぞれ包丁で薄くすきとります。
⑩尾を切り落とします。
⑪骨抜きで骨を抜きます。
※塩又は塩と酢で締める場合は、締めた後に抜くのが普通です。(その方が身が崩れにくいため)
⑫開いた2枚のアジの皮同士を合わせて(又は1枚のアジを皮が内側になるように折る)
ザルに入れ、下に皿を敷いてラップし、冷蔵庫で保管します。
◆仕込みと供し方 -1 (生で握る場合)
片身づけサイズか、片身で2~3カンとれる中型サイズを使いました。
☆塩で締めない場合
①肉の薄い腹の部分は切り落とし、片身ずつに切り分け、形と大きさを整えます。
②薄皮を引きます。(右利きで説明)
以下のやり方だと、包丁技が未熟な方でも、銀皮をきれいに身につけたまま、薄皮を引くことができます。
・頭側の背側の薄皮の端を左手でつまむ。
・身を包丁で少し小突くようにして薄皮を少しはがしてとっかかりを作る。
・頭側を左にして薄皮を下に置き、とっかかりの部分の薄皮を左手の指で押さえる。
・包丁のみね(背)を薄皮に押しあてる。
・左手の指で薄皮を少し左に引っ張り気味にしつつ、包丁をそのまま右にスライドさせる。
③片身づけサイズは、皮目に少し包丁を入れ、中型サイズはそぎ切りにしました。
共に味・食感・美しさを考慮してください。
片身づけサイズで包丁目を入れる場合、斜めに短く数本入れる程度が好みです。
鹿の子包丁を入れる店もよくあります。
薬味を載せる場合は、中央に縦1本というのが一般的です。
④卸したショウガを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
ショウガと、細かく刻んだアサツキ又は大葉を載せて握られることが多いですが、
そうすると、我が家の夕飯の定番 「アジのタタキ(たたかないで切るだけですが)」を連想してしまい、
また、握りの場合はショウガのみの方が好みに合うので、アサツキや大葉は使いませんでした。
近年は、ショウガとアサツキを一緒に包丁でたたき、緑色のペースト状にしてネタの上に載せる店が増えました。
☆塩で締める場合
良いアジを仕入れることが出来なかった頃は、塩で締めてから使いました。
塩で締めると、臭みを減らし、身を引き締め、甘味を引き立たせることができます。(失うものもあります。)
ただし、塩により腸炎ビブリオのリスクが高まるので、注意が必要です。
身と皮に軽く塩をして数分~10分程度冷蔵庫に置き、氷水で水洗いし、水気をとってから骨を抜きます。
氷水に酢を加えると安全性が高まりますが、味が変わるので加えませんでした。
私は、供する直前に塩締めの処理をし、
安全のため、握る際には皮を引いてから酢を通し、酢を拭いてから包丁目を入れて握りました。
◆仕込みと供し方 - 2 (塩と酢で締めて握る場合)
昔は、塩と酢で強く締め、薄皮はつけたまま、おぼろを挟んで握ることが多かったようです。
今は、ごく一部のすし店以外では、そういうすしは出しません。
今も、塩と酢で締めたアジの握りは珍しくありませんが、ほとんどの場合生に近いもので、
締め方は非常に弱く、仕込んだ当日に薄皮を引き、包丁目を入れて、おぼろを挟まずに握ります。
薄皮の下の銀皮がきれいに残り、包丁目を入れても色がきれいです。
私が好んだのは、両者の中間的な仕込みで、コハダの仕込みに近いものです。
塩と酢で締め、翌日までじっくりと酢を回し、薄皮は引かず、おぼろは挟まない握りです。
昔の仕込みのように、酢の時間が長ければ、薄皮は問題なく柔らかくなりますが、私の望む味にはなりません。
この仕込みには、脂のノリが軽く、薄皮の柔らかい小アジが向いています。
丸づけ(1匹で1カン)や片身づけ(片身で1カン)のコハダのように、小ざっぱりとした仕上がりになります。
小アジは漁獲時から雑に扱われることが多く、良いものを見つけるのはたいへんです。
丸づけサイズは、使いたいと思うレベルのものが見つかりませんでした。
私が使ったのは、片身でぎりぎり1カンになるくらいの小アジで、内海で育った薄皮の柔らかいものです。
私がこの仕込みにこだわったのは、
江戸前の締めもので、唯一コハダ(幼魚のシンコを含む)に対抗しうる素晴らしい味わいがあるからです。
コハダと共通するのは、小ざっぱりしているけれど味が濃く、シャリとの相性がとても良いことです。
コハダとアジ以外で、塩と酢で締められることのある光り物のネタ(タネ)には、
サバ ・ イワシ(マイワシ) ・ サンマ ・ カスゴ ・ キス(シロギス) ・ サヨリ ・ イボダイ(エボダイ)などがあります。
それぞれに美味しさはありますが、サバは味が濃くても脂が強く、
イワシとサンマは味が濃くても脂が強い上に酢との相性が今ひとつで、
カスゴ ・ キス ・ サヨリ ・ イボダイは、もともと味わい的には白身のようなもので、
コハダに対抗できるような味の濃さがありません。
私は、マナガツオとサワラも塩と酢で締めましたが、
サバと同じく味は濃くても脂が強く、小ざっぱりしたものではありません。
コハダに外見の似ているサッパ(ママカリ)は、東京湾でよく釣れましたし、
コハダに混じって流通することもよくあるので試したことがありますが、望むような味にはなりません。
私と家族は、この仕込みのアジが大好きで、ちょうど良い小アジが出回る初夏によく握りました。
【レシピ】
下処理の際、ヒカリが飛ばないよう、真水ではなく海水程度の塩水で洗います。
同じくらいのサイズのアジを仕入れても、個体ごとに若干の違いがあります。
・大きめのもの ・ 身が厚いもの ・ 脂が多めのものは、塩と酢につける時間を若干長くとります。
・小さめのもの ・ 身が薄いもの ・ 脂が少ないものは、塩と酢につける時間を若干短くします。
したがって、塩と酢に漬ける時間別にアジを分けて調理します。
(材料)
・下処理済みのアジ(片身でぎりぎり1カンになるくらいの小アジ。内海育ちで薄皮の柔らかいものが最適。)
・あら塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
※私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
①ザルに塩を均等に振ります。
②アジの皮を下にしてザルの上に置き、身の上に塩を均等に振ります。
塩の量は、そのまま食べてちょうどいい位の塩加減を1とすると、3~4くらいです。
塩と酢に漬ける時間別に分けたアジに、時間差をつけて塩を振ってください。
③そのまま置き、 塩が馴染んで (アジから出る水分で塩がだいぶ溶けて) きたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、20分前後が目安です。
※塩は、
・室温が高いほど早く回ります。
・湿度が高いほど早く回ります。
④アジをボウルに入れ、流水で水洗いして塩を出します。
慣れないうちは、ここで味をみてください。
塩辛いと感じるようでは明らかに塩出しが足りません。
・酸味が強めの味に仕上げるならば、ほんの少しだけ塩味が強めだなという程度にしてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、少し塩味が弱めだなという程度にしてください。
⑤アジを別のザルに上げ、水切りします。ここでも、酢に漬ける時間別にアジを分けてください。
⑥冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを同量、別のボウルに入れます。
⑦アジを酢洗いします。(必ず酢洗いしてください。酢洗いしないと臭みが取れません。)
ヒカリが飛ばないよう、大きさが同じくらいの2枚のアジの皮目同士をピタリと合わせ、1組とし処理します。
長く酢に漬けるものから順に、⑥の中でシャブシャブと洗い、
1組ずつ手のひらに載せ、もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げて30分位置きます。
⑧酢に漬けます。
冷やした好みの酢を別のボウルに入れ、皮目同士を合わせたアジを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はアジが全て浸かる量にしてください。
※酢の温度が高いと、ヒカリが飛びやすくなります。
⑨そのまま置きます。
酢が馴染んで(アジの身が白くなって)きたら、
1組ずつ手のひらに載せ、もう一方の手のひらを乗せて、1組ずつ酢を軽く絞り、
別のザルに上げて酢を切り、骨抜きで骨を抜きます。
酢に漬ける時間は、
・酸味が強めの味に仕上げるならば、20分前後にしてください。
慣れないうちは、ここで味をみてください。
まだ塩味が強いと感じるならば、ほど良い塩分になるまで冷やした新しい酢に漬けてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、10分前後にしてください。
私は、10分前後が好みです。
⑩酢が切れたアジをボウル状のザルの中に、
皮目をピタリと合わせた状態で立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下です。
アジから出た酢が容器の中にたまってきたら、アジにつかないよう時々取り除いてください。
⑪この締め方だと、24時間くらい経てば美味しく食べられます。
※翌日になってから、味を修正するために酢に漬け直さないでください。
食べた時に、生酢のきつい匂いが鼻を突く低調なすしになってしまいます。
☆供し方 (塩と酢で締めて握る場合)
片身ずつに切り分け(大きい場合は腹側を切り落とす)、形を整えます。
薄皮はつけたまま、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
薄皮が硬い場合は、包丁目を入れて調整してください。
それでも硬い場合は、薄皮をはがして握ってください。
ただし、この仕込みで薄皮をはがすと、その下の銀皮の多くも一緒にはがれてしまい、
血合いの色も茶色っぽいため、包丁目を入れても、見た目が美しくありません。
一般的には夏が旬ですが、産卵期にバラツキがあるので、ほぼ1年中使うすし店も多くあります。
東京のすしの名店では、片身づけ(片身で1カン)サイズか、片身から2~3カンとれるくらいのサイズが好まれます。
1.仕入れ(築地場内)
同じアジでも、俗に黄アジと呼ばれる内海に根付くものと、
俗に黒アジと呼ばれる回遊型のものと、更にその中間種とがいます。
黄アジは、背が黒っぽくなく、ヒレと体表面が黄色がかっています。
黒アジは、背が黒っぽく、とても大きく育ちます。
サバと共にブランド化され有名になった関アジは、黒アジです。
中間種は、外見は両者の中間ですが、黄アジに近いものと、黒アジに近いものとがあります。
内海の浅場に根付いた中間種は、外見が黄アジに近いようです。
昔から、東京のすし店が好んで使ったのが黄アジです。
脂の質がくどくなく、香りが上品で、豊かな甘味があるのが味覚上の特徴です。
かつては、東京湾奥で獲れた黄アジが最高の評価を得ていたそうですが、
私が子供の頃には、既に市場では幻となっていたようです。
でも、子供の頃に東京湾奥でアジを釣っていると、中間種がほとんどでしたが、黄アジも釣れました。
子供ながらに、黄アジの方がより美味しいと感じていました。
以後、あんなに美味しいアジを食べたことがありません。
東京湾の黄アジが幻となってから、東京のすしの名店が必死になって追いかけたのが、
相模湾(産地は小田原等)の黄アジです。
私が若い頃は、東京のすしの名店でアジといえば、相模湾の黄アジでしたし、
私も使ったことがありますが、とても素晴らしいものでした。
でも、まもなくして相模湾の黄アジも幻となってしまいました。
相模湾の黄アジが幻となる以前から、築地には淡路島から黄アジの入荷があり、
私が築地通いをしていた頃も大量に入荷がありました。
当時、築地に入荷される唯一の黄アジでもありました。
※最近は、スミイカ (コウイカ) の子供の新イカの産地として有名な、鹿児島の出水からも、
黄アジ系のアジが、築地に入荷するようですが、実際に見ていないので、黄アジか中間種かは分かりません。
でも、東京中のすしの名店が、淡路産の黄アジを必死に追いかけたかというと、必ずしもそうとは言えません。
淡路産の黄アジを使うすし店は多かったですが、あえて使わない名店もけっこうありましたし、
築地場内でもトップクラスの上物の仲卸しのいくつかは、扱っていませんでした。
使っていないすしの名店のご主人達に聞いたところ、
「片身づけのサイズに納得のいくものが少ない」(片身づけのサイズのアジを使う店)とか、
「質が安定しない」とかおっしゃっていました。
私は、築地通いをする以前から、上物を扱う地元の鮮魚店で、淡路産の黄アジを時々仕入れていました。
かつての東京湾や相模湾の黄アジのような、ずば抜けたものとは思いませんでしたが、
それなりに満足のいくものでした。
でも、築地場内では思い切り外しました。
淡路産の黄アジがそこら中の仲卸しに並び、黄アジで名をはせた荷受け会社が出荷した、
完璧と思える釣りの黄アジをじっと見ていたら、その仲卸しの方も「最高ですよ!」とのお墨付き。
行きつけの仲卸しは、淡路産の黄アジを扱っていなかったので、そこで仕入れたのですが、
寝かせても味がせず、使い物になりませんでした。(T_________T)
「長年料理人やってたくせに何やってんだよ!アジで外すかよ!」
と、自分を責めました。
アジは、お客さんに出す魚ではありませんでしたが、マカナイではよく使っていましたし、
子供の頃から慣れ親しんできた魚でしたから、他の魚で外した時以上に、自分自身に腹が立ったのです。
あれも出荷調整だったのでしょう。
すしの名店のご主人がおっしゃっていた、「質が安定しない」というのは、こういうことだったのかなぁ、とも思いました。
ただ、淡路産の黄アジの名誉のために言っておくと、良いものには、黄アジらしさがありました。
それにしても、いつも絶対に外さない、上物を扱う地元の鮮魚店のご主人の目利きはすごかったなぁと思います。
昔の築地場内には、すごい目利きがたくさんいたと聞きますが、そのご主人も築地場内で働いていた時は、
その一人だったのかもしれません。
私が築地場内で外したのは、大抵行きつけの仲卸し以外の仲卸し(=仕入先として吟味していない)で仕入れた時でした。
外す確率を低くするためには、きちんと選定した仕入先からのみ、仕入れた方が良いと思います。
参考: 仕入れの極意 (仕入れの姿勢 ・ 仕入先の選定)
それに加えて、ブランド化された魚介類も外しやすいです。
魚介類の処理が良い反面、何かしらの作為(出荷調整等)がありがちです。
淡路産の黄アジの場合は、築地に出荷してくる荷受け会社の名が、一種のブランドでした。
築地場内には、様々な産地からアジの入荷がありましたが、
当時すしの名店の多くが本命としていたアジは、
東京湾の浅場に根付き、釣りで漁獲される黄アジに近い中間種のアジだったと思います。
漁獲量が極端に少ないため入荷は極わずかで、行き先は予め決まっていたようで、
仲卸しの店頭には並びませんでした。
私は幸いにも、その東京湾産を使うことができました。
さすがに、かつての東京湾や相模湾の黄アジには及びませんでしたが、
当時築地で手に入るアジの中では、最高の質だったのではないかと思います。
淡路産の黄アジは、築地場内ならば誰でも仕入れられる量の入荷がありましたが、
その東京湾のアジは、すしの名店がのどから手が出るほど欲しがるものでした。
私が、その東京湾産を仕入れることが出来たのは、ひとえに行きつけの仲卸しのご主人のおかげでした。
2.仕込みと供し方
生も、塩と酢で締めたものも、それぞれに美味しさがあるので、両方とも握りました。
両方とも紹介させていただきます。
調理の際は、特に好塩菌の腸炎ビブリオに気をつけてください。
腸炎ビブリオは、アジに限らず注意しなければならない菌ですが、
夏場に生食することの多いアジで、腸炎ビブリオによる食中毒を起こすことがよくあるようです。
調理前と内臓を取り除いた後に真水でよく洗うこと、手指と包丁・まな板を常に清潔に保つこと、
低温を保つことが重要な予防策になります。
ヒカリを飛ばさないようにするためには、塩水で洗うと良いのですが、酢で締めない場合はリスクが高まります。
☆下処理 (右利きで説明)
江戸前のすしでは、アジフライのような形に開きます。
酢で締める場合は、真水ではなく塩水で洗ってください。(酢で殺菌できるため)
ヒカリが飛ぶのを予防できます。
①真水で表面をよく洗い、ザルに上げて水切り後、キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
②両側にあるゼイゴ(ギザギザした部分)だけを、尾の方から包丁を前後に動かしながら切り取ります。
よく切れる包丁と、それなりの技術が必要です。
包丁が深く入ると身が出てしまい(特に尾の近く)、見た目も悪く、酸化しやすく、尚且つ衛生上よくありません。
生で握るならば、この処理は飛ばしてもかまいませんが、
上手に出来るなら、やった方が薄皮をきれいに引くことが出来ます。(東京のすし店では、やります。)
③やさしく丁寧にウロコを取ります。
④胸ビレ・腹ビレと頭を一緒に落とし、腹ワタを出し、腹の内側を真水で洗って、
汚れ・血合いを除き、キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
魚体に残っているウロコも、きれいに洗い落としてください。
他の魚の場合もそうですが、腹の中の血の集中した部分に包丁を入れ、ササラ又は歯ブラシを使うと、
きれいに且つ手早く洗えます。
⑤真水でヒカリが飛んでしまっても、ここで海水程度の塩水(安全上、氷を入れて冷す)につければ、ヒカリは戻ります。
ただし、酢を使わない仕込みでは、腸炎ビブリオのリスクは高まります。
塩水につけた場合は、キッチンペーパーでやさしく水気をとってください。
⑥尾を手前に、背を右に置き、頭側から尾側に向けて背に切れ目を入れ、
頭側から中骨に沿って包丁を入れて開き、更に腹の皮ギリギリまで開きます。
⑦今度は開いた状態で、皮目を上、尾を向こう、中骨のついた側を右にして、
尾側から頭側に向けて背に切れ目を入れ、中骨まで包丁を入れ、
更に、頭側の切れ目から尾側に向かって包丁を進めて身を外し、尾が身に付くよう中骨を尾の根本で切ります。
⑧開いた状態で、尾を手前、身を上にして、包丁で皮側にある尻ビレを押さえ、
身を持ち上げるようにして尻ビレを外します。
⑨開いた状態で、皮目を下、尾を向こうにして、
頭側の身の中央についている左右の腹骨をそれぞれ包丁で薄くすきとります。
⑩尾を切り落とします。
⑪骨抜きで骨を抜きます。
※塩又は塩と酢で締める場合は、締めた後に抜くのが普通です。(その方が身が崩れにくいため)
⑫開いた2枚のアジの皮同士を合わせて(又は1枚のアジを皮が内側になるように折る)
ザルに入れ、下に皿を敷いてラップし、冷蔵庫で保管します。
◆仕込みと供し方 -1 (生で握る場合)
片身づけサイズか、片身で2~3カンとれる中型サイズを使いました。
☆塩で締めない場合
①肉の薄い腹の部分は切り落とし、片身ずつに切り分け、形と大きさを整えます。
②薄皮を引きます。(右利きで説明)
以下のやり方だと、包丁技が未熟な方でも、銀皮をきれいに身につけたまま、薄皮を引くことができます。
・頭側の背側の薄皮の端を左手でつまむ。
・身を包丁で少し小突くようにして薄皮を少しはがしてとっかかりを作る。
・頭側を左にして薄皮を下に置き、とっかかりの部分の薄皮を左手の指で押さえる。
・包丁のみね(背)を薄皮に押しあてる。
・左手の指で薄皮を少し左に引っ張り気味にしつつ、包丁をそのまま右にスライドさせる。
③片身づけサイズは、皮目に少し包丁を入れ、中型サイズはそぎ切りにしました。
共に味・食感・美しさを考慮してください。
片身づけサイズで包丁目を入れる場合、斜めに短く数本入れる程度が好みです。
鹿の子包丁を入れる店もよくあります。
薬味を載せる場合は、中央に縦1本というのが一般的です。
④卸したショウガを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
ショウガと、細かく刻んだアサツキ又は大葉を載せて握られることが多いですが、
そうすると、我が家の夕飯の定番 「アジのタタキ(たたかないで切るだけですが)」を連想してしまい、
また、握りの場合はショウガのみの方が好みに合うので、アサツキや大葉は使いませんでした。
近年は、ショウガとアサツキを一緒に包丁でたたき、緑色のペースト状にしてネタの上に載せる店が増えました。
☆塩で締める場合
良いアジを仕入れることが出来なかった頃は、塩で締めてから使いました。
塩で締めると、臭みを減らし、身を引き締め、甘味を引き立たせることができます。(失うものもあります。)
ただし、塩により腸炎ビブリオのリスクが高まるので、注意が必要です。
身と皮に軽く塩をして数分~10分程度冷蔵庫に置き、氷水で水洗いし、水気をとってから骨を抜きます。
氷水に酢を加えると安全性が高まりますが、味が変わるので加えませんでした。
私は、供する直前に塩締めの処理をし、
安全のため、握る際には皮を引いてから酢を通し、酢を拭いてから包丁目を入れて握りました。
◆仕込みと供し方 - 2 (塩と酢で締めて握る場合)
昔は、塩と酢で強く締め、薄皮はつけたまま、おぼろを挟んで握ることが多かったようです。
今は、ごく一部のすし店以外では、そういうすしは出しません。
今も、塩と酢で締めたアジの握りは珍しくありませんが、ほとんどの場合生に近いもので、
締め方は非常に弱く、仕込んだ当日に薄皮を引き、包丁目を入れて、おぼろを挟まずに握ります。
薄皮の下の銀皮がきれいに残り、包丁目を入れても色がきれいです。
私が好んだのは、両者の中間的な仕込みで、コハダの仕込みに近いものです。
塩と酢で締め、翌日までじっくりと酢を回し、薄皮は引かず、おぼろは挟まない握りです。
昔の仕込みのように、酢の時間が長ければ、薄皮は問題なく柔らかくなりますが、私の望む味にはなりません。
この仕込みには、脂のノリが軽く、薄皮の柔らかい小アジが向いています。
丸づけ(1匹で1カン)や片身づけ(片身で1カン)のコハダのように、小ざっぱりとした仕上がりになります。
小アジは漁獲時から雑に扱われることが多く、良いものを見つけるのはたいへんです。
丸づけサイズは、使いたいと思うレベルのものが見つかりませんでした。
私が使ったのは、片身でぎりぎり1カンになるくらいの小アジで、内海で育った薄皮の柔らかいものです。
私がこの仕込みにこだわったのは、
江戸前の締めもので、唯一コハダ(幼魚のシンコを含む)に対抗しうる素晴らしい味わいがあるからです。
コハダと共通するのは、小ざっぱりしているけれど味が濃く、シャリとの相性がとても良いことです。
コハダとアジ以外で、塩と酢で締められることのある光り物のネタ(タネ)には、
サバ ・ イワシ(マイワシ) ・ サンマ ・ カスゴ ・ キス(シロギス) ・ サヨリ ・ イボダイ(エボダイ)などがあります。
それぞれに美味しさはありますが、サバは味が濃くても脂が強く、
イワシとサンマは味が濃くても脂が強い上に酢との相性が今ひとつで、
カスゴ ・ キス ・ サヨリ ・ イボダイは、もともと味わい的には白身のようなもので、
コハダに対抗できるような味の濃さがありません。
私は、マナガツオとサワラも塩と酢で締めましたが、
サバと同じく味は濃くても脂が強く、小ざっぱりしたものではありません。
コハダに外見の似ているサッパ(ママカリ)は、東京湾でよく釣れましたし、
コハダに混じって流通することもよくあるので試したことがありますが、望むような味にはなりません。
私と家族は、この仕込みのアジが大好きで、ちょうど良い小アジが出回る初夏によく握りました。
【レシピ】
下処理の際、ヒカリが飛ばないよう、真水ではなく海水程度の塩水で洗います。
同じくらいのサイズのアジを仕入れても、個体ごとに若干の違いがあります。
・大きめのもの ・ 身が厚いもの ・ 脂が多めのものは、塩と酢につける時間を若干長くとります。
・小さめのもの ・ 身が薄いもの ・ 脂が少ないものは、塩と酢につける時間を若干短くします。
したがって、塩と酢に漬ける時間別にアジを分けて調理します。
(材料)
・下処理済みのアジ(片身でぎりぎり1カンになるくらいの小アジ。内海育ちで薄皮の柔らかいものが最適。)
・あら塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
※私は、造りの良い軽めの米酢をブレンドして使うことが多かったです。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
①ザルに塩を均等に振ります。
②アジの皮を下にしてザルの上に置き、身の上に塩を均等に振ります。
塩の量は、そのまま食べてちょうどいい位の塩加減を1とすると、3~4くらいです。
塩と酢に漬ける時間別に分けたアジに、時間差をつけて塩を振ってください。
③そのまま置き、 塩が馴染んで (アジから出る水分で塩がだいぶ溶けて) きたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、20分前後が目安です。
※塩は、
・室温が高いほど早く回ります。
・湿度が高いほど早く回ります。
④アジをボウルに入れ、流水で水洗いして塩を出します。
慣れないうちは、ここで味をみてください。
塩辛いと感じるようでは明らかに塩出しが足りません。
・酸味が強めの味に仕上げるならば、ほんの少しだけ塩味が強めだなという程度にしてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、少し塩味が弱めだなという程度にしてください。
⑤アジを別のザルに上げ、水切りします。ここでも、酢に漬ける時間別にアジを分けてください。
⑥冷やした好みの酢と冷やしたミネラルウォーターを同量、別のボウルに入れます。
⑦アジを酢洗いします。(必ず酢洗いしてください。酢洗いしないと臭みが取れません。)
ヒカリが飛ばないよう、大きさが同じくらいの2枚のアジの皮目同士をピタリと合わせ、1組とし処理します。
長く酢に漬けるものから順に、⑥の中でシャブシャブと洗い、
1組ずつ手のひらに載せ、もう一方の手のひらを乗せて酢を絞り、別のザルに上げて30分位置きます。
⑧酢に漬けます。
冷やした好みの酢を別のボウルに入れ、皮目同士を合わせたアジを入れます。
長く酢に漬けるものから時間差をつけて入れてください。
なお、酢はアジが全て浸かる量にしてください。
※酢の温度が高いと、ヒカリが飛びやすくなります。
⑨そのまま置きます。
酢が馴染んで(アジの身が白くなって)きたら、
1組ずつ手のひらに載せ、もう一方の手のひらを乗せて、1組ずつ酢を軽く絞り、
別のザルに上げて酢を切り、骨抜きで骨を抜きます。
酢に漬ける時間は、
・酸味が強めの味に仕上げるならば、20分前後にしてください。
慣れないうちは、ここで味をみてください。
まだ塩味が強いと感じるならば、ほど良い塩分になるまで冷やした新しい酢に漬けてください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、10分前後にしてください。
私は、10分前後が好みです。
⑩酢が切れたアジをボウル状のザルの中に、
皮目をピタリと合わせた状態で立て掛けるように並べ、ザルをボウルに入れラップし冷蔵庫で保存します。
頭側が上、尾側が下です。
アジから出た酢が容器の中にたまってきたら、アジにつかないよう時々取り除いてください。
⑪この締め方だと、24時間くらい経てば美味しく食べられます。
※翌日になってから、味を修正するために酢に漬け直さないでください。
食べた時に、生酢のきつい匂いが鼻を突く低調なすしになってしまいます。
☆供し方 (塩と酢で締めて握る場合)
片身ずつに切り分け(大きい場合は腹側を切り落とす)、形を整えます。
薄皮はつけたまま、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
薄皮が硬い場合は、包丁目を入れて調整してください。
それでも硬い場合は、薄皮をはがして握ってください。
ただし、この仕込みで薄皮をはがすと、その下の銀皮の多くも一緒にはがれてしまい、
血合いの色も茶色っぽいため、包丁目を入れても、見た目が美しくありません。