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Post by 管理人 on Jun 20, 2015 15:37:42 GMT 9
カンパチは、シマアジに次ぐ青ものの高級魚。
養殖が盛んで、スーパー等でもよく見かけますが、
天然物は小さなものを除き、一般にはほとんど流通しない希少な魚です。
モッチリ・ネットリしていて少し硬めの身質は、よく羊羹(ようかん)に例えられます。
東京のすし店でもよく使われますが、上物を使うすし店は限られます。
カンパチ ・ ヒラマサ ・ ブリは外見が似ていますが、見慣れればすぐに違いが分かるでしょう。
当然味わいにも明確な違いがあります。
でも、日本の食の評論家には、
カンパチ ・ ヒラマサ ・ イナダ(ブリの若魚)の味の違いさえ分からないようなレベルの人達が多いように感じます。
当然、彼らには淡白な白身魚の食べ分けも出来ないでしょうし、
他の食材や料理の味も香りもきちんと理解できないでしょう。
実際、彼らからはプロフェッショナルらしきものを感じたことがありません。
素人同然の単なる能書き、宣伝、賞賛、バッシングに終始しています。
日本には素晴らしい食材があり、優れた料理人がたくさんいる反面、
食の評論家のレベルは、あまりにも低すぎると思います。
食の評論家に、魚の食べ分けをさせるテレビ番組があれば視てみたいと思います(笑)
もっとも、メジャーな評論家は、恐れて出演しないでしょうが。1.仕入れ九州・四国方面を中心に夏に多く漁獲され、一般的には夏が旬とされます。
名産地は房総半島(千葉)周辺で、このあたりでは特に秋に質の良いものが漁獲されます。
冬になると漁獲が激減し、ほとんど見かけなくなりますが、冬のカンパチにもとても美味しいものがあります。
最も評価の高いサイズは3キロくらい。
4キロくらいまでが高く評価されるサイズです。
あまり大きいと大味になり、小さいと風味に欠け、評価は低くなります。
若い頃は、関東でショッコ(汐子)と呼ばれる、漁獲量がそこそこあり、
キロ当たりの単価の安い小さなサイズを仕入れました。
客数の少ないすし店も、大きなサイズだと使い切れないため、ショッコを使うことが多いです。
ショッコでも、羊羹のような独特の身質で悪くはないのですが、脂がそこそこあっても味 ・ 香りが薄いため、
すしにすると、上物のカンパチの握りと比べ、物足りなさを感じてしまいます。
ショッコの場合は、下手に仕事をしてシャリに合わせるよりも、刺身で食べた方がいいと思います。
上物サイズのカンパチは、築地通いをする以前、上物を扱う地元の鮮魚店で仕入れていました。
その鮮魚店では、房総半島周辺で漁獲された上物を、比較的頻繁に扱っていたので、
食べ頃のものがあった時に、背側の欲しい部分を少量切っていただきました。
上物サイズを1本仕入れても使いきれない小規模のすし店・料理店の方々も、
その鮮魚店でカンパチを少量仕入れていました。
上物サイズは大きく、持て余してしまうので、少量での販売のない築地場内で仕入れることはありませんでした。 2.供し方どちらかというと、刺身で食べることが多かったですが、もちろん握っても美味しいです。
カンパチは、食べ頃になっても身が少し硬めなので、すしにする場合はやや薄めに切りつけるか、
切りつけた後に包丁目を入れるかして硬さを緩和し、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
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