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Post by 管理人 on Apr 18, 2015 16:17:22 GMT 9
イサキは、江戸前のすしの定番ではありませんが、近年は割とよく使われています。
若い頃、東京湾口や房総沖で、父と一緒にたくさん釣った魚でもあります。
イサキは用途が広く、フランス料理店やイタリア料理店でもよく使われます。
我が家でも、色々なイサキ料理を作りますが、大型のものは生で使うのが一番です。
大型のイサキは、シャリに負けないしっかりした味があるので、すしの日には握りにもしました。
1.仕入れ(築地場内)
個人的にとても好きな魚なので、築地通いをする前からよく仕入れていました。
小さくてもそれなりの美味しさはありますが、大型のイサキは別格です。
当然、キロあたりの単価もグッと高くなります。
1キロを超えたあたりからいい感じになってきますが、私が主に使ったのは1.5~2キロくらいのものです。
夏場の産卵期の前、「梅雨イサキ」と云われる通り、関東では6月の梅雨時あたりが旬の最盛期ですが、
冬は冬で「寒イサキ」と称され、数は少ないながら、
五島列島 (ブランド化された「値賀咲(ちかさき)」は有名) や仙崎 (山口)など各地から、ポツポツと上物の入荷があり、
真冬から初夏にかけて長い期間使えました。
築地場内では、さほど熱心にイサキを追いかけることはありませんでしたが、初夏には何度か仕入れました。
すしや日本料理の定番の魚ではないためか、行きつけの仲卸しではイサキを扱っていませんでしたが、
初夏には、あちらこちらの仲卸しでイサキが扱われ、
中でもサバやアジで有名な某産地の釣りのイサキはブランド化されていて、
その活け物ならびに産地で神経抜きされたものは注目度も高く、一級品扱いされていました。
私もご多分にもれず、その産地で神経抜きされたイサキを仕入れたことがありますが、
思いきりはずしてしまいました T△T 産地の生け簀で何日も泳がせた後に、活け締め ・ 神経抜きしたものだったのでしょう、
寝かせても味が極端に薄く、使いものになりませんでした。
私も見抜けませんでしたが、そのイサキを扱っていた仲卸しも見抜けなかったわけです。
出荷調整を見抜くのは難しいです。本当にやめて欲しいと思いますヽ(`Д´)ノ
イサキは、白身魚の中では足が早い方です。
また、魚自体が新しくても、漁獲時や流通過程での処理が悪いと、
身がやたらと柔らかくなったり、血合いの色が悪くなったりします。
この点は、充分に気をつけて選んでください。
イサキの足の早さや、身の柔らかさを嫌う料理人には、活け物が好まれます。
イサキは、一般に高級魚とされる魚ではありませんが、
夏場は白身の高級魚の多くが劣化するため、活けの上物はかなりいい値段になります。
私も、試しに活けの上物を仕入れたことがあります。
悪くはないのですが、イサキにコリコリの食感を求めない私には、
寝かせても産地で締めたものほどには味が出てこない活けのイサキは向かないと思いました。
オススメは、産地で活け締め・血抜きされたものを仕入れることです。
出荷調整されていなければ活け物よりも味が濃く、また身もしっかりしているので、柔らかすぎるということもありません。
2.供し方
3枚におろし、背と腹を切り分け、背の身を使いました。
血抜きされた上物は、皮を引いて切り付けるとマダイのように美しく、脂のノリも良く、甘味もたっぷりです。
すしにする場合は、ワサビをやや多めにして握り、煮切り醤油をつけて供します。
湯引きしたり炙ったりして、皮ごと握る店もあります。
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