アナゴ (マアナゴ, 真穴子), レシピ recipe edomae anago
Dec 17, 2014 16:15:57 GMT 9
Post by 管理人 on Dec 17, 2014 16:15:57 GMT 9
江戸前のすしでは、通常真アナゴを煮て使います。
アナゴは、マグロ ・ コハダと並ぶ我が家の大の人気ネタ。
1年を通じてほとんど毎回使いました。
1.仕入れ (築地場内)
東京湾の羽田から金沢八景あたりが好漁場 (釣りをしていると時々アナゴが釣れました) で、
羽田産 ・ 野島産が江戸前の本場物として最も高く評価されていましたが、その上物は1年中美味しかったです。
当然、羽田産 ・ 野島産の上物だけを仕入れました。
旬で漁獲量の多い夏場は、たくさんの仲卸しが羽田 ・ 野島ならびにその近辺のアナゴを扱っていましたが、
1年を通じて扱っていた仲卸しはごくわずかでした。
仲卸しでは、産地別 ・ 大きさ別に網に入った状態で水槽に活かしているのですが、
仕入れの際は、指定した産地 ・ 大きさのアナゴを網から出し、
こちらが手早く選んだ体全体がズングリして金色がかった茶褐色のアナゴを包丁で活け締めし、
(のどから腹にかけての部分だけズングリしているのは、筒漁で使われたエサ。)
血抜き用の水と共にビニール袋に入れて手渡してくださいました。
東京のすしの名店が使う江戸前の本場物の大きさは、1本あたり80~130gくらいの間で、
サイズが大きな物ほど脂が強くなります。
あまり大きすぎると、脂はさらに強く大味で、小骨が少し目立つようになります。
すし店がどのようなアナゴのすしを提供したいかで、使うサイズが決まるわけです。
私は、1本あたり120gぐらいのアナゴを仕入れました。
築地に入荷されるアナゴで他に高く評価されていたのは、常磐産、松島産、伊勢産などでした。
2.仕込み
私の煮方はオーソドックスです。
ただし、細部と調味料には強くこだわりました。
調味料にお金をかけている店は、名店を含めあまりないと思います。
安価な調味料でも美味しく出来上がりますし、経営上そこまでの余裕はないのだと思います。
ですが、私は選び抜いた造りの良い調味料を使いました。
理由は簡単、更にいっそう美味しくなるからです。
毎回、1本120gぐらいのアナゴを10本くらい仕入れ、当日と翌日の分(料理人時代を除きすしは2日連続)を一度に煮ました。
食欲旺盛な子供達が狂ったように食べるので、足りないくらいでした。
◆ 下処理
・アナゴの中骨は柔らかく、形は三角形です。身に中骨を残さないよう気を付けてください。
・握った時の見栄えに影響しますので、美しく開いてください。
・包丁で身を傷つけるようなことはしないでください。開いたアナゴを水洗いする時に、味を落とす原因になります。
①アナゴを水洗いして汚れを落とし、ザルに上げ、水気をふき取ります。
②アナゴの背を手前にして長い木のまな板にのせ、胸ビレのあたり又は頭部に目打ちで固定します。
固定の仕方で、この後の仕事のやり易さが決まります。
③胸ビレより少し尾側の背に包丁で切れ目を入れ、そこを起点に尾に向かって中骨の三角形の一辺を滑らせるように
背開きします。(中骨を身に残さないように。)
④臓物の頭側の端を包丁で切り、手で取り除きます。
⑤頭の近くで中骨を切断し、そこから中骨の下に刃を入れ、尾に向けて包丁を進め中骨を外します。
(中骨を身に残さないように。中骨は尾につけておく。)
⑥身を傷つけぬよう気を付けて、血のついた筋などを骨抜きで全て取り除きます。
⑦背ビレを尾の方から切り取ります。(中骨のついた尾を引っ張りながら)
⑧臓物のあった腹の膜の部分のヌメリを、身を傷つけぬようスプーンで取り除きます。
(腹にエサの匂いがついている場合は特に念入りに。身全体に包丁の刃を当ててゴシゴシ汚れを取り除く職人がいますが、
身を傷つけるのでオススメできません。)
⑨胸ビレの少し尾側を包丁で切り、頭と身を切り離します。
⑩開いたアナゴの身を合わせるように折り、腹ビレを手前にして切り取ります。(腹ビレの端を引っ張りながら)
⑪割いたアナゴをボールに入れ、ヌメリを落とすため水を替えながら流水で手早く水洗いし、皮を上にしてザルに上げます。
⑫水が切れたら布巾で軽く押さえながら、アナゴに残っている水分を取り除きます。
⑬乾燥しないよう容器に入れてラップをかけ、煮る前まで冷蔵庫で保管します。
(活けの身質を維持するため、低すぎない温度で。)
※皮のヌメリを取り除くということで、以下の方法がよく行われます。
a. アナゴを開く前に塩でよくもんで水洗いする。
b. アナゴを開いてから塩でよくもんで水洗いする。
c. アナゴを開いてから、皮を湯引きし、水で冷やした後に浮いてきたヌメリを取り除く。
d. アナゴを開いてから、皮を包丁でしごき水洗いする。(活けのアナゴではほとんど取れない)
e. アナゴを開いてから、水洗いする。(活けのアナゴではほとんど取れない)
dとeが多く行われている方法だと思います。
私は、eということになりますが、水で身の味を落とさないよう手早く行います。
しつこく水洗いを繰り返しても、活けのアナゴの場合ヌメリはほとんど取れません。
表面のヌメリを取るというイメージで。
ヌメリを完全に取り除きたければcが一番です。
cの方法でヌメリを完全に取り除いてから煮たこともありますが、味わいに物足りなさを感じました。
活けのアナゴで臭みが出るかどうかは、煮方次第だと思います。
◆ 煮方
・煮上げてから少し冷めたくらいのアナゴの握りの美味しさは格別です。
すしを供する時間を逆算して、アナゴを煮る時間帯を決めてください。
・煮汁に含まれるアナゴのエキスの量と、新たに煮るアナゴの量を考えて、煮汁の量を決めてください。
少ないアナゴを、エキスの薄い多量の煮汁で煮ても美味しくなりません。
【 レシピ 】
・下処理済みのアナゴ(量は多い方が良い)
・冷凍庫で保存していた前回の煮汁 (すし店並みに多量のアナゴを煮る場合は無しでも可。その場合、ミリンは多めに。)
※アナゴの煮汁がない場合又はアナゴのエキスが薄い煮汁の場合は、以下のいずれかを使用してください。
ただし、使わなくて済むよう、毎回多めのアナゴを煮ることをオススメします。
a. 焼いたアナゴの頭と骨(血合いなどを取り除き洗ったもの。ある程度の量が必要。)を煮切った純米酒で煮た汁
b. 水から煮たハマグリの汁
c. カツオ節のダシ汁(オススメではありません)
・造りの良いコクのある純本ミリン (ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・造りの良いコクのある純米酒 (ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・造りの良い濃口醤油 (香りは控えめで色の明るいもの) 適量
・白ザラメ(又は砂糖) 適量
・ミネラルウォーター(軟水) 適量
①鍋に純本ミリンと純米酒を入れ、煮切ってアルコール分をとばす。
②別の鍋にアナゴの煮汁、煮切った純本ミリンと純米酒、白ザラメ、濃口醤油を入れ火にかける。
(アナゴのエキスが薄い煮汁の場合はミリンを多めに)
③白ザラメが溶けたら味をチェック。 好みの味に修正したら、ミネラルウォーターで薄め沸騰させる。
(食べる時にはツメをつけることを考慮し、白ザラメと濃口醤油は控えめに。
甘味と塩分が強いと、煮汁で作るツメの味も濃くなってしまう。)
④アナゴの水気を布巾で軽く押さえながら拭き取った後、皮を下にして入れ、落としぶたをする。
⑤再度沸騰したらアクを取り、中火で軽く沸騰する状態を維持する。アクはマメに取る。
⑥20~25分煮たら火を止め、トロトロに柔らかくなったアナゴを崩さないよう器に取り出す。
(トロトロにしたくなければ、早めに取り出す。)
⑦アナゴが乾かないよう、冷たくならないよう、ラップをしておく。(熱がとれたあたりが一番の使い時)
⑧煮汁は濾してから冷まし、容器に密封して冷凍庫で保存する。
◆ ツメ (煮ツメ) の作り方
・アナゴを煮た後に作り始めたのでは、アナゴが冷たくなってしまいますので、予め作っておいてください。
・私は、アナゴの煮汁から作ったツメを他の煮物のネタ(タネ)に流用することを嫌いましたので、
アナゴの風味を消したツメではなく、アナゴらしいツメを作ることを心がけました。
アナゴの風味を消して他のネタに流用するならば、煮汁に多量の水と調味料を加えて煮詰めてください。
①冷凍庫で保存していた前回の煮汁(濾してある)を適量鍋に入れ火にかける。
(私はアナゴを煮て、すしを供した後に作ることが多かったです。)
②煮汁がゼラチン状から液体に変わったら味をチェックし、好みの味に修正し、まめにアクをとりながら煮詰めていく。
(煮詰まると、甘味も塩気も強くなることを前提に。)
※アナゴのエキスが薄い煮汁、ミリンをあまり入れていない煮汁の場合は、煮切った純本ミリンを入れてください。
③煮汁が減ってきたら、焦がさぬよう木べらでかき混ぜながら弱火で煮続け、好みのトロミがついたら完成。
(甘味又は塩分の強いツメにならないよう注意。塩分が強すぎる場合は、煮切った純本ミリンで調整。)
④冷めたら、容器に密封して冷凍庫で保存する。(使う時は使う分だけ取り出し、常温にする。)
3.供し方
1日目は煮上がって間もないものを、2日目は冷蔵庫に入れていた煮アナゴを使いました。
供し方はオーソドックスですが、色々な味わいを楽しみました。
アナゴには、強めのシャリが合います。
①煮上がりのアナゴ
適度に冷めてから身表にして握り、ツメをつけて供します。
(頭側の身は、皮表にする方が一般的。)
時には、おろしたゆずの皮をネタとシャリの間にはさんだり (シャリにゆずの皮をつけて握る)、
アナゴに直接振りかけたりもしました。
②2日目の煮アナゴ
a. 握り
頭側の身の皮目を香ばしくあぶり、柔らかくなったものを皮表にして握り、ツメをつけて供します。
あぶったアナゴの握りをコケにする評論家がいますが、煮上がりとは異なる美味しさを理解できないのでしょうか。
あぶったアナゴはすぐに硬くなるので注意してください。
b. 巻き物
アナゴを皿に入れ、沸騰した蒸し器で1分程度温めて柔らかくなったものを使用。(主に尾側の身を使用)
炭火であぶった海苔とシャリで巻き物に。
具はアナゴだけ、又はアナゴときゅうり。
巻き簾で巻き、ツメをつけて供します。
アナゴは、マグロ ・ コハダと並ぶ我が家の大の人気ネタ。
1年を通じてほとんど毎回使いました。
1.仕入れ (築地場内)
東京湾の羽田から金沢八景あたりが好漁場 (釣りをしていると時々アナゴが釣れました) で、
羽田産 ・ 野島産が江戸前の本場物として最も高く評価されていましたが、その上物は1年中美味しかったです。
当然、羽田産 ・ 野島産の上物だけを仕入れました。
旬で漁獲量の多い夏場は、たくさんの仲卸しが羽田 ・ 野島ならびにその近辺のアナゴを扱っていましたが、
1年を通じて扱っていた仲卸しはごくわずかでした。
仲卸しでは、産地別 ・ 大きさ別に網に入った状態で水槽に活かしているのですが、
仕入れの際は、指定した産地 ・ 大きさのアナゴを網から出し、
こちらが手早く選んだ体全体がズングリして金色がかった茶褐色のアナゴを包丁で活け締めし、
(のどから腹にかけての部分だけズングリしているのは、筒漁で使われたエサ。)
血抜き用の水と共にビニール袋に入れて手渡してくださいました。
東京のすしの名店が使う江戸前の本場物の大きさは、1本あたり80~130gくらいの間で、
サイズが大きな物ほど脂が強くなります。
あまり大きすぎると、脂はさらに強く大味で、小骨が少し目立つようになります。
すし店がどのようなアナゴのすしを提供したいかで、使うサイズが決まるわけです。
私は、1本あたり120gぐらいのアナゴを仕入れました。
築地に入荷されるアナゴで他に高く評価されていたのは、常磐産、松島産、伊勢産などでした。
2.仕込み
私の煮方はオーソドックスです。
ただし、細部と調味料には強くこだわりました。
調味料にお金をかけている店は、名店を含めあまりないと思います。
安価な調味料でも美味しく出来上がりますし、経営上そこまでの余裕はないのだと思います。
ですが、私は選び抜いた造りの良い調味料を使いました。
理由は簡単、更にいっそう美味しくなるからです。
毎回、1本120gぐらいのアナゴを10本くらい仕入れ、当日と翌日の分(料理人時代を除きすしは2日連続)を一度に煮ました。
食欲旺盛な子供達が狂ったように食べるので、足りないくらいでした。
◆ 下処理
・アナゴの中骨は柔らかく、形は三角形です。身に中骨を残さないよう気を付けてください。
・握った時の見栄えに影響しますので、美しく開いてください。
・包丁で身を傷つけるようなことはしないでください。開いたアナゴを水洗いする時に、味を落とす原因になります。
①アナゴを水洗いして汚れを落とし、ザルに上げ、水気をふき取ります。
②アナゴの背を手前にして長い木のまな板にのせ、胸ビレのあたり又は頭部に目打ちで固定します。
固定の仕方で、この後の仕事のやり易さが決まります。
③胸ビレより少し尾側の背に包丁で切れ目を入れ、そこを起点に尾に向かって中骨の三角形の一辺を滑らせるように
背開きします。(中骨を身に残さないように。)
④臓物の頭側の端を包丁で切り、手で取り除きます。
⑤頭の近くで中骨を切断し、そこから中骨の下に刃を入れ、尾に向けて包丁を進め中骨を外します。
(中骨を身に残さないように。中骨は尾につけておく。)
⑥身を傷つけぬよう気を付けて、血のついた筋などを骨抜きで全て取り除きます。
⑦背ビレを尾の方から切り取ります。(中骨のついた尾を引っ張りながら)
⑧臓物のあった腹の膜の部分のヌメリを、身を傷つけぬようスプーンで取り除きます。
(腹にエサの匂いがついている場合は特に念入りに。身全体に包丁の刃を当ててゴシゴシ汚れを取り除く職人がいますが、
身を傷つけるのでオススメできません。)
⑨胸ビレの少し尾側を包丁で切り、頭と身を切り離します。
⑩開いたアナゴの身を合わせるように折り、腹ビレを手前にして切り取ります。(腹ビレの端を引っ張りながら)
⑪割いたアナゴをボールに入れ、ヌメリを落とすため水を替えながら流水で手早く水洗いし、皮を上にしてザルに上げます。
⑫水が切れたら布巾で軽く押さえながら、アナゴに残っている水分を取り除きます。
⑬乾燥しないよう容器に入れてラップをかけ、煮る前まで冷蔵庫で保管します。
(活けの身質を維持するため、低すぎない温度で。)
※皮のヌメリを取り除くということで、以下の方法がよく行われます。
a. アナゴを開く前に塩でよくもんで水洗いする。
b. アナゴを開いてから塩でよくもんで水洗いする。
c. アナゴを開いてから、皮を湯引きし、水で冷やした後に浮いてきたヌメリを取り除く。
d. アナゴを開いてから、皮を包丁でしごき水洗いする。(活けのアナゴではほとんど取れない)
e. アナゴを開いてから、水洗いする。(活けのアナゴではほとんど取れない)
dとeが多く行われている方法だと思います。
私は、eということになりますが、水で身の味を落とさないよう手早く行います。
しつこく水洗いを繰り返しても、活けのアナゴの場合ヌメリはほとんど取れません。
表面のヌメリを取るというイメージで。
ヌメリを完全に取り除きたければcが一番です。
cの方法でヌメリを完全に取り除いてから煮たこともありますが、味わいに物足りなさを感じました。
活けのアナゴで臭みが出るかどうかは、煮方次第だと思います。
◆ 煮方
・煮上げてから少し冷めたくらいのアナゴの握りの美味しさは格別です。
すしを供する時間を逆算して、アナゴを煮る時間帯を決めてください。
・煮汁に含まれるアナゴのエキスの量と、新たに煮るアナゴの量を考えて、煮汁の量を決めてください。
少ないアナゴを、エキスの薄い多量の煮汁で煮ても美味しくなりません。
【 レシピ 】
・下処理済みのアナゴ(量は多い方が良い)
・冷凍庫で保存していた前回の煮汁 (すし店並みに多量のアナゴを煮る場合は無しでも可。その場合、ミリンは多めに。)
※アナゴの煮汁がない場合又はアナゴのエキスが薄い煮汁の場合は、以下のいずれかを使用してください。
ただし、使わなくて済むよう、毎回多めのアナゴを煮ることをオススメします。
a. 焼いたアナゴの頭と骨(血合いなどを取り除き洗ったもの。ある程度の量が必要。)を煮切った純米酒で煮た汁
b. 水から煮たハマグリの汁
c. カツオ節のダシ汁(オススメではありません)
・造りの良いコクのある純本ミリン (ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・造りの良いコクのある純米酒 (ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・造りの良い濃口醤油 (香りは控えめで色の明るいもの) 適量
・白ザラメ(又は砂糖) 適量
・ミネラルウォーター(軟水) 適量
①鍋に純本ミリンと純米酒を入れ、煮切ってアルコール分をとばす。
②別の鍋にアナゴの煮汁、煮切った純本ミリンと純米酒、白ザラメ、濃口醤油を入れ火にかける。
(アナゴのエキスが薄い煮汁の場合はミリンを多めに)
③白ザラメが溶けたら味をチェック。 好みの味に修正したら、ミネラルウォーターで薄め沸騰させる。
(食べる時にはツメをつけることを考慮し、白ザラメと濃口醤油は控えめに。
甘味と塩分が強いと、煮汁で作るツメの味も濃くなってしまう。)
④アナゴの水気を布巾で軽く押さえながら拭き取った後、皮を下にして入れ、落としぶたをする。
⑤再度沸騰したらアクを取り、中火で軽く沸騰する状態を維持する。アクはマメに取る。
⑥20~25分煮たら火を止め、トロトロに柔らかくなったアナゴを崩さないよう器に取り出す。
(トロトロにしたくなければ、早めに取り出す。)
⑦アナゴが乾かないよう、冷たくならないよう、ラップをしておく。(熱がとれたあたりが一番の使い時)
⑧煮汁は濾してから冷まし、容器に密封して冷凍庫で保存する。
◆ ツメ (煮ツメ) の作り方
・アナゴを煮た後に作り始めたのでは、アナゴが冷たくなってしまいますので、予め作っておいてください。
・私は、アナゴの煮汁から作ったツメを他の煮物のネタ(タネ)に流用することを嫌いましたので、
アナゴの風味を消したツメではなく、アナゴらしいツメを作ることを心がけました。
アナゴの風味を消して他のネタに流用するならば、煮汁に多量の水と調味料を加えて煮詰めてください。
①冷凍庫で保存していた前回の煮汁(濾してある)を適量鍋に入れ火にかける。
(私はアナゴを煮て、すしを供した後に作ることが多かったです。)
②煮汁がゼラチン状から液体に変わったら味をチェックし、好みの味に修正し、まめにアクをとりながら煮詰めていく。
(煮詰まると、甘味も塩気も強くなることを前提に。)
※アナゴのエキスが薄い煮汁、ミリンをあまり入れていない煮汁の場合は、煮切った純本ミリンを入れてください。
③煮汁が減ってきたら、焦がさぬよう木べらでかき混ぜながら弱火で煮続け、好みのトロミがついたら完成。
(甘味又は塩分の強いツメにならないよう注意。塩分が強すぎる場合は、煮切った純本ミリンで調整。)
④冷めたら、容器に密封して冷凍庫で保存する。(使う時は使う分だけ取り出し、常温にする。)
3.供し方
1日目は煮上がって間もないものを、2日目は冷蔵庫に入れていた煮アナゴを使いました。
供し方はオーソドックスですが、色々な味わいを楽しみました。
アナゴには、強めのシャリが合います。
①煮上がりのアナゴ
適度に冷めてから身表にして握り、ツメをつけて供します。
(頭側の身は、皮表にする方が一般的。)
時には、おろしたゆずの皮をネタとシャリの間にはさんだり (シャリにゆずの皮をつけて握る)、
アナゴに直接振りかけたりもしました。
②2日目の煮アナゴ
a. 握り
頭側の身の皮目を香ばしくあぶり、柔らかくなったものを皮表にして握り、ツメをつけて供します。
あぶったアナゴの握りをコケにする評論家がいますが、煮上がりとは異なる美味しさを理解できないのでしょうか。
あぶったアナゴはすぐに硬くなるので注意してください。
b. 巻き物
アナゴを皿に入れ、沸騰した蒸し器で1分程度温めて柔らかくなったものを使用。(主に尾側の身を使用)
炭火であぶった海苔とシャリで巻き物に。
具はアナゴだけ、又はアナゴときゅうり。
巻き簾で巻き、ツメをつけて供します。