マナガツオ (真魚鰹, 真名鰹, 鯧), レシピ managatsuo recipe edomae
Feb 21, 2015 18:21:49 GMT 9
Post by 管理人 on Feb 21, 2015 18:21:49 GMT 9
マナガツオに似たイボダイ(エボダイ)は、江戸前のすしでは光ものに分類され、
持ち味に共通性のあるサワラは白身に分類されるので、どちらが良いのか分かりませんが、とりあえず白身に分類しておきます。
マナガツオは、江戸前のすしではほとんど使われませんが、日本料理の定番なので、仕事ではよく使いました。
独特の身質が素晴らしいと思います。
日本料理や中華料理でも色々と美味しく食べられますが、個人的にはフランス料理で食べるのが一番好きです。
私が働いていた日本料理店には、一流の料理人の方々が定期的に食べに来てくださいました。
(私の親方も一流の料理人でした。)
こちらからも、ということで休店日に親方のお供で、その方々のお店に時々食べに行きました。
その中で特に印象的だったのが、魚料理で有名なあるフランス料理店。
マナガツオ ・ アカアマダイなど、日本料理の定番の魚を見事なフランス料理に仕上げていました。
いずれもシンプルでありながら洗練された料理で、家で何回か作った後に料理好きの妻に作り方を教え、
我が家の定番メニューとなりました。
また、妻がフレンチ風 ・中華風にアレンジしたメニューも好評だったので、それらも我が家定番のマナガツオ料理となりました。
そんなこともあり、長い間マナガツオを江戸前のすしにしようと思わなかったのですが、してみたところ、
シャリとの相性が抜群で、とても美味しかったので紹介させていただきます。
1.仕入れ(築地場内)
マナガツオは、和歌山・瀬戸内海・四国各地・九州各地など、主な産地は西日本で、東日本ではほとんど獲れません。
産卵期の夏にたくさん出回りますが、旬は真冬です。
でも、産卵期とその前後を除けば、旬以外でも比較的美味しく食べられる魚です。
刺身にしても美味しい魚ですが、足が早く、東京で普通の流通に乗ったものは、皮下の血合いに臭みが出てしまっています。
それでも鮮度がそれなりに良ければ、皮をあぶったり、燻製にしたり、皮下の血合いを外してしまえば
生で食べられなくもありませんが、刺身で食べるのに理想的なのは、産地直送当日便で届けてもらうことで、
私が働いていた店ではそうしていました。
私もマナガツオの刺身の美味しさは認めますが、よりシャリと相性の良いすしにしたいと思っていましたし、
普通の流通に乗ったものの中から鮮度の良いものを選べば、充分に美味しく食べられることも分かっていましたので、
あえて個人で割高な産地直送当日便で仕入れることはありませんでした。
マナガツオの理想的な大きさは、2~2.5キロくらいでしょう。
あまり小さいとマナガツオらしい持ち味に欠け、大きすぎると大味だと思います。
網での漁獲がほとんどなので、状態の良くないものが多いですが、以下を重視して上物を選んでください。
①細かくはがれやすい銀色のウロコがたくさん付いていて、ギラギラ輝いている(魚体の両側をきちんと確認してください)
②柔らかくなく張りがある
③エラが明るい赤色
④魚体が充実している(卵やエサで腹が膨らんでいるものは×)
なお、韓国産・中国産・台湾産なども流通していますので、間違えたり騙されたりしないよう気をつけてください。
築地場内では、マナガツオに限らず、それらの外国産の魚介類を、「九州産」と偽る仲卸しが稀にいました。
築地に限らず、魚介類の流通業界では、「九州産」という言葉は、暗にそれら外国の産地を指している場合があるようです。
ちなみに、築地場内で誠実な仲卸しに産地を聞けば、“九州産”とはけっして答えません。
「長崎の島原です」、という風に具体的に答えてくださいます。
2.仕込み
上品な味に仕上げました。
マナガツオの骨はとても柔らかいので、慎重におろしてください。
ちなみに、マナガツオの骨のから揚げは、定番の料理です。
我が家の子供達はこれが大好きで、マナガツオを見るたびに、はしゃいでいました。( ◠ ‿ ◠ )
【レシピ】
3枚におろし、背と腹に切り分け、皮と血合いを除いた背の身を使います。
皮下の血合いに臭みの出ていない鮮度抜群のものならば、皮を付けたまま仕込み、皮つきで食べても良いでしょう。
その場合、皮側だけは塩を多くふり、塩の時間を長めにとり、下記に水洗いの工程を加え、
更に酢の時間も長めにとってください。
(材料)
・ 皮と血合いを除いた2キロ級のマナガツオの背の身(骨なし) 適量
・ あら塩(精製塩は不可) 適量
・ 冷やした造りの良い軽く酸味がマイルドな米酢 適量
・ 冷やしたミネラルウォーター 適量
・ 常温の煮切り酒 (造りの良い純米酒を煮切ったもの) 適量
・ 上質の日高昆布又は羅臼昆布 適量
①マナガツオ全体に塩をふります。
この後で水洗いしませんので(酢洗いのみ)、握って煮切り醤油をつけた時にちょうど良くなる程度の塩加減です。
ただし、塩の量が少なすぎると低調な仕上がりになります。
②ザルにマナガツオを載せ、下に皿を敷いてラップし、冷蔵庫に入れてじっくりと塩を回していきます。
塩の時間は、諸条件によりますが6時間くらいが目安です。
③冷やした米酢と、冷やしたミネラルウォーターを同量ボウルに入れます。
④マナガツオを酢洗いします。
③の中でシャブシャブと洗い、別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
⑤マナガツオを酢に漬けます。
冷やした米酢をボウルに入れ、マナガツオを入れます。
酢はマナガツオが全て浸かる量にしてください。
⑥10分くらい酢に漬けたら、別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
⑦ある程度酢が切れたら、ザルの下に皿を敷いてラップし、冷蔵庫の中でじっくりと酢を回します。
マナガツオから出た酢が皿にたまるので、時々取り除いてください。
⑧翌日(16時間程度経過)、昆布をマナガツオの大きさに合わせて切り、常温の煮切り酒で拭き、ラップで包んでおきます。
⑨マナガツオを少しやわらかくなった⑧の昆布に挟み、ラップで包んで冷蔵庫に入れます。
⑩マナガツオに、昆布の香りが好みの程度ついたら昆布をはずし、皿に移してラップで包み、冷蔵庫に置きます。
3.供し方
包丁で切りつけ、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
持ち味に共通性のあるサワラは白身に分類されるので、どちらが良いのか分かりませんが、とりあえず白身に分類しておきます。
マナガツオは、江戸前のすしではほとんど使われませんが、日本料理の定番なので、仕事ではよく使いました。
独特の身質が素晴らしいと思います。
日本料理や中華料理でも色々と美味しく食べられますが、個人的にはフランス料理で食べるのが一番好きです。
私が働いていた日本料理店には、一流の料理人の方々が定期的に食べに来てくださいました。
(私の親方も一流の料理人でした。)
こちらからも、ということで休店日に親方のお供で、その方々のお店に時々食べに行きました。
その中で特に印象的だったのが、魚料理で有名なあるフランス料理店。
マナガツオ ・ アカアマダイなど、日本料理の定番の魚を見事なフランス料理に仕上げていました。
いずれもシンプルでありながら洗練された料理で、家で何回か作った後に料理好きの妻に作り方を教え、
我が家の定番メニューとなりました。
また、妻がフレンチ風 ・中華風にアレンジしたメニューも好評だったので、それらも我が家定番のマナガツオ料理となりました。
そんなこともあり、長い間マナガツオを江戸前のすしにしようと思わなかったのですが、してみたところ、
シャリとの相性が抜群で、とても美味しかったので紹介させていただきます。
1.仕入れ(築地場内)
マナガツオは、和歌山・瀬戸内海・四国各地・九州各地など、主な産地は西日本で、東日本ではほとんど獲れません。
産卵期の夏にたくさん出回りますが、旬は真冬です。
でも、産卵期とその前後を除けば、旬以外でも比較的美味しく食べられる魚です。
刺身にしても美味しい魚ですが、足が早く、東京で普通の流通に乗ったものは、皮下の血合いに臭みが出てしまっています。
それでも鮮度がそれなりに良ければ、皮をあぶったり、燻製にしたり、皮下の血合いを外してしまえば
生で食べられなくもありませんが、刺身で食べるのに理想的なのは、産地直送当日便で届けてもらうことで、
私が働いていた店ではそうしていました。
私もマナガツオの刺身の美味しさは認めますが、よりシャリと相性の良いすしにしたいと思っていましたし、
普通の流通に乗ったものの中から鮮度の良いものを選べば、充分に美味しく食べられることも分かっていましたので、
あえて個人で割高な産地直送当日便で仕入れることはありませんでした。
マナガツオの理想的な大きさは、2~2.5キロくらいでしょう。
あまり小さいとマナガツオらしい持ち味に欠け、大きすぎると大味だと思います。
網での漁獲がほとんどなので、状態の良くないものが多いですが、以下を重視して上物を選んでください。
①細かくはがれやすい銀色のウロコがたくさん付いていて、ギラギラ輝いている(魚体の両側をきちんと確認してください)
②柔らかくなく張りがある
③エラが明るい赤色
④魚体が充実している(卵やエサで腹が膨らんでいるものは×)
なお、韓国産・中国産・台湾産なども流通していますので、間違えたり騙されたりしないよう気をつけてください。
築地場内では、マナガツオに限らず、それらの外国産の魚介類を、「九州産」と偽る仲卸しが稀にいました。
築地に限らず、魚介類の流通業界では、「九州産」という言葉は、暗にそれら外国の産地を指している場合があるようです。
ちなみに、築地場内で誠実な仲卸しに産地を聞けば、“九州産”とはけっして答えません。
「長崎の島原です」、という風に具体的に答えてくださいます。
2.仕込み
上品な味に仕上げました。
マナガツオの骨はとても柔らかいので、慎重におろしてください。
ちなみに、マナガツオの骨のから揚げは、定番の料理です。
我が家の子供達はこれが大好きで、マナガツオを見るたびに、はしゃいでいました。( ◠ ‿ ◠ )
【レシピ】
3枚におろし、背と腹に切り分け、皮と血合いを除いた背の身を使います。
皮下の血合いに臭みの出ていない鮮度抜群のものならば、皮を付けたまま仕込み、皮つきで食べても良いでしょう。
その場合、皮側だけは塩を多くふり、塩の時間を長めにとり、下記に水洗いの工程を加え、
更に酢の時間も長めにとってください。
(材料)
・ 皮と血合いを除いた2キロ級のマナガツオの背の身(骨なし) 適量
・ あら塩(精製塩は不可) 適量
・ 冷やした造りの良い軽く酸味がマイルドな米酢 適量
・ 冷やしたミネラルウォーター 適量
・ 常温の煮切り酒 (造りの良い純米酒を煮切ったもの) 適量
・ 上質の日高昆布又は羅臼昆布 適量
①マナガツオ全体に塩をふります。
この後で水洗いしませんので(酢洗いのみ)、握って煮切り醤油をつけた時にちょうど良くなる程度の塩加減です。
ただし、塩の量が少なすぎると低調な仕上がりになります。
②ザルにマナガツオを載せ、下に皿を敷いてラップし、冷蔵庫に入れてじっくりと塩を回していきます。
塩の時間は、諸条件によりますが6時間くらいが目安です。
③冷やした米酢と、冷やしたミネラルウォーターを同量ボウルに入れます。
④マナガツオを酢洗いします。
③の中でシャブシャブと洗い、別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
⑤マナガツオを酢に漬けます。
冷やした米酢をボウルに入れ、マナガツオを入れます。
酢はマナガツオが全て浸かる量にしてください。
⑥10分くらい酢に漬けたら、別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
⑦ある程度酢が切れたら、ザルの下に皿を敷いてラップし、冷蔵庫の中でじっくりと酢を回します。
マナガツオから出た酢が皿にたまるので、時々取り除いてください。
⑧翌日(16時間程度経過)、昆布をマナガツオの大きさに合わせて切り、常温の煮切り酒で拭き、ラップで包んでおきます。
⑨マナガツオを少しやわらかくなった⑧の昆布に挟み、ラップで包んで冷蔵庫に入れます。
⑩マナガツオに、昆布の香りが好みの程度ついたら昆布をはずし、皿に移してラップで包み、冷蔵庫に置きます。
3.供し方
包丁で切りつけ、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。