シラウオ (白魚), レシピ shirauo recipe edomae
Sept 26, 2015 15:40:44 GMT 9
Post by 管理人 on Sept 26, 2015 15:40:44 GMT 9
シラウオ (白魚)は伝統的な江戸前のすしネタ(タネ)です。
生で使われることも多いですが、とりあえず煮物に分類しておきます。
よく混同される標準和名シロウオ (築地での呼称はイサザ)は、踊り食いで有名なハゼ科の魚で、
活けで流通しますが、いかにもハゼ科という感じの外見で、シラウオとは全然違います。
ちなみに、シロウオの踊り食いは我が家でとても人気があったので、毎年春先に使っていました。
シラウオは、小さく淡白ながら個性的な味わいで、実に様々なすしが存在します。
長年日本料理の世界にいた私から見ると、近年新しく登場してきたシラウオのすしは、
合う合わないは別として、日本料理からの転用がとても多いなぁと感じます。
つまみ専用に使うすし店もあり、それはそれでちゃんとした見識だと思いますが、やり方次第ではすしもイケます。
1.仕入れ
シラウオはかなり長い期間流通しますが、2月下旬から4月上旬あたりが良い時期で、
すしに使う場合は、すし1カンに充分な長さに成長し、ほど良く卵を抱えたものに素敵な味わいがあると思います。
ただし、抱卵したシラウオを嫌うすし店も中にはあり、そういう店ではもう少し早い時期に使っています。
茹でたもの・冷凍物・中国産も多く流通していますが、仕入れるのは国産の生。
鮮度が落ちると白っぽくなりますので、透明感と張りのあるものを選んでください。
活けでの流通はほとんどなく、活けのシラウオを使ったことはありませんが、今後は増えてくるかもしれません。
築地場内でシラウオを仕入れたことはありませんが、
宍道湖産(島根)、松島産(宮城)などに良いものが多かったです。
2.仕込みと供し方
他の食材との組み合わせ方や薬味などは別として、
シラウオのすしを分類すると、例外もありますが、概ね次の3タイプになると思います。
a. 生
洗っただけのもの、昆布締め、酢又は甘酢(砂糖+酢)をくぐらせたもの等。
海苔で帯したものや軍艦巻が多い。
b. 蒸したもの
下味(塩、塩+日本酒、塩+日本酒+酢、昆布締め 等)をつけて、
そのまま又は桜の葉(生葉又は塩漬け)などにのせて軽く蒸したもの。
おぼろが使われることも多い。
加熱するシラウオのすしでは、蒸すのが最近の主流だと思います。
c. 煮汁又は湯で火を通したもの
砂糖+水(+塩)、又は砂糖+ミリン or 日本酒+水(+塩)で軽く煮る白煮は、伝統的な手法。
塩+日本酒+水、塩+酢+水など甘味をつけない煮汁又は湯で軽く火を通すすし店もあり。
おぼろを使ったり、かんぴょう ・ 海苔 ・ 大葉などで帯することも多い。
色々なシラウオのすしを試しましたが、以下に紹介する、湯で火を通すシンプルなものに落ち着きました。
一長一短ありますが、蒸すよりも煮汁や湯で軽く火を通した方が、
ほんのわずかな時間で的確に火を通すことが出来、いい感じの食感になり、我が家では好まれました。
シラウオは繊細な味わいだけに、下手な組み合わせはNGですが、
すしにする場合は軽いアクセントを加えた方が、すしとしての完成度は高まると思います。
【レシピ】
供する直前に仕込みます。
(材料)
・ 生の子持ちシラウオ 適量
・ あら塩ならびに焼き塩 (共に精製塩不可) 適量
・ 水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・ 氷(上記水を凍らせたもの) 適量
・ 煮たかんぴょう(シラウオのすしに合うよう調理したもの) 適量
・ 梅酢又は梅肉 適量
①ボウルにたっぷりの水と少量のあら塩を入れて極薄い塩水を作り、
その中にシラウオを入れて洗い、ザルに上げて水気を切ります。
②キッチンペーパー等でやさしく水気をとり、シラウオにまんべんなく焼き塩(きめ細かく振るため)を振ります。
シラウオの調理では立て塩に漬ける場合が多いのですが、このすしの場合は振り塩が合うと思います。
以降の処理を経て、すしにした時にほど良く薄い塩味がつくようにしてください。
③鍋に水を入れ沸かします。
④別のボウルに氷水を入れます。
⑤湯が沸いたら火を止め、再度弱火にかけて沸騰しない状態を保ちます。
⑥塩が馴染んだシラウオを、
重ならないよう柄の付いた網(揚げ網等。ザルでもOK)にまっすぐに並べて湯に入れ、
沸騰直前の温度を維持しつつ、短時間で卵の芯まで火を通します。
秒単位の勝負です。ギリギリのところを狙ってください。
⑦鍋から網を上げ、シラウオを氷水に入れ、氷水から別のザルに上げて水を切り、
キッチンペーパーを敷いた皿にシラウオを移し、上からもキッチンペーパーを被せて水気をとります。
火を通したシラウオは、乱暴に扱うと崩れやすいので、気をつけてください。
※煮汁で火を通す場合は、風を送って火の通りを止めてください。
⑧すしにします。
◆かんぴょうで帯する場合
1カンにちょうどいい数のシラウオの頭の向きを揃えて縦長に並べ、
シラウオの形を崩さないよう握り、中央にかんぴょうを巻いて供します。
煮切り醤油や醤油は使いませんでしたが、ワサビを使うかどうかは食べ手の好みに応じました。
かんぴょうは、味と色は淡く、柔らかめに仕上げた方がこのすしに調和します。
昔風にかんぴょうを結ぶ場合は、幅を細くしたものを数本使ってください。
かんぴょうの煮方は、かんぴょうのページを参考にしてください。(レシピはかんぴょう巻用)
煮汁や湯で火を通したシラウオは、サラっとしていてとても握りにくいですが、
きちんと握ることが出来なければ、笹や葉蘭等を切ったものにシラウオを並べて握ってください。
老舗などでも行われている方法です。
◆梅酢又は梅肉を使う場合
上記と同様に握り、ネタ表中央に極少量の梅酢又は梅肉をつけて供します。(かんぴょうは使いません)
煮切り醤油や醤油は使いませんでしたが、ワサビを使うかどうかは食べ手の好みに応じました。
こちらの場合、大葉にシラウオを並べて握っても(握った後に大葉を剥がす)、
ほのかな大葉の香りが梅の香りとも調和し、違った味わいが楽しめます。
生で使われることも多いですが、とりあえず煮物に分類しておきます。
よく混同される標準和名シロウオ (築地での呼称はイサザ)は、踊り食いで有名なハゼ科の魚で、
活けで流通しますが、いかにもハゼ科という感じの外見で、シラウオとは全然違います。
ちなみに、シロウオの踊り食いは我が家でとても人気があったので、毎年春先に使っていました。
シラウオは、小さく淡白ながら個性的な味わいで、実に様々なすしが存在します。
長年日本料理の世界にいた私から見ると、近年新しく登場してきたシラウオのすしは、
合う合わないは別として、日本料理からの転用がとても多いなぁと感じます。
つまみ専用に使うすし店もあり、それはそれでちゃんとした見識だと思いますが、やり方次第ではすしもイケます。
1.仕入れ
シラウオはかなり長い期間流通しますが、2月下旬から4月上旬あたりが良い時期で、
すしに使う場合は、すし1カンに充分な長さに成長し、ほど良く卵を抱えたものに素敵な味わいがあると思います。
ただし、抱卵したシラウオを嫌うすし店も中にはあり、そういう店ではもう少し早い時期に使っています。
茹でたもの・冷凍物・中国産も多く流通していますが、仕入れるのは国産の生。
鮮度が落ちると白っぽくなりますので、透明感と張りのあるものを選んでください。
活けでの流通はほとんどなく、活けのシラウオを使ったことはありませんが、今後は増えてくるかもしれません。
築地場内でシラウオを仕入れたことはありませんが、
宍道湖産(島根)、松島産(宮城)などに良いものが多かったです。
2.仕込みと供し方
他の食材との組み合わせ方や薬味などは別として、
シラウオのすしを分類すると、例外もありますが、概ね次の3タイプになると思います。
a. 生
洗っただけのもの、昆布締め、酢又は甘酢(砂糖+酢)をくぐらせたもの等。
海苔で帯したものや軍艦巻が多い。
b. 蒸したもの
下味(塩、塩+日本酒、塩+日本酒+酢、昆布締め 等)をつけて、
そのまま又は桜の葉(生葉又は塩漬け)などにのせて軽く蒸したもの。
おぼろが使われることも多い。
加熱するシラウオのすしでは、蒸すのが最近の主流だと思います。
c. 煮汁又は湯で火を通したもの
砂糖+水(+塩)、又は砂糖+ミリン or 日本酒+水(+塩)で軽く煮る白煮は、伝統的な手法。
塩+日本酒+水、塩+酢+水など甘味をつけない煮汁又は湯で軽く火を通すすし店もあり。
おぼろを使ったり、かんぴょう ・ 海苔 ・ 大葉などで帯することも多い。
色々なシラウオのすしを試しましたが、以下に紹介する、湯で火を通すシンプルなものに落ち着きました。
一長一短ありますが、蒸すよりも煮汁や湯で軽く火を通した方が、
ほんのわずかな時間で的確に火を通すことが出来、いい感じの食感になり、我が家では好まれました。
シラウオは繊細な味わいだけに、下手な組み合わせはNGですが、
すしにする場合は軽いアクセントを加えた方が、すしとしての完成度は高まると思います。
【レシピ】
供する直前に仕込みます。
(材料)
・ 生の子持ちシラウオ 適量
・ あら塩ならびに焼き塩 (共に精製塩不可) 適量
・ 水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・ 氷(上記水を凍らせたもの) 適量
・ 煮たかんぴょう(シラウオのすしに合うよう調理したもの) 適量
・ 梅酢又は梅肉 適量
①ボウルにたっぷりの水と少量のあら塩を入れて極薄い塩水を作り、
その中にシラウオを入れて洗い、ザルに上げて水気を切ります。
②キッチンペーパー等でやさしく水気をとり、シラウオにまんべんなく焼き塩(きめ細かく振るため)を振ります。
シラウオの調理では立て塩に漬ける場合が多いのですが、このすしの場合は振り塩が合うと思います。
以降の処理を経て、すしにした時にほど良く薄い塩味がつくようにしてください。
③鍋に水を入れ沸かします。
④別のボウルに氷水を入れます。
⑤湯が沸いたら火を止め、再度弱火にかけて沸騰しない状態を保ちます。
⑥塩が馴染んだシラウオを、
重ならないよう柄の付いた網(揚げ網等。ザルでもOK)にまっすぐに並べて湯に入れ、
沸騰直前の温度を維持しつつ、短時間で卵の芯まで火を通します。
秒単位の勝負です。ギリギリのところを狙ってください。
⑦鍋から網を上げ、シラウオを氷水に入れ、氷水から別のザルに上げて水を切り、
キッチンペーパーを敷いた皿にシラウオを移し、上からもキッチンペーパーを被せて水気をとります。
火を通したシラウオは、乱暴に扱うと崩れやすいので、気をつけてください。
※煮汁で火を通す場合は、風を送って火の通りを止めてください。
⑧すしにします。
◆かんぴょうで帯する場合
1カンにちょうどいい数のシラウオの頭の向きを揃えて縦長に並べ、
シラウオの形を崩さないよう握り、中央にかんぴょうを巻いて供します。
煮切り醤油や醤油は使いませんでしたが、ワサビを使うかどうかは食べ手の好みに応じました。
かんぴょうは、味と色は淡く、柔らかめに仕上げた方がこのすしに調和します。
昔風にかんぴょうを結ぶ場合は、幅を細くしたものを数本使ってください。
かんぴょうの煮方は、かんぴょうのページを参考にしてください。(レシピはかんぴょう巻用)
煮汁や湯で火を通したシラウオは、サラっとしていてとても握りにくいですが、
きちんと握ることが出来なければ、笹や葉蘭等を切ったものにシラウオを並べて握ってください。
老舗などでも行われている方法です。
◆梅酢又は梅肉を使う場合
上記と同様に握り、ネタ表中央に極少量の梅酢又は梅肉をつけて供します。(かんぴょうは使いません)
煮切り醤油や醤油は使いませんでしたが、ワサビを使うかどうかは食べ手の好みに応じました。
こちらの場合、大葉にシラウオを並べて握っても(握った後に大葉を剥がす)、
ほのかな大葉の香りが梅の香りとも調和し、違った味わいが楽しめます。