おぼろ (シバエビのおぼろ), レシピ oboroshibaebirecipeedomae
Apr 4, 2015 16:26:03 GMT 9
Post by 管理人 on Apr 4, 2015 16:26:03 GMT 9
おぼろにも色々ありますが、
江戸前のすしでは、通常シバエビ(芝海老, 芝蝦)か白身魚で作るものを指します。
おぼろは、ちらしずし(特にばらちらし)、太巻、イカの印籠詰め(印籠づけ)などに使われる他、
ネタ(タネ)とシャリの間に挟んで使われたりもします。
近年は、江戸前のすし店でも、おぼろを作っている店は少ないです。
昔は、ネタを塩と酢で強めに締めたので、味のバランスをとるために、おぼろを挟むのが普通だったようです。
今でも江戸前の伝統にこだわるすし店では、さほど強く締めない場合でも、
カスゴ ・ キス ・ サヨリ ・クルマエビなどの握りにはおぼろを使うことが多いです。
私も、江戸前の伝統的な仕込みを試していた頃は、よくおぼろを作り、ネタ(タネ)とシャリの間に挟んで使いましたが、
挟まない方が好みに合うので、次第にそういう使い方はしなくなりました。
その後は、イカの印籠詰め(印籠づけ)のシャリに混ぜる具にする時と、
ごく稀におぼろを主役にしたすしを作る時にのみ、シバエビのおぼろを作りました。
白身魚のおぼろは好きではないので、作りませんでした。
江戸前のすし店でも、一定レベル以上の店では、白身魚のおぼろはほとんど作っていないと思います。
1.仕入れ
エビおぼろの定番は、シバエビのおぼろです。
他のエビでも試しましたが、味や食感が好みに合うので、私もシバエビのおぼろに落ち着きました。
シバエビだけで作ると色が白っぽくなりますので、色づけのために少量のクルマエビも使いました。
江戸前のすし店では、以前は食紅がよく使われていたようですが、
今は一定レベル以上のすし店のほとんどが、色付けする場合は少量のクルマエビを使っていると思います。
◆シバエビ
中華料理店の中には、小さなエビを全てシバエビと表記している店が未だにけっこうあるので、
そういう店で「芝海老のチリソース煮」などを食べて、それがシバエビだと思っている人も多いようですが、全然違います。
旬は冬から春で、産卵期は初夏から初秋あたりですが、
江戸前の天ぷら・すし、日本料理の世界で多用されるため、築地場内のようなところでは、
産地を替えながら1年中良いものが扱われています。
入荷量によっては、けっこういい値段になります。
希少な東京湾産があれば優先しましたが、ない時は三河湾産・有明海産などを仕入れました。
韓国・中国などの外国産や冷凍品もあるので、注意してください。
鮮度が悪いと臭みが出ますので、鮮度重視で仕入れてください。
ごく普通のスーパーで、新鮮・良質の国産シバエビが驚くほど安い値段で販売されているのを見かけることがありますが、
夜になって値引かれても誰も買わずにそのまま売れ残っていたりします。
シバエビは色々な料理にできますが、面倒なことをしたくなければ、
から揚げにすれば美味しく食べられますので、そういうチャンスを自ら逃して欲しくないものです。
シバエビに限らず、スーパーで国産・天然の美味しい魚介類が安く売られているのに、
それよりも高くて美味しくない外国産や養殖の冷凍魚介類を選んでいる主婦達を見ると、
「こっちを買いなよ~!」と叫びたくなってしまいます (。・`_´・。)
◆クルマエビ
私がエビおぼろを作る場合、クルマエビはあくまでも色づけ用の脇役です。
クルマエビだけでおぼろを作ったことも何度かありますが、身がしっかりしているため、シバエビよりも硬く仕上がります。
また、味も香りも濃いので、おぼろを添え味として使うにはやや不向きです。
(クルマエビの握りのように、クルマエビ主体のすしには合います。)
色づけ用であっても、大きな物ほど硬くなりますので、
おぼろらしい食感にするにはサイマキと呼ばれる小さなサイズが向いています。
仕入れたのはもちろん、天然物です。
2.仕込み (シバエビのおぼろ)
シバエビのおぼろの作り方にも色々あるのでそれぞれ試しましたが、
下記のように茹で汁を活用した方が味が良いと思います。
甘味は、用途に合わせ調整してください。
いずれの場合も、白ザラメ(又は砂糖)とミリンを多く使うと、淡白なシバエビの持ち味が薄れますので気をつけてください。
甘くしたくない場合は、白ザラメ(又は砂糖)は加えず、ミリンの代わりに日本酒を使ってください。
おぼろは冷蔵すれば日持ちするので、
すし店では一度にまとめて何営業日分も仕込む場合が多いのですが、そうすると味は確実に落ちていきます。
ですので、私はその都度作りました。
【レシピ】
(材料)
・シバエビ 適量
・クルマエビ(小さいもの) 適量(シバエビの2~3割くらい)
・造りの良い純本ミリン (ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・白ザラメ(又は砂糖) 適量
・あら塩(精製塩不可) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・ミネラルウォーター(軟水) 適量
①シバエビ ・ クルマエビ(以下、「エビ」)の頭・殻・尾を外し、身だけにします。(ミソは使いません。)
②つまようじ等を使ってエビの背ワタをとります。
③ボウルに水と少量の塩を入れ、エビを洗ってザルに上げます。
ボウルの塩水を2~3回替えながら洗ってください。
あまりしつこく洗うと味が落ちますので、気をつけてください。
このレシピのように、エビの茹で汁を活用する場合、この工程は必須です。
④鍋にエビがヒタヒタになるくらいの量のミネラルウォ-ターを入れて沸かし、少量の塩を加えます。
⑤沸騰したら、大きなものから順にエビを入れます。火力は強火です。
アクが出たら取ってください。(この後も)
⑥再び沸騰してきたら火を弱め、中心が生になるよう軽く茹で、別のザルに上げます。
⑦別の鍋にエビの茹で汁を濾して入れ、煮詰めていきます。アクが出たら取ってください。(この後も)
⑧エビの粗熱がとれたら、ペースト状にします。
フードプロセッサーを使ってもかまいませんが(すし店の多くが使っています)、
私はあえて、すり鉢(あたり鉢)を使いました。(エビを包丁で叩いてから)
フードプロセッサーを使用する場合は、エビの茹で汁を少し混ぜてください。
⑨エビを裏ごしします。(フードプロセッサー使用の場合は不要)
⑩エビの茹で汁が1/3量くらいまで煮詰まったら味見し、白ザラメ・塩(足りなければ)・煮切ったミリンを加えます。
⑪⑩にエビを入れて混ぜ、焦げ付かないようシャモジ等を使いながら、弱火で水分をとばしていきます。
途中、味を見て調整してください。
※最終段階で卵黄を入れる店もあります。
⑫パサパサになるよりも前、少ししっとりとした段階で、火を止めて皿に移し冷まします。
⑬冷めたらラップし、室温に置きます。
3.供し方
おぼろは、用途に応じて使ってください。
おぼろを主役にしたすしの代表的なものに、おぼろ巻とおぼろの握りがあります。
すし店では、ほとんどの場合注文しないと出てきません。
おぼろ巻は、おぼろの細巻です。
悪くはないのですが、海苔の量が多いため、おぼろの繊細な風味が減じられてしまうため、ほとんど作りませんでした。
おぼろの握りは、笹の葉におぼろを載せて握られることが多いですが、笹の代わりに大葉を使う店もあります。
シバエビのおぼろは、大葉と相性が良いのでオススメです。
大葉にシバエビのおぼろを載せ、ワサビをつけ(無しでも可)、シャリを合わせて握り、最後に大葉をはがして供します。
少し握りにくいですが、縦返しで握ると比較的簡単です。
大葉の他、ほんの少量の梅肉や梅酢も合います。
このように、シバエビのおぼろの場合、少し香りのアクセントがあるといい感じになります。
江戸前のすしでは、通常シバエビ(芝海老, 芝蝦)か白身魚で作るものを指します。
おぼろは、ちらしずし(特にばらちらし)、太巻、イカの印籠詰め(印籠づけ)などに使われる他、
ネタ(タネ)とシャリの間に挟んで使われたりもします。
近年は、江戸前のすし店でも、おぼろを作っている店は少ないです。
昔は、ネタを塩と酢で強めに締めたので、味のバランスをとるために、おぼろを挟むのが普通だったようです。
今でも江戸前の伝統にこだわるすし店では、さほど強く締めない場合でも、
カスゴ ・ キス ・ サヨリ ・クルマエビなどの握りにはおぼろを使うことが多いです。
私も、江戸前の伝統的な仕込みを試していた頃は、よくおぼろを作り、ネタ(タネ)とシャリの間に挟んで使いましたが、
挟まない方が好みに合うので、次第にそういう使い方はしなくなりました。
その後は、イカの印籠詰め(印籠づけ)のシャリに混ぜる具にする時と、
ごく稀におぼろを主役にしたすしを作る時にのみ、シバエビのおぼろを作りました。
白身魚のおぼろは好きではないので、作りませんでした。
江戸前のすし店でも、一定レベル以上の店では、白身魚のおぼろはほとんど作っていないと思います。
1.仕入れ
エビおぼろの定番は、シバエビのおぼろです。
他のエビでも試しましたが、味や食感が好みに合うので、私もシバエビのおぼろに落ち着きました。
シバエビだけで作ると色が白っぽくなりますので、色づけのために少量のクルマエビも使いました。
江戸前のすし店では、以前は食紅がよく使われていたようですが、
今は一定レベル以上のすし店のほとんどが、色付けする場合は少量のクルマエビを使っていると思います。
◆シバエビ
中華料理店の中には、小さなエビを全てシバエビと表記している店が未だにけっこうあるので、
そういう店で「芝海老のチリソース煮」などを食べて、それがシバエビだと思っている人も多いようですが、全然違います。
旬は冬から春で、産卵期は初夏から初秋あたりですが、
江戸前の天ぷら・すし、日本料理の世界で多用されるため、築地場内のようなところでは、
産地を替えながら1年中良いものが扱われています。
入荷量によっては、けっこういい値段になります。
希少な東京湾産があれば優先しましたが、ない時は三河湾産・有明海産などを仕入れました。
韓国・中国などの外国産や冷凍品もあるので、注意してください。
鮮度が悪いと臭みが出ますので、鮮度重視で仕入れてください。
ごく普通のスーパーで、新鮮・良質の国産シバエビが驚くほど安い値段で販売されているのを見かけることがありますが、
夜になって値引かれても誰も買わずにそのまま売れ残っていたりします。
シバエビは色々な料理にできますが、面倒なことをしたくなければ、
から揚げにすれば美味しく食べられますので、そういうチャンスを自ら逃して欲しくないものです。
シバエビに限らず、スーパーで国産・天然の美味しい魚介類が安く売られているのに、
それよりも高くて美味しくない外国産や養殖の冷凍魚介類を選んでいる主婦達を見ると、
「こっちを買いなよ~!」と叫びたくなってしまいます (。・`_´・。)
◆クルマエビ
私がエビおぼろを作る場合、クルマエビはあくまでも色づけ用の脇役です。
クルマエビだけでおぼろを作ったことも何度かありますが、身がしっかりしているため、シバエビよりも硬く仕上がります。
また、味も香りも濃いので、おぼろを添え味として使うにはやや不向きです。
(クルマエビの握りのように、クルマエビ主体のすしには合います。)
色づけ用であっても、大きな物ほど硬くなりますので、
おぼろらしい食感にするにはサイマキと呼ばれる小さなサイズが向いています。
仕入れたのはもちろん、天然物です。
2.仕込み (シバエビのおぼろ)
シバエビのおぼろの作り方にも色々あるのでそれぞれ試しましたが、
下記のように茹で汁を活用した方が味が良いと思います。
甘味は、用途に合わせ調整してください。
いずれの場合も、白ザラメ(又は砂糖)とミリンを多く使うと、淡白なシバエビの持ち味が薄れますので気をつけてください。
甘くしたくない場合は、白ザラメ(又は砂糖)は加えず、ミリンの代わりに日本酒を使ってください。
おぼろは冷蔵すれば日持ちするので、
すし店では一度にまとめて何営業日分も仕込む場合が多いのですが、そうすると味は確実に落ちていきます。
ですので、私はその都度作りました。
【レシピ】
(材料)
・シバエビ 適量
・クルマエビ(小さいもの) 適量(シバエビの2~3割くらい)
・造りの良い純本ミリン (ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・白ザラメ(又は砂糖) 適量
・あら塩(精製塩不可) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・ミネラルウォーター(軟水) 適量
①シバエビ ・ クルマエビ(以下、「エビ」)の頭・殻・尾を外し、身だけにします。(ミソは使いません。)
②つまようじ等を使ってエビの背ワタをとります。
③ボウルに水と少量の塩を入れ、エビを洗ってザルに上げます。
ボウルの塩水を2~3回替えながら洗ってください。
あまりしつこく洗うと味が落ちますので、気をつけてください。
このレシピのように、エビの茹で汁を活用する場合、この工程は必須です。
④鍋にエビがヒタヒタになるくらいの量のミネラルウォ-ターを入れて沸かし、少量の塩を加えます。
⑤沸騰したら、大きなものから順にエビを入れます。火力は強火です。
アクが出たら取ってください。(この後も)
⑥再び沸騰してきたら火を弱め、中心が生になるよう軽く茹で、別のザルに上げます。
⑦別の鍋にエビの茹で汁を濾して入れ、煮詰めていきます。アクが出たら取ってください。(この後も)
⑧エビの粗熱がとれたら、ペースト状にします。
フードプロセッサーを使ってもかまいませんが(すし店の多くが使っています)、
私はあえて、すり鉢(あたり鉢)を使いました。(エビを包丁で叩いてから)
フードプロセッサーを使用する場合は、エビの茹で汁を少し混ぜてください。
⑨エビを裏ごしします。(フードプロセッサー使用の場合は不要)
⑩エビの茹で汁が1/3量くらいまで煮詰まったら味見し、白ザラメ・塩(足りなければ)・煮切ったミリンを加えます。
⑪⑩にエビを入れて混ぜ、焦げ付かないようシャモジ等を使いながら、弱火で水分をとばしていきます。
途中、味を見て調整してください。
※最終段階で卵黄を入れる店もあります。
⑫パサパサになるよりも前、少ししっとりとした段階で、火を止めて皿に移し冷まします。
⑬冷めたらラップし、室温に置きます。
3.供し方
おぼろは、用途に応じて使ってください。
おぼろを主役にしたすしの代表的なものに、おぼろ巻とおぼろの握りがあります。
すし店では、ほとんどの場合注文しないと出てきません。
おぼろ巻は、おぼろの細巻です。
悪くはないのですが、海苔の量が多いため、おぼろの繊細な風味が減じられてしまうため、ほとんど作りませんでした。
おぼろの握りは、笹の葉におぼろを載せて握られることが多いですが、笹の代わりに大葉を使う店もあります。
シバエビのおぼろは、大葉と相性が良いのでオススメです。
大葉にシバエビのおぼろを載せ、ワサビをつけ(無しでも可)、シャリを合わせて握り、最後に大葉をはがして供します。
少し握りにくいですが、縦返しで握ると比較的簡単です。
大葉の他、ほんの少量の梅肉や梅酢も合います。
このように、シバエビのおぼろの場合、少し香りのアクセントがあるといい感じになります。