カスゴ (春子, 小鯛), レシピ kasugo kodai recipe edomae
Mar 14, 2015 17:06:08 GMT 9
Post by 管理人 on Mar 14, 2015 17:06:08 GMT 9
カスゴは、マダイ ・ チダイ (ハナダイ) ・ キダイ (レンコダイ) の幼魚です。
伝統的な江戸前のすしネタ(タネ)ですが、イカの印籠詰め(印籠づけ)やキス(シロギス)と同じように、
一部の老舗とその出身者の店以外では、長いことあまり使われていませんでした。
最近は、若手・中堅の名店を中心に復活してきていて、カスゴの美味しさも広く知られるようになりました。
今や、東京のすしの名店のほとんどが、常ではなくともカスゴを出していると思います。
手間はかかるけれど仕入値が安いので利幅が大きく、何よりもお客に自信を持って出せる美味しさがあるからでしょう。
東京で昔から多く使われているのは、チダイの幼魚です。
皮と尾(尾をつけて握る場合もある)の色が良く、東京近海でよく獲れたからでしょう。
マダイの幼魚は、尾の縁が黒く、皮の色もあまり良くなく、酢に漬けると色がよけい悪くなるため、チダイほどには使われません。
使う場合、尾は必ず落とします。
キダイは、色はとても良いのですが、主産地が西日本の日本海側で(若狭湾は特に有名)、
なおかつ東京に出荷してもあまり高く売れないからでしょう、築地ではあまり見かけませんでした。
ですから、東京のすし店ではあまり使われません。
キダイの子を使っている東京のすし店のご主人に聞いてみたところ、築地では、マダイ・チダイ・キダイいずれも、
上質で最適サイズ(1匹で1カン又は半身で1カン)のカスゴの入荷が安定しないので、産地直送で仕入れているとのことでした。
マダイ・チダイ・キダイいずれの場合も、最適サイズが手に入らなければ、少し大き目のサイズでも美味しくできますので、
ぜひトライしてみてください。
1.仕入れ(築地場内)
カスゴは1年中漁獲されますが、春に一番多く出回ります。
産卵期がないため、魚の質は1年を通して比較的安定していますので、良いものをきちんと選別すれば1年中楽しめます。
築地場内ならば、コハダのようにあちらこちらにありそうなものですが、すしネタを扱う仲卸しでもカスゴを置かないところも多く、
上述の通り最適サイズで良いものは少なかったです。
復活してきたとはいえ、まだまだカスゴを使う店が少なく、築地に出荷しても高値がつかないせいなのか、
漁獲量が少なくなってしまったせいなのか分かりません。
ですから、あまり頻繁ではありませんでしたが、マダイかチダイの幼魚でこれは!と思うものを見つけた時に仕入れました。
鮮度・サイズ・色が良く、ウロコがびっしりとついていて、ふっくらとした上物の条件を全て満たしていたのは、
常磐産や外房産のチダイに多かったです。
2.仕込み
我が家では、半身で1カンになるサイズが好まれました。
カスゴらしく小ざっぱりとしていて、なおかつ味わい深いサイズだと思います。
東京の江戸前のすし店で出されるカスゴのすしには、次のようなものがあります。(他にもあり)
a. 塩と酢で締めたもの
b. 塩と酢で締め、おぼろを挟んだもの ← 伝統的な江戸前のすし。強めに締めることが多い。
c. 塩と酢で締め、更に昆布締めしたもの
d. 塩と酢で締め、甘酢に漬けた白板昆布で包んだもの
e. a~dのいずれかを極薄の千枚漬けで包み、更に甘酢に漬けた細長い昆布で帯したもの
f. 塩で締め、黄身おぼろ(甘酢とタマゴでつくったおぼろ)に漬けたもの
g. 塩で締めてから皮を湯引きし、ショウガとアサツキをのせたもの
h. 塩で締めてから皮を湯引きし、おろしたユズをふったもの
私が若い頃は、江戸前のカスゴのすしと云えば、aとbしか見たことも聞いたこともありませんでしたが、
塩と酢で軽く締めてから昆布締めして握ってみたところシャリとの相性も素晴らしく、
ちょっとした発見をしたような気になったものです。
江戸前のすしネタの中で、昆布との相性という点では、塩と酢で締めたカスゴはピカイチだと思います。
今はこのやり方が、カスゴを使う江戸前のすし店でかなり普及しています。
カスゴは皮の光がとびやすいので、扱いには充分に気をつけてください。
☆下処理 (右利きで説明)
江戸前のすしでは、カスゴはアジフライやキスの天ぷらのような形に開きます。
比較的簡単な開き方を紹介します。
①ボウルに塩と冷やした水を入れて海水程度の塩水をたっぷりと作り、
その中でカスゴの表面の汚れとヌメリをやさしく落とします。
②ウロコを取りやすくするため、別のボウルに同様の冷たい塩水(量は少なくて良い)を作り、カスゴを入れます。
③皮の光がとばぬよう、やさしく丁寧にウロコを取り、別のボウルに入れたたっぷりの冷やした塩水で洗った後、
キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
④胸ビレと頭を(店によっては腹ビレも)一緒に落とし、腹ワタを出し、別のボウルに入れたたっぷりの冷やした塩水の中で、
腹の内側を洗って、汚れ・血合いを除き、キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
⑤尾を手前に、背を右に置き、頭側から尾側に向けて背に切れ目を入れ、頭側から中骨に沿って包丁を入れて開き、
更に腹の皮ギリギリまで開きます。
⑥今度は開いた状態で、皮目を上、尾を向こう、中骨のついた側を右にして、尾側から頭側に向けて背に切れ目を入れ、
頭側の切れ目から尾側に向かって包丁を進めて身を外し、尾が身に付くよう中骨を尾の根本で切ります。
⑦開いた状態で、尾を手前、身を上にして、包丁で尻ビレを押さえ、身を持ち上げるようにして尻ビレを外します。
(腹ビレはネタに切り付ける時に外す)
⑧開いた状態で、皮目を下、尾を向こうにして、頭側の身の中央についている左右の腹骨をそれぞれ包丁で薄くすきとります。
※⑥で、尾側の切れ目から頭側に向かって中骨に沿って包丁を入れ、更に包丁を使いながら丁寧に身をはがしていけば、
腹ビレと尻ビレをきれいに取ることができます。(上級者向き)
【レシピ】
上記cを紹介します。
軽く締めて持ち味を活かしてください。
カスゴの大きさ・厚さ・脂のノリ等により、必要な塩と酢の時間は異なりますので、時間差をつけて処理してください。
(材料)
・開いたカスゴ(半身で1カンになるサイズ) 適量
・焼き塩(精製塩不可) 適量
・冷やした造りの良い米酢(軽く酸味がマイルドなもの) 適量
・上質の昆布 適量
※皮目にも昆布をあてる場合は、皮目の美しさを損なわないよう、色のつきにくい昆布で。
私は皮目にも昆布をあてたので、真昆布・利尻昆布・日高昆布のいずれかを使いました。
・煮切り酒 (造りの良い、ただし苦みを感じさせない純米酒を煮切ったもの) 適量
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
・冷やした水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
①長く塩に漬けるものから順に、カスゴの両面に塩をふり、皮を下にしてザルに並べ、下に皿を敷き、冷蔵庫に入れます。
塩の量は、この後の処理を経て、握って煮切り醤油(少なめにつける)をつけた時にちょうど良くなるよう加減してください。
このレシピでは、水洗い・酢洗い・酢漬けで塩分はさほど抜けず、昆布締めでは、昆布から若干の塩分が加わります。
ただし、塩の量が少なすぎると低調な仕上がりになりますので、気をつけてください。
②塩が馴染んだら、表面の塩を落とす程度にさっと水洗いして別のザルに上げて水を切り、
キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
塩の時間は、20分~30分くらいを目安にしてください。
③小骨を骨抜きで抜きます。
④酢洗いします。(酢洗いは行わない店もあります。)
ボウルに酢とミネラルウォーターを同量程度入れ、
皮の光がとばないよう、カスゴの皮目を内側にして折り、
(尾をつけて握る場合は尾も内側に折り込む。
尾をつけて握らない場合は、2匹のカスゴの皮目を合わせて処理しても良い。以下同様。)
長く酢に漬けるものから順にシャブシャブと酢洗いし、
皮目を内側にしたまま手のひらに置き、もう一方の手のひらを乗せて酢を軽く絞り、
皮目を合わせたまま別のザルに上げ酢を切ります。
⑤酢に漬けます。
ボウルに酢を入れ、長く漬けるものから順に、皮目を内側に折り込んだまま漬けます。
酢の時間は、1分~1分30秒くらいを目安にしてください。
⑥皮目を内側にしたまま手のひらに置き、もう一方の手のひらを乗せて酢を軽く絞り、
皮目を内側にしたまま別のザルに上げ、下に皿を敷き、ラップして冷蔵庫に入れ、翌日までじっくりと酢を回します。
皿に酢がたまったら、除いてください。
また、酢の回りが均一になるよう、途中カスゴをひっくり返してください。
⑦翌日、供する何時間か前に昆布締めにします。
昆布を必要な大きさに切り、煮切り酒で拭き、ラップで包んでおきます。
⑧少しやわらかくなった昆布に、カスゴを一枚一枚並べて昆布で挟み、ラップで包んで冷蔵庫に入れます。
この時は、皮目も昆布にあてます。(皮目の美しさを重視するならば、皮目にはあてなくても可。)
⑧カスゴに昆布の香りが好みの程度ついたら完成です。
カスゴは、やや強めに昆布の香りを効かせても調和しますが、
度が過ぎると低調なすしに成り下がりますので、気をつけてください。
3.供し方
尾を外し(尾をつける場合は下記参照。マダイは必ず尾を外す)、
包丁で半身ずつに切り(腹ビレをとっていない場合でもこの時にとれる)、
形を整え、皮の硬さ ・ 味 ・ 見た目の美しさを考慮して、好みに応じ包丁を入れてください。
美しく鹿子状に包丁を入れるすし店も多いです。
私は、あまり包丁を入れない方が、カスゴの命ともいえる皮の美味しさが引き立つと思いましたので、
中央にスッと縦に1本包丁目を入れる程度でした。(これも一般的です。)
ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
※丸づけ(1匹で1カン)の場合は、尾をつけて握ると(尾が握りの片側の長辺に来るようにし、尾を立てる。)
とても美しいですが(ただし食べにくい)、
片身づけ(半身で1カン)の場合はさほど美しいとは思わないので、ほとんどの場合、尾を外して握りました。
すし店でも、片身づけの場合は尾を外すことも多いです。
片身づけで尾をつける場合は、両サイドの身に尾が付くように尾を切り、握りは尾が皮の方に少し折れた形に仕上げます。
伝統的な江戸前のすしネタ(タネ)ですが、イカの印籠詰め(印籠づけ)やキス(シロギス)と同じように、
一部の老舗とその出身者の店以外では、長いことあまり使われていませんでした。
最近は、若手・中堅の名店を中心に復活してきていて、カスゴの美味しさも広く知られるようになりました。
今や、東京のすしの名店のほとんどが、常ではなくともカスゴを出していると思います。
手間はかかるけれど仕入値が安いので利幅が大きく、何よりもお客に自信を持って出せる美味しさがあるからでしょう。
東京で昔から多く使われているのは、チダイの幼魚です。
皮と尾(尾をつけて握る場合もある)の色が良く、東京近海でよく獲れたからでしょう。
マダイの幼魚は、尾の縁が黒く、皮の色もあまり良くなく、酢に漬けると色がよけい悪くなるため、チダイほどには使われません。
使う場合、尾は必ず落とします。
キダイは、色はとても良いのですが、主産地が西日本の日本海側で(若狭湾は特に有名)、
なおかつ東京に出荷してもあまり高く売れないからでしょう、築地ではあまり見かけませんでした。
ですから、東京のすし店ではあまり使われません。
キダイの子を使っている東京のすし店のご主人に聞いてみたところ、築地では、マダイ・チダイ・キダイいずれも、
上質で最適サイズ(1匹で1カン又は半身で1カン)のカスゴの入荷が安定しないので、産地直送で仕入れているとのことでした。
マダイ・チダイ・キダイいずれの場合も、最適サイズが手に入らなければ、少し大き目のサイズでも美味しくできますので、
ぜひトライしてみてください。
1.仕入れ(築地場内)
カスゴは1年中漁獲されますが、春に一番多く出回ります。
産卵期がないため、魚の質は1年を通して比較的安定していますので、良いものをきちんと選別すれば1年中楽しめます。
築地場内ならば、コハダのようにあちらこちらにありそうなものですが、すしネタを扱う仲卸しでもカスゴを置かないところも多く、
上述の通り最適サイズで良いものは少なかったです。
復活してきたとはいえ、まだまだカスゴを使う店が少なく、築地に出荷しても高値がつかないせいなのか、
漁獲量が少なくなってしまったせいなのか分かりません。
ですから、あまり頻繁ではありませんでしたが、マダイかチダイの幼魚でこれは!と思うものを見つけた時に仕入れました。
鮮度・サイズ・色が良く、ウロコがびっしりとついていて、ふっくらとした上物の条件を全て満たしていたのは、
常磐産や外房産のチダイに多かったです。
2.仕込み
我が家では、半身で1カンになるサイズが好まれました。
カスゴらしく小ざっぱりとしていて、なおかつ味わい深いサイズだと思います。
東京の江戸前のすし店で出されるカスゴのすしには、次のようなものがあります。(他にもあり)
a. 塩と酢で締めたもの
b. 塩と酢で締め、おぼろを挟んだもの ← 伝統的な江戸前のすし。強めに締めることが多い。
c. 塩と酢で締め、更に昆布締めしたもの
d. 塩と酢で締め、甘酢に漬けた白板昆布で包んだもの
e. a~dのいずれかを極薄の千枚漬けで包み、更に甘酢に漬けた細長い昆布で帯したもの
f. 塩で締め、黄身おぼろ(甘酢とタマゴでつくったおぼろ)に漬けたもの
g. 塩で締めてから皮を湯引きし、ショウガとアサツキをのせたもの
h. 塩で締めてから皮を湯引きし、おろしたユズをふったもの
私が若い頃は、江戸前のカスゴのすしと云えば、aとbしか見たことも聞いたこともありませんでしたが、
塩と酢で軽く締めてから昆布締めして握ってみたところシャリとの相性も素晴らしく、
ちょっとした発見をしたような気になったものです。
江戸前のすしネタの中で、昆布との相性という点では、塩と酢で締めたカスゴはピカイチだと思います。
今はこのやり方が、カスゴを使う江戸前のすし店でかなり普及しています。
カスゴは皮の光がとびやすいので、扱いには充分に気をつけてください。
☆下処理 (右利きで説明)
江戸前のすしでは、カスゴはアジフライやキスの天ぷらのような形に開きます。
比較的簡単な開き方を紹介します。
①ボウルに塩と冷やした水を入れて海水程度の塩水をたっぷりと作り、
その中でカスゴの表面の汚れとヌメリをやさしく落とします。
②ウロコを取りやすくするため、別のボウルに同様の冷たい塩水(量は少なくて良い)を作り、カスゴを入れます。
③皮の光がとばぬよう、やさしく丁寧にウロコを取り、別のボウルに入れたたっぷりの冷やした塩水で洗った後、
キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
④胸ビレと頭を(店によっては腹ビレも)一緒に落とし、腹ワタを出し、別のボウルに入れたたっぷりの冷やした塩水の中で、
腹の内側を洗って、汚れ・血合いを除き、キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
⑤尾を手前に、背を右に置き、頭側から尾側に向けて背に切れ目を入れ、頭側から中骨に沿って包丁を入れて開き、
更に腹の皮ギリギリまで開きます。
⑥今度は開いた状態で、皮目を上、尾を向こう、中骨のついた側を右にして、尾側から頭側に向けて背に切れ目を入れ、
頭側の切れ目から尾側に向かって包丁を進めて身を外し、尾が身に付くよう中骨を尾の根本で切ります。
⑦開いた状態で、尾を手前、身を上にして、包丁で尻ビレを押さえ、身を持ち上げるようにして尻ビレを外します。
(腹ビレはネタに切り付ける時に外す)
⑧開いた状態で、皮目を下、尾を向こうにして、頭側の身の中央についている左右の腹骨をそれぞれ包丁で薄くすきとります。
※⑥で、尾側の切れ目から頭側に向かって中骨に沿って包丁を入れ、更に包丁を使いながら丁寧に身をはがしていけば、
腹ビレと尻ビレをきれいに取ることができます。(上級者向き)
【レシピ】
上記cを紹介します。
軽く締めて持ち味を活かしてください。
カスゴの大きさ・厚さ・脂のノリ等により、必要な塩と酢の時間は異なりますので、時間差をつけて処理してください。
(材料)
・開いたカスゴ(半身で1カンになるサイズ) 適量
・焼き塩(精製塩不可) 適量
・冷やした造りの良い米酢(軽く酸味がマイルドなもの) 適量
・上質の昆布 適量
※皮目にも昆布をあてる場合は、皮目の美しさを損なわないよう、色のつきにくい昆布で。
私は皮目にも昆布をあてたので、真昆布・利尻昆布・日高昆布のいずれかを使いました。
・煮切り酒 (造りの良い、ただし苦みを感じさせない純米酒を煮切ったもの) 適量
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
・冷やした水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
①長く塩に漬けるものから順に、カスゴの両面に塩をふり、皮を下にしてザルに並べ、下に皿を敷き、冷蔵庫に入れます。
塩の量は、この後の処理を経て、握って煮切り醤油(少なめにつける)をつけた時にちょうど良くなるよう加減してください。
このレシピでは、水洗い・酢洗い・酢漬けで塩分はさほど抜けず、昆布締めでは、昆布から若干の塩分が加わります。
ただし、塩の量が少なすぎると低調な仕上がりになりますので、気をつけてください。
②塩が馴染んだら、表面の塩を落とす程度にさっと水洗いして別のザルに上げて水を切り、
キッチンペーパーでやさしく水気をとります。
塩の時間は、20分~30分くらいを目安にしてください。
③小骨を骨抜きで抜きます。
④酢洗いします。(酢洗いは行わない店もあります。)
ボウルに酢とミネラルウォーターを同量程度入れ、
皮の光がとばないよう、カスゴの皮目を内側にして折り、
(尾をつけて握る場合は尾も内側に折り込む。
尾をつけて握らない場合は、2匹のカスゴの皮目を合わせて処理しても良い。以下同様。)
長く酢に漬けるものから順にシャブシャブと酢洗いし、
皮目を内側にしたまま手のひらに置き、もう一方の手のひらを乗せて酢を軽く絞り、
皮目を合わせたまま別のザルに上げ酢を切ります。
⑤酢に漬けます。
ボウルに酢を入れ、長く漬けるものから順に、皮目を内側に折り込んだまま漬けます。
酢の時間は、1分~1分30秒くらいを目安にしてください。
⑥皮目を内側にしたまま手のひらに置き、もう一方の手のひらを乗せて酢を軽く絞り、
皮目を内側にしたまま別のザルに上げ、下に皿を敷き、ラップして冷蔵庫に入れ、翌日までじっくりと酢を回します。
皿に酢がたまったら、除いてください。
また、酢の回りが均一になるよう、途中カスゴをひっくり返してください。
⑦翌日、供する何時間か前に昆布締めにします。
昆布を必要な大きさに切り、煮切り酒で拭き、ラップで包んでおきます。
⑧少しやわらかくなった昆布に、カスゴを一枚一枚並べて昆布で挟み、ラップで包んで冷蔵庫に入れます。
この時は、皮目も昆布にあてます。(皮目の美しさを重視するならば、皮目にはあてなくても可。)
⑧カスゴに昆布の香りが好みの程度ついたら完成です。
カスゴは、やや強めに昆布の香りを効かせても調和しますが、
度が過ぎると低調なすしに成り下がりますので、気をつけてください。
3.供し方
尾を外し(尾をつける場合は下記参照。マダイは必ず尾を外す)、
包丁で半身ずつに切り(腹ビレをとっていない場合でもこの時にとれる)、
形を整え、皮の硬さ ・ 味 ・ 見た目の美しさを考慮して、好みに応じ包丁を入れてください。
美しく鹿子状に包丁を入れるすし店も多いです。
私は、あまり包丁を入れない方が、カスゴの命ともいえる皮の美味しさが引き立つと思いましたので、
中央にスッと縦に1本包丁目を入れる程度でした。(これも一般的です。)
ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
※丸づけ(1匹で1カン)の場合は、尾をつけて握ると(尾が握りの片側の長辺に来るようにし、尾を立てる。)
とても美しいですが(ただし食べにくい)、
片身づけ(半身で1カン)の場合はさほど美しいとは思わないので、ほとんどの場合、尾を外して握りました。
すし店でも、片身づけの場合は尾を外すことも多いです。
片身づけで尾をつける場合は、両サイドの身に尾が付くように尾を切り、握りは尾が皮の方に少し折れた形に仕上げます。