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Post by 管理人 on Jul 4, 2015 14:19:57 GMT 9
アジ科の魚カイワリは、一般的には知名度が低いですが、釣り人の間ではその美味と共に良く知られています。
料理人の間では、ヒラアジと呼ぶことも多いです。
ただし、地域によっては、ヒラアジは別の種類のアジを指します。
子供の頃から、父と東京湾口や外海で釣りをしている時に、外道(狙った魚以外)でよく釣れました。
釣れるのは小さなものがほとんどなのですが、たまに大きなサイズが釣れた時には、思わずガッツポーズが出ました。
大型のカイワリは、とても美味しいからです。
もしも 「青もの」 という分類項目を設けなければ、「白身」 に分類しておけばいいのですが、
このサイトでは 「青もの」 を分類項目の一つとしており、
持ち味がシマアジに近いので、とりあえず 「白身」 ではなく 「青もの」 に分類しておきました。
でも、少し違和感があります(笑)
江戸前のすしの定番ネタ(タネ)ではなく、すし店では見たことも食べたこともありませんが、
江戸前のすしに合うので紹介させていただきます。
1.仕入れ(築地場内) 築地では、探してもなかなか見つからない魚です。
築地通いを始めてから最初に迎えた初夏、産地で活け締めした天然のシマアジを必死に探していた時に、
!!! という感じで、ふと目に入ったのがカイワリ。
何の魚だったか忘れましたが、他の魚の入っている発泡スチロール箱に、
1キロ近い、いい感じのカイワリがチョコンと1枚だけ置いてありました。
「わぁ~、カイワリ大好きなんです~! 珍しいですね!」
と仲卸しの方に言うと、
「たまたま、カイワリが混ざって獲れたみたいですね!」
とのこと。
とても安い値段だったので、そんな値段でいいのかと聞くと、
「このサイズになると旨いんですけどね~。でも築地じゃこんなもんですよ…」
ということで、同じ発泡スチロール箱に入っていた別の魚のキロ単価での売買となりました。
後で、領収書を見てみると、「カイワレ」 と書いてありました(笑)
築地場内では、仲卸しの販売担当者が、魚介類の名前 ・ キロ当たり単価 ・ 重量を言い、
帳場(会計する所)の担当者がそれを聞き取って請求・領収書を書くのですが、
その帳場のベテランらしき女性もカイワリを知らなかったのでしょう。
築地には、あまり入荷しない魚なのです。
産地としては、あまりまとまって獲れない魚を、わざわざ高値のつかない市場に送ろうとは思わないのでしょう。
築地通いをしている間、同じくらいの大きさのカイワリを仕入れたことがもう1回だけありました。
それ以外には、築地でカイワリを目にすることはありませんでした。
カイワリは、産地や産地近くの集散地の方が手に入りやすいと思います。
あまり大きくなる魚ではなく、1キロあればかなり大きい方で、大きなものほど味がいいです。
大きなものを見つけたら、ぜひ試してみてください。
旬は夏です。
2.仕込みと供し方
カイワリは、尾のあたりにシマアジやマアジと同じく、ゼイゴ(ギザギザの部分)があります。
身を傷つけないよう、尾の方から包丁を前後に動かしながら切り取り、包丁でコケを引いてから3枚におろし、
腹骨をすき取ってから、背側と腹側に切り分け、
身表面にヒカリがしっかりと残るよう、包丁で薄皮をギリギリに引いてから使います。
ネタに切りつけてからワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
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