タイ (マダイ, 真鯛) tai madai edomae
Jan 17, 2015 19:29:34 GMT 9
Post by 管理人 on Jan 17, 2015 19:29:34 GMT 9
江戸前のすしでタイといえば、カスゴ(マタイ・チダイ・キダイの幼魚)を思い浮かべる方も多いかと思いますが、
ここでは成魚のマダイについて書きます。
江戸前のすしの高級店が、上物の本マグロに命がけであるように、日本料理の高級店は上物のマダイに命がけです。
私が働いていた日本料理店は、食材のほとんどを産地直送で仕入れていましたが、
マダイは明石 ・ 鳴門 ・ 瀬戸内海各地の上物を使うことが多かったです。
(江戸前のすしにはしませんでした。江戸前のすしは一切提供していませんでしたから。)
マダイの旬は真冬から春先 (産卵期よりも前) あたりで、身がアメ色になっていれば最高です。
マダイは、江戸前のすしの白身としては、ヒラメの次に多く使われています。
私は、マダイを積極的に握りたいとは思わなかったのですが、
そのまま握るならば、ヒラメよりはマダイの方がシャリに合うと思います。
マダイには、シャリに負けない強さと甘味がありますから。
1.仕入(明石, 築地場内市場)
2キロ強くらいが理想のサイズですが、名産地の上物は数が少ないので、
1.8~3キロくらいと、少しサイズに幅を持たせての仕入れとしました。
◆明石
明石のマダイでつくった色々な料理を家族に食べさせたいと思ったので、
時々明石の仲卸しから上物を送っていただきました。
明石のマダイといっても実際の漁場は色々ですが、私がねらったのは、明石の根に付いたマダイです。
真冬だと、「1枚も揚がりませんでした。」ということも多かったですが。
他の魚介類もそうですが、値段のことを気にしていたら、名産地の上物なんて手に入りません。
特に明石のマダイについては、どこよりも高く買うということをはっきり伝え、
金額は相場の2倍・3倍を提示するくらいのことは必要だと思います。(実際は適正価格での取引でした。)
相手への尊敬と感謝の気持ちを忘れずに取引を重ねていけば、信頼関係は出来ていくと思います。
いつどんな状態で使いたいかを正確に伝えることも忘れずに。
それによって、先方の活け締めの時間や氷の使い方が変わりますので。
◆築地場内市場
マダイの相場は京阪神が最強ですから、築地には明石 ・ 鳴門の活けの上物の入荷はありませんでした。
瀬戸内海各地からも同様。
例外的に、明石の目の前の淡路島からは、良いものが入りました。
淡路島と築地は、マアジ等の取引で縁が深かったからかもしれません。
その他の各地からも、活けの上物が入荷されました。
私は子供の頃から、父と一緒にサバで有名な松輪(東京湾口)などでマダイを釣り、
近場の好漁場に根付いたマダイは、質がとても良いことを知っていました。
行きつけの仲卸しのご主人からのオススメもあったので、
主に富津(東京湾)、小坪(相模湾)、佐島(三浦半島)あたりの、希少な活けの上物を仕入れました。
それら近場の名産地の上物は、明石の上物と比べても、そうは負けていなかったと思います。
2.仕込みと供し方
◆仕事をしない場合
1.8~3キロくらいの活けの上物のマダイを、生でシンプルに美味しく食べるには、へぎ造りが一番だと思います。
他にも美味しく食べる方法はいくらでもあるので、自分から握ることはあまりありませんでしたが、
あえて握るならば、身が柔らかくなり、旨味 ・ 甘味が頂点に達した時点が良いと思います。
最初から握るつもりならば、高価な活けのマダイを仕入れるよりも、
野ジメのマダイの方が、すぐに使えるので良いと思います。
◆仕事をする場合
皮の柔らかい1.5キロくらいまでの小さなマダイならば、松皮造りにするといいと思います。
江戸前のすし店では、それを握ることが多いです。
大きめのマダイならば、あぶった皮の握りが良いと思います。
脂ののった腹の皮に少し身を付け、皮をあぶり、ワサビをつけて握り、
塩+カンキツ果汁、ポン酢、煮切り醤油などで食べるものです。
アサツキ ・ 紅葉おろし ・ ゴマなどが使われることもあります。
マダイの皮のあぶりの握りはトレンドのようで、
いくつかの江戸前のすし店で、そのバリエーションを含め、何度か食べたことがあります。
自分でも何度か試しましたが、シャリとの相性は良いと思います。
仕事をする場合も、握るならば、野ジメのマダイで良いと思います。
ここでは成魚のマダイについて書きます。
江戸前のすしの高級店が、上物の本マグロに命がけであるように、日本料理の高級店は上物のマダイに命がけです。
私が働いていた日本料理店は、食材のほとんどを産地直送で仕入れていましたが、
マダイは明石 ・ 鳴門 ・ 瀬戸内海各地の上物を使うことが多かったです。
(江戸前のすしにはしませんでした。江戸前のすしは一切提供していませんでしたから。)
マダイの旬は真冬から春先 (産卵期よりも前) あたりで、身がアメ色になっていれば最高です。
マダイは、江戸前のすしの白身としては、ヒラメの次に多く使われています。
私は、マダイを積極的に握りたいとは思わなかったのですが、
そのまま握るならば、ヒラメよりはマダイの方がシャリに合うと思います。
マダイには、シャリに負けない強さと甘味がありますから。
1.仕入(明石, 築地場内市場)
2キロ強くらいが理想のサイズですが、名産地の上物は数が少ないので、
1.8~3キロくらいと、少しサイズに幅を持たせての仕入れとしました。
◆明石
明石のマダイでつくった色々な料理を家族に食べさせたいと思ったので、
時々明石の仲卸しから上物を送っていただきました。
明石のマダイといっても実際の漁場は色々ですが、私がねらったのは、明石の根に付いたマダイです。
真冬だと、「1枚も揚がりませんでした。」ということも多かったですが。
他の魚介類もそうですが、値段のことを気にしていたら、名産地の上物なんて手に入りません。
特に明石のマダイについては、どこよりも高く買うということをはっきり伝え、
金額は相場の2倍・3倍を提示するくらいのことは必要だと思います。(実際は適正価格での取引でした。)
相手への尊敬と感謝の気持ちを忘れずに取引を重ねていけば、信頼関係は出来ていくと思います。
いつどんな状態で使いたいかを正確に伝えることも忘れずに。
それによって、先方の活け締めの時間や氷の使い方が変わりますので。
◆築地場内市場
マダイの相場は京阪神が最強ですから、築地には明石 ・ 鳴門の活けの上物の入荷はありませんでした。
瀬戸内海各地からも同様。
例外的に、明石の目の前の淡路島からは、良いものが入りました。
淡路島と築地は、マアジ等の取引で縁が深かったからかもしれません。
その他の各地からも、活けの上物が入荷されました。
私は子供の頃から、父と一緒にサバで有名な松輪(東京湾口)などでマダイを釣り、
近場の好漁場に根付いたマダイは、質がとても良いことを知っていました。
行きつけの仲卸しのご主人からのオススメもあったので、
主に富津(東京湾)、小坪(相模湾)、佐島(三浦半島)あたりの、希少な活けの上物を仕入れました。
それら近場の名産地の上物は、明石の上物と比べても、そうは負けていなかったと思います。
2.仕込みと供し方
◆仕事をしない場合
1.8~3キロくらいの活けの上物のマダイを、生でシンプルに美味しく食べるには、へぎ造りが一番だと思います。
他にも美味しく食べる方法はいくらでもあるので、自分から握ることはあまりありませんでしたが、
あえて握るならば、身が柔らかくなり、旨味 ・ 甘味が頂点に達した時点が良いと思います。
最初から握るつもりならば、高価な活けのマダイを仕入れるよりも、
野ジメのマダイの方が、すぐに使えるので良いと思います。
◆仕事をする場合
皮の柔らかい1.5キロくらいまでの小さなマダイならば、松皮造りにするといいと思います。
江戸前のすし店では、それを握ることが多いです。
大きめのマダイならば、あぶった皮の握りが良いと思います。
脂ののった腹の皮に少し身を付け、皮をあぶり、ワサビをつけて握り、
塩+カンキツ果汁、ポン酢、煮切り醤油などで食べるものです。
アサツキ ・ 紅葉おろし ・ ゴマなどが使われることもあります。
マダイの皮のあぶりの握りはトレンドのようで、
いくつかの江戸前のすし店で、そのバリエーションを含め、何度か食べたことがあります。
自分でも何度か試しましたが、シャリとの相性は良いと思います。
仕事をする場合も、握るならば、野ジメのマダイで良いと思います。