イカの印籠詰め (印籠づけ), レシピ ikanoinrouzume recipe edomae
Mar 7, 2015 15:31:05 GMT 9
Post by 管理人 on Mar 7, 2015 15:31:05 GMT 9
イカの印籠詰め(印籠づけ)は、ヤリイカやスルメイカを煮て、具を混ぜたシャリを詰めたもので、
伝統的な江戸前のすしです。
戦前はどこの店でも出していたそうですが、私が若い頃は一部の老舗とその出身者の店以外では、
見かけることがありませんでした。
最近は若手・中堅の名店を中心に復活してきたようで、好ましいことだと思います。
昔から我が家では、春先に出回る小さな子持ちヤリイカは、夕飯のおかずの定番です。
色々な料理で食べますが、私が子供の頃から食べてきたのは、印籠詰めと同じ味付けで煮たものです。
また、スルメイカも同じ味付けで煮て食べることがよくありました。
つまり、我が家ではイカの印籠詰めを作ってもインパクトに欠け、日常性を感じてしまうことになるわけで、
あまり作りませんでしたが、江戸前のすしとしての完成度が高く、とても美味しいと思いますので紹介させていただきます。
1.仕入れ
小ぶりのヤリイカやスルメイカで作るのが一般的で、他のイカで作ったものは食べたことがないのですが、
小ぶりのケンサキイカやヒイカ(ジンドウイカ)などでも、美味しく出来るのではないかと思います。
ヤリイカならば、卵を持つ前の小さなもの(小ヤリイカ)、
スルメイカならば、春から初夏に出回る「麦イカ」と呼ばれる小さなサイズが最適です。
個人的には小ヤリイカで作ったものが好きです。
すし店でも小ヤリイカの方が多く使われていると思います。
いずれの場合も火の通しは軽い方が美味しいので、鮮度の良いものを選んでください。
2.仕込み
卵の量が少なければ、シャリが入りますので、子持ちヤリイカでも印籠詰めに出来ます。
その場合、少し大きめのヤリイカの方が作りやすいでしょう。
卵を取り除いてしまえば問題なく印籠詰めに出来、そうしているすし店もありますが、ちょっともったいない気がします。
卵がたくさん入った子持ちヤリイカですしにする場合は、煮た後にそのまま又は縦長に切って握ると良いと思います。
(握りにくければ、カンピョウで巻くと良いでしょう)
子持ちではない小ヤリイカの場合で説明します。ヤリイカ以外で作る場合も、下記に準じてください。
【レシピ】
食べる直前に作ります。
すし店では作り置きしているところが多く、作り置きした方が味が馴染んで美味しいという説もありますが、
食べ比べてみて、作り立ての方が断然美味しいと思いましたので、食べる直前に作りました。
他のネタ(タネ)も食べる直前の処理が多いので、私と助手の妻(笑)は大忙しでした。
ちなみに、今をときめく若手・中堅の名店でも、作り立てかそれに近いものが出てくることが多かったです。
シャリに混ぜる具は、
カンピョウ ・ シイタケ(干しシイタケをもどして煮たもの)・ 海苔 ・ おぼろ ・ ゴマ(切りゴマが多い)・ ガリなどが定番ですが、
ミツバ ・ ワサビの茎の塩漬け ・ カラシナなど青菜の塩漬け ・ タクアンなどが使われることもあります。
何を使うかは、すし店によってマチマチです。(カンピョウは大抵使われます)
また、シャリに何も混ぜない店もあります。
私は、必ずシャリに具を混ぜましたが、何を使うかはその時の気分次第でした。
(材料)
・15センチくらいまでの小ヤリイカ(子なし) 適量
・造りの良い純米酒 (ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・造りの良いコクのある純本ミリン (ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・白ザラメ(又は砂糖) 適量
・造りの良い濃口醤油 (香りは控えめで色の明るいもの) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・塩(精製塩不可)
・シャリ 適量
・シャリに混ぜる好みの具 適量
①鍋にたっぷりの水を入れ、火にかけます。
②ヤリイカの胴に指を入れ、ワタと胴をつなげている筋(背側)を外します。
③胴を押さえ、目のあたりを持って足(腕)側をそっと引っ張り、ワタを出します。
④胴の中にある軟骨を抜き取ります。
⑤胴の中がスミで汚れていなければ、キッチンペーパーで(菜箸を使うなどして)、胴の中をきれいにします。
(卵が入っていたら、卵は残してください。)
スミで汚れていたら胴の中を水洗いし、水切りします。
⑥足側はスミ袋・目・ワタ・口を外します。吸盤が気になれば、しごいて取ってください。
スミ袋を破かないよう気を付けてください。
※子持ちヤリイカで印籠詰めにしない場合は、
②~⑥までの手順で胴と足を離さず、軟骨・スミ袋・目・口を取るだけでいいです。
⑦強火で沸騰させた①に塩を加え、ヤリイカの胴と足を少量ずつ入れてさっと湯通しし、ザルに上げます。
⑧煮汁を作ります。
鍋に純米酒を入れて煮切り、白ザラメを入れて溶かし、濃口醤油を加えます。
ヤリイカから水分が出てきますので、煮汁の量は、ヤリイカを入れた時にヤリイカの高さの半分位になる程度が目安です。
また、煮た後に煮汁とミリンを煮詰めてツメを作りますので、具を混ぜたシャリと煮ツメの味も考慮し、
白ザラメと濃口醤油は控えめにしてください。
⑨煮汁が沸騰したら、湯通ししたヤリイカの胴を重ならないように並べて入れます。
煮汁の温度が急激に下がるので、火は強火です。
アクはまめに取ってください。(この後の手順でも)
⑩煮汁が再度沸騰しかけたら、ヤリイカを裏返して火を弱めます。
⑪ヤリイカを菜箸で1杯ずつ持ち上げ、胴の中にオタマで煮汁を入れ、胴の中にも火が入りやすくします。
⑫落としブタをして煮ます。途中で湯通ししたヤリイカの足も加えてください。
火の通しは、あくまでも軽く。
特に子持ちヤリイカの場合は、煮過ぎると卵の繊細な持ち味が失われてしまいますので、気を付けてください。
ただし、イカはアニサキス(寄生虫)がつきやすいので、
アニサキスが付いていたとしても死滅する程度には、火を通してください。
⑬煮汁からヤリイカを上げ、あらかじめ温めておいた皿に入れてラップし、コタツの中など、温かい場所で保温します。
⑭別の鍋にミリンを入れて煮切り、煮汁を濾して入れ、煮詰めていきます。
アクはこまめに取り、けっして焦がさないよう適宜木べら等を使ってください。
⑮好みのトロミがついたら、器に写し、風を送って温度を下げます。
煮ツメの完成です。
⑯シャリに混ぜる好みの具を、細かく刻むなどして適当な大きさにし、シャリと合わせます。
シャリが人肌よりも温かいうちに合わせてください。
⑰保温していたヤリイカに⑯のシャリを詰めます。
胴を指で押しながら、空洞が出来ないように、ただしシャリとシャリの間に適度に空気が含まれるように詰めてください。
シャリを詰めたら、胴にフタをするような感じで足を入れます。(足先が外にくるように)
3.供し方
ミミ(ヒレ)も足も全て美味しく食べられます。
食べ良い大きさに切り、煮汁で作った煮ツメをつけて供します。
シャリに混ぜる具によっては、ワサビをつけても、おろしたユズをふっても相性が良いので、好みに応じて楽しんでください。
伝統的な江戸前のすしです。
戦前はどこの店でも出していたそうですが、私が若い頃は一部の老舗とその出身者の店以外では、
見かけることがありませんでした。
最近は若手・中堅の名店を中心に復活してきたようで、好ましいことだと思います。
昔から我が家では、春先に出回る小さな子持ちヤリイカは、夕飯のおかずの定番です。
色々な料理で食べますが、私が子供の頃から食べてきたのは、印籠詰めと同じ味付けで煮たものです。
また、スルメイカも同じ味付けで煮て食べることがよくありました。
つまり、我が家ではイカの印籠詰めを作ってもインパクトに欠け、日常性を感じてしまうことになるわけで、
あまり作りませんでしたが、江戸前のすしとしての完成度が高く、とても美味しいと思いますので紹介させていただきます。
1.仕入れ
小ぶりのヤリイカやスルメイカで作るのが一般的で、他のイカで作ったものは食べたことがないのですが、
小ぶりのケンサキイカやヒイカ(ジンドウイカ)などでも、美味しく出来るのではないかと思います。
ヤリイカならば、卵を持つ前の小さなもの(小ヤリイカ)、
スルメイカならば、春から初夏に出回る「麦イカ」と呼ばれる小さなサイズが最適です。
個人的には小ヤリイカで作ったものが好きです。
すし店でも小ヤリイカの方が多く使われていると思います。
いずれの場合も火の通しは軽い方が美味しいので、鮮度の良いものを選んでください。
2.仕込み
卵の量が少なければ、シャリが入りますので、子持ちヤリイカでも印籠詰めに出来ます。
その場合、少し大きめのヤリイカの方が作りやすいでしょう。
卵を取り除いてしまえば問題なく印籠詰めに出来、そうしているすし店もありますが、ちょっともったいない気がします。
卵がたくさん入った子持ちヤリイカですしにする場合は、煮た後にそのまま又は縦長に切って握ると良いと思います。
(握りにくければ、カンピョウで巻くと良いでしょう)
子持ちではない小ヤリイカの場合で説明します。ヤリイカ以外で作る場合も、下記に準じてください。
【レシピ】
食べる直前に作ります。
すし店では作り置きしているところが多く、作り置きした方が味が馴染んで美味しいという説もありますが、
食べ比べてみて、作り立ての方が断然美味しいと思いましたので、食べる直前に作りました。
他のネタ(タネ)も食べる直前の処理が多いので、私と助手の妻(笑)は大忙しでした。
ちなみに、今をときめく若手・中堅の名店でも、作り立てかそれに近いものが出てくることが多かったです。
シャリに混ぜる具は、
カンピョウ ・ シイタケ(干しシイタケをもどして煮たもの)・ 海苔 ・ おぼろ ・ ゴマ(切りゴマが多い)・ ガリなどが定番ですが、
ミツバ ・ ワサビの茎の塩漬け ・ カラシナなど青菜の塩漬け ・ タクアンなどが使われることもあります。
何を使うかは、すし店によってマチマチです。(カンピョウは大抵使われます)
また、シャリに何も混ぜない店もあります。
私は、必ずシャリに具を混ぜましたが、何を使うかはその時の気分次第でした。
(材料)
・15センチくらいまでの小ヤリイカ(子なし) 適量
・造りの良い純米酒 (ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・造りの良いコクのある純本ミリン (ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・白ザラメ(又は砂糖) 適量
・造りの良い濃口醤油 (香りは控えめで色の明るいもの) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
・塩(精製塩不可)
・シャリ 適量
・シャリに混ぜる好みの具 適量
①鍋にたっぷりの水を入れ、火にかけます。
②ヤリイカの胴に指を入れ、ワタと胴をつなげている筋(背側)を外します。
③胴を押さえ、目のあたりを持って足(腕)側をそっと引っ張り、ワタを出します。
④胴の中にある軟骨を抜き取ります。
⑤胴の中がスミで汚れていなければ、キッチンペーパーで(菜箸を使うなどして)、胴の中をきれいにします。
(卵が入っていたら、卵は残してください。)
スミで汚れていたら胴の中を水洗いし、水切りします。
⑥足側はスミ袋・目・ワタ・口を外します。吸盤が気になれば、しごいて取ってください。
スミ袋を破かないよう気を付けてください。
※子持ちヤリイカで印籠詰めにしない場合は、
②~⑥までの手順で胴と足を離さず、軟骨・スミ袋・目・口を取るだけでいいです。
⑦強火で沸騰させた①に塩を加え、ヤリイカの胴と足を少量ずつ入れてさっと湯通しし、ザルに上げます。
⑧煮汁を作ります。
鍋に純米酒を入れて煮切り、白ザラメを入れて溶かし、濃口醤油を加えます。
ヤリイカから水分が出てきますので、煮汁の量は、ヤリイカを入れた時にヤリイカの高さの半分位になる程度が目安です。
また、煮た後に煮汁とミリンを煮詰めてツメを作りますので、具を混ぜたシャリと煮ツメの味も考慮し、
白ザラメと濃口醤油は控えめにしてください。
⑨煮汁が沸騰したら、湯通ししたヤリイカの胴を重ならないように並べて入れます。
煮汁の温度が急激に下がるので、火は強火です。
アクはまめに取ってください。(この後の手順でも)
⑩煮汁が再度沸騰しかけたら、ヤリイカを裏返して火を弱めます。
⑪ヤリイカを菜箸で1杯ずつ持ち上げ、胴の中にオタマで煮汁を入れ、胴の中にも火が入りやすくします。
⑫落としブタをして煮ます。途中で湯通ししたヤリイカの足も加えてください。
火の通しは、あくまでも軽く。
特に子持ちヤリイカの場合は、煮過ぎると卵の繊細な持ち味が失われてしまいますので、気を付けてください。
ただし、イカはアニサキス(寄生虫)がつきやすいので、
アニサキスが付いていたとしても死滅する程度には、火を通してください。
⑬煮汁からヤリイカを上げ、あらかじめ温めておいた皿に入れてラップし、コタツの中など、温かい場所で保温します。
⑭別の鍋にミリンを入れて煮切り、煮汁を濾して入れ、煮詰めていきます。
アクはこまめに取り、けっして焦がさないよう適宜木べら等を使ってください。
⑮好みのトロミがついたら、器に写し、風を送って温度を下げます。
煮ツメの完成です。
⑯シャリに混ぜる好みの具を、細かく刻むなどして適当な大きさにし、シャリと合わせます。
シャリが人肌よりも温かいうちに合わせてください。
⑰保温していたヤリイカに⑯のシャリを詰めます。
胴を指で押しながら、空洞が出来ないように、ただしシャリとシャリの間に適度に空気が含まれるように詰めてください。
シャリを詰めたら、胴にフタをするような感じで足を入れます。(足先が外にくるように)
3.供し方
ミミ(ヒレ)も足も全て美味しく食べられます。
食べ良い大きさに切り、煮汁で作った煮ツメをつけて供します。
シャリに混ぜる具によっては、ワサビをつけても、おろしたユズをふっても相性が良いので、好みに応じて楽しんでください。