カマス (アカカマス, 赤魳), レシピ kamasu akakamasu recipe edomae
Aug 29, 2015 14:50:12 GMT 9
Post by 管理人 on Aug 29, 2015 14:50:12 GMT 9
一般に流通するカマスに、アカカマス(ホンカマス) とヤマトカマス (アオカマス, ミズカマス) がありますが、
以下はアカカマス (以下「カマス」) についてです。
カマスといえば、何と言っても干物が有名で、やや大衆的な魚という感じもしますが、
秋から初冬にかけての時期は、日本料理店でもよく使われ、
塩と米酢 (関西風に少量の薄口醤油や砂糖が使われることが多い) で締めて棒ずしにすることもあります。
私が働いていた日本料理店では、棒ずしの場合は、軽めに締めて木の芽など相性の良いものを挟み、
皮に焼き目をつけたものを切り、八寸 (懐石の一品) などで供することが多かったです。
この関西風の棒ずしもとても美味しいのですが、家で作るなら江戸前っぽくしたいなぁと思っていました。
今でこそ、東京でもカマスのすしを出す江戸前のすし店が少ないながらありますが、
私が若かった当時は、見たことも聞いたこともありませんでした。
でも、作ってみたらジューシーで抜群に美味しく、
家族も大喜びで、中秋から初冬にかけての我が家の定番となりました。
子供達も赤ん坊の頃からカマスのすしが大好きで、
無いと残念がるので、この時期は欠かすことの出来ないネタ (タネ)でした。
1.仕入れ (築地場内市場)
10月になると、築地場内のあちらこちらの仲卸しに並ぶカマスがいい感じになりましたが、
私が築地で求めたカマスのレベルは、それ以前に家で使っていたものよりも高く、
「ああ、カマスだ。」くらいの印象。
でも、行きつけの上物の仲卸しに行くと、
仕事で使っていた時以来久々に見る、とてつもなく素晴らしい上物が目に飛び込んで来ました。
「わっ!すごいカマスですね!これ、もしかして葉山(相模湾)のですか?」
とご主人に聞くと、
「そうです!葉山の根付きのカマスです!」
とのこと。
私が働いていた日本料理店では、カマスは葉山辺りの上物を主に使っていたので、
そうではないかと思って聞いたらその通りでした。
葉山とその周辺には、魚が根付くリーフがあり、好漁場となっています。
とても大きく、幅がありふっくらとしていて、尾の方までズドーンと太く、脂のノリが良く、
ウロコがびっしりとついていて受けたストレスが少なく、色合いも良く、
もちろん生でも食べられる抜群の鮮度で、ピンのピンのカマスでした。
希少な釣り物であったに違いありません。
もちろん、値段もとびっきりです。
築地通いをする以前から、葉山辺りのカマスは家でも使っていましたが、
明らかに網で漁獲されたものだったので、その差は歴然としていました。
おかげさまで、中秋から初冬にかけての一番いい時期に、葉山の上物のカマスを使い続けることが出来ました。
築地広しといえど、この時期に葉山の上物をコンスタントに扱う仲卸しは、ほとんどなかったと思います。
良い仕入先を選定することが仕入れの大原則だと、つくづく感じました。
2.仕込みと供し方
日本料理における多彩な使い方を思えば、色々なカマスのすしが考えられたのですが、
下記のシンプルなすしの評判があまりにも良かったので、試しませんでした。
上物のカマスは大きく身が厚いので、棒ずしにした方が形は整うのですが、
下記の場合は握りで食べた方が美味しいと思うので、握りにしました。
ただし、握りにくいです。
【レシピ】
供する直前に仕込みます。
(材料)
・ ウロコを取り、3枚に卸し、腹骨をすき取り、小骨を抜いたカマス 適量
・ 好みの塩 (精製塩不可) 適量
・ アサツキ 適量
・ 皮が緑色の国産レモン 適量
・ ワサビ 適量
・ シャリ 適量
①カマスを、握り1カンにちょうどいい大きさに切ります。
カマスは皮がとても美味しい魚ですので、ネタ表全面が皮となるように切ります。
上物のカマスは背から腹にかけての幅が広く、握り1カンに充分な長さがありますので、
ネタの長辺は、背から腹にかけてとします。
尾の近くだけは長さが足りませんので、頭側から尾側にかけてを長辺とします。
②ネタに切り分けたカマスの皮側に、中央縦長に包丁目を入れます。
焼いた後だと綺麗に切れないので、この段階で処理します。
③くっつきにくい網にカマスを載せ、両面を上火で焼きます。
強火でスピーディーに焼くことで、エキスの流出を防ぐことが出来ます。
焼き加減は、芯が少し生になる程度で、
ステーキで言えば、ミディアムとウェルダンの間という感じです。
このくらいの焼き加減が、このすしには一番合うと思います。
皮には見た目にも美味しそうな焼き色をつけて、皮の美味しさを引き立ててください。
④カマスを焼いている間に、アサツキを細かく刻み、国産レモンの皮を剥き半分に切り、ワサビを卸します。
⑤カマスが焼き上がったら、皮をネタ表にしてワサビを挟んで鞍掛け (三角屋根のような形)に握り、
塩 ・ アサツキ少々 ・ 国産レモンの果汁数滴をかけて、まだ温かいうちに供します。
とても握りにくいので、たて返しで握るといいでしょう。
カマスにはスダチが使われることが多いですが、
このすしには、香りが若々しく且つ淡白な、未熟の国産レモンの皮を剥いて使うのがベストだと思います。
以下はアカカマス (以下「カマス」) についてです。
カマスといえば、何と言っても干物が有名で、やや大衆的な魚という感じもしますが、
秋から初冬にかけての時期は、日本料理店でもよく使われ、
塩と米酢 (関西風に少量の薄口醤油や砂糖が使われることが多い) で締めて棒ずしにすることもあります。
私が働いていた日本料理店では、棒ずしの場合は、軽めに締めて木の芽など相性の良いものを挟み、
皮に焼き目をつけたものを切り、八寸 (懐石の一品) などで供することが多かったです。
この関西風の棒ずしもとても美味しいのですが、家で作るなら江戸前っぽくしたいなぁと思っていました。
今でこそ、東京でもカマスのすしを出す江戸前のすし店が少ないながらありますが、
私が若かった当時は、見たことも聞いたこともありませんでした。
でも、作ってみたらジューシーで抜群に美味しく、
家族も大喜びで、中秋から初冬にかけての我が家の定番となりました。
子供達も赤ん坊の頃からカマスのすしが大好きで、
無いと残念がるので、この時期は欠かすことの出来ないネタ (タネ)でした。
1.仕入れ (築地場内市場)
10月になると、築地場内のあちらこちらの仲卸しに並ぶカマスがいい感じになりましたが、
私が築地で求めたカマスのレベルは、それ以前に家で使っていたものよりも高く、
「ああ、カマスだ。」くらいの印象。
でも、行きつけの上物の仲卸しに行くと、
仕事で使っていた時以来久々に見る、とてつもなく素晴らしい上物が目に飛び込んで来ました。
「わっ!すごいカマスですね!これ、もしかして葉山(相模湾)のですか?」
とご主人に聞くと、
「そうです!葉山の根付きのカマスです!」
とのこと。
私が働いていた日本料理店では、カマスは葉山辺りの上物を主に使っていたので、
そうではないかと思って聞いたらその通りでした。
葉山とその周辺には、魚が根付くリーフがあり、好漁場となっています。
とても大きく、幅がありふっくらとしていて、尾の方までズドーンと太く、脂のノリが良く、
ウロコがびっしりとついていて受けたストレスが少なく、色合いも良く、
もちろん生でも食べられる抜群の鮮度で、ピンのピンのカマスでした。
希少な釣り物であったに違いありません。
もちろん、値段もとびっきりです。
築地通いをする以前から、葉山辺りのカマスは家でも使っていましたが、
明らかに網で漁獲されたものだったので、その差は歴然としていました。
おかげさまで、中秋から初冬にかけての一番いい時期に、葉山の上物のカマスを使い続けることが出来ました。
築地広しといえど、この時期に葉山の上物をコンスタントに扱う仲卸しは、ほとんどなかったと思います。
良い仕入先を選定することが仕入れの大原則だと、つくづく感じました。
2.仕込みと供し方
日本料理における多彩な使い方を思えば、色々なカマスのすしが考えられたのですが、
下記のシンプルなすしの評判があまりにも良かったので、試しませんでした。
上物のカマスは大きく身が厚いので、棒ずしにした方が形は整うのですが、
下記の場合は握りで食べた方が美味しいと思うので、握りにしました。
ただし、握りにくいです。
【レシピ】
供する直前に仕込みます。
(材料)
・ ウロコを取り、3枚に卸し、腹骨をすき取り、小骨を抜いたカマス 適量
・ 好みの塩 (精製塩不可) 適量
・ アサツキ 適量
・ 皮が緑色の国産レモン 適量
・ ワサビ 適量
・ シャリ 適量
①カマスを、握り1カンにちょうどいい大きさに切ります。
カマスは皮がとても美味しい魚ですので、ネタ表全面が皮となるように切ります。
上物のカマスは背から腹にかけての幅が広く、握り1カンに充分な長さがありますので、
ネタの長辺は、背から腹にかけてとします。
尾の近くだけは長さが足りませんので、頭側から尾側にかけてを長辺とします。
②ネタに切り分けたカマスの皮側に、中央縦長に包丁目を入れます。
焼いた後だと綺麗に切れないので、この段階で処理します。
③くっつきにくい網にカマスを載せ、両面を上火で焼きます。
強火でスピーディーに焼くことで、エキスの流出を防ぐことが出来ます。
焼き加減は、芯が少し生になる程度で、
ステーキで言えば、ミディアムとウェルダンの間という感じです。
このくらいの焼き加減が、このすしには一番合うと思います。
皮には見た目にも美味しそうな焼き色をつけて、皮の美味しさを引き立ててください。
④カマスを焼いている間に、アサツキを細かく刻み、国産レモンの皮を剥き半分に切り、ワサビを卸します。
⑤カマスが焼き上がったら、皮をネタ表にしてワサビを挟んで鞍掛け (三角屋根のような形)に握り、
塩 ・ アサツキ少々 ・ 国産レモンの果汁数滴をかけて、まだ温かいうちに供します。
とても握りにくいので、たて返しで握るといいでしょう。
カマスにはスダチが使われることが多いですが、
このすしには、香りが若々しく且つ淡白な、未熟の国産レモンの皮を剥いて使うのがベストだと思います。