ハマグリ (蛤, 煮ハマ), レシピ hamaguri nihama recipe edomae
Jan 23, 2015 18:28:32 GMT 9
Post by 管理人 on Jan 23, 2015 18:28:32 GMT 9
江戸前のすしでハマグリといえば、伝統的な煮ハマグリ、通称「煮ハマ」。(実際は漬け込み)
高度成長期の埋立てや汚染の影響で純国産のハマグリが激減し、その後も更に漁獲量が減り、
煮ハマの握りを出す店は減っていったわけですが、
バブル期のグルメブームあたりからでしょうか、煮ハマの握りを出す店が増え、
今では一定レベル以上の江戸前のすし店で、煮ハマの握りを出さない店はほとんどないと思います。
父と母は、かつて最も品質が良いとされた純天然物の東京湾産のハマグリを、昔は当たり前に食べていた世代なので、
下手なものは出せないなぁ、と思いながらの仕入れ ・ 仕込みとなりました。
1.仕入れ
江戸前のすしの名店で使われているハマグリは、以下のように分類できます。(シナハマグリを使う名店は無し。)
a. 内海に生息する国産のハマグリ (放流ものを含む)
b. 外洋に生息する国産のチョウセンハマグリ (名前に「チョウセン」が入っていますが日本の種です。)
c. 朝鮮半島産 ・ 中国産のハマグリを、国内の海に近い環境の生け簀等で蓄養したもの。
a の国産ハマグリは、小粒のものが少量あるだけで、
江戸前のすし店が使いたい1個(開いて使う)で1カンになるサイズは、幻に近い存在でした。
ですから、このタイプを使う僅かなすし店では、1カンに3~4個の小さなハマグリを使っていました。
(ごく稀に、産地直送等で入手した大粒のハマグリを使うすし店もありました。)
私が若い頃は、ごく稀に有明海などの国産の大粒のハマグリが手に入り、煮ハマにすることができましたが、
築地通いをしていた頃には、大粒のものは築地場内でさえ皆無でした。
名店の仕入先である、いくつかのハマグリを扱う築地の仲卸しに聞くと、
大粒の国産ハマグリは、長年入荷がないとのことでした。
最近は、大々的な稚貝の放流の成果が出てきたようで、かつての名産地東京湾や伊勢湾の中~大粒のハマグリが、
数は少ないながらも築地に入荷され、また有明海からも少量入荷があるそうで、
東京のすし店もそれらを使えるようになってきました。
ただし、安定供給には至っていないようで、b ・ c が併用されているようです。
b の国産チョウセンハマグリは、もともと大きくなる種で、大粒のものが築地場内にはありました。
産地は鹿島(茨城) ・ 九十九里浜(千葉)などで、当時はa(小粒) ・ c を含めた中で、圧倒的に値段が高かったです。
国産の大粒ということで、この国産チョウセンハマグリを使うすし店もかなり多かったのですが、
味はハマグリに比べると劣ります。
ネット通販やすし店のホームページで、この国産チョウセンハマグリが、
あたかもa のハマグリであるかのように扱われていることがありますので、くれぐれもお間違いなく。
c の外国産ハマグリの国内蓄養物は、当時高級すし店で一番多く使われていました。
築地の仲卸しの方々のお話しによれば、北朝鮮産に良いものが多かったそうですが、
輸入禁止になってからは、韓国産・中国産から良品を選別して扱っているとのことでした。
昔は嘘八百がまかり通っていたと云われる築地場内ですが、
私が接した仲卸し(行きつけ以外の仲卸しも)は、このように正直な方々がほとんどでした。
ところが、築地場内では「国産」と呼ばれなくても、築地から出るとなぜか「国産・桑名産」になっていたり(笑)。
当時、高級すし店でこんな会話を聞きました。
店主 「(握って供するときに)ハマグリです。」
お客 「産地はどこですか?」
店主 「伊勢湾の桑名です。」
お客 「やっぱり、国産のハマグリは違いますね、すごく美味しいです。」
店主 「・・・」
私は、その店主が築地場内でc のハマグリを仕入れているところを、何度も見ていました。
本当に、お客がすごく美味しいと感じたのかどうか知りませんが、
こういう時、すし店側はきちんと言った方がいいのではないでしょうか。
中には、「韓国で獲れたものですが、桑名の海水に入れているので美味しくなっています。」
と正直に答えるすし店もありましたが。
私が使ったのは、a のハマグリですが、小粒のものしか手に入らなくなってからは、煮ハマはつくらなくなりました。
築地場内でも、a~c いずれも仕入れることはありませんでした。
大粒の純日本種のハマグリが、日本各地の内海でたくさん獲れる日が来ることを願います。
2.仕込み
煮ハマグリといっても、軽く火を通してから漬け込むのが一般的です。
すし店で行う代表的な仕込みは、以下の通りです。
ハマグリをムキ棒でむく。(築地のベテラン貝むき女性にむいてもらうすし職人が多いです。あの方達は、とても早くむきます。)
→細い竹箸(又は類似のもの)を、ハマグリの水管部分に次々と通す。
→ボウルに水を張り、水を流しながら、ボウルの中で竹箸を動かしながらハマグリを洗う。(砂をとる)
→鍋に水を入れ沸騰させ、竹箸から外したハマグリを入れ、アクをとりながら火を通す。
→ボウルを敷いたザルにハマグリを上げ、冷ます。
→茹で汁とボウルにたまったハマグリの汁を合わせて濾す。
→まめにアクをとりながら茹で汁を煮詰め、濃口醤油(又は薄口醤油)・ ミリン(又は日本酒) ・ 砂糖(又はザラメ)を入れ、
まめにアクをとりながら煮詰めて漬け汁(又はアメ)を作り、冷ます。
・茹で汁とボウルにたまったハマグリの汁は、使わない店もあります。
・ミリンと日本酒の両方を使う店もあります。
・ミリンと日本酒は使わない店もあります。
・砂糖(又はザラメ)は使わない店もあります。
・漬け汁は、サラッとした程度にする場合と、トロッとアメ状にする場合があります。
→冷めたハマグリを開き、ワタを出し、容器に並べる。(ワタは、開く前に指で軽く押してとる場合もあり。)
→冷めた漬け汁(又はアメ)をハマグリにかける。
→漬け汁(又はアメ)が万遍なく行きわたるよう、時々ハマグリをひっくり返すなどしながら、
数時間~1日漬け込む。(冷蔵庫に入れる場合が多い)
→供する際は、アナゴの煮汁で作った煮ツメを使う。
(ごく稀にハマグリの煮ツメを使う店もあります。煮ツメを使わない店もあります。)
【レシピ】
以下の考えにより、少し変わった仕込みとなりました。
・漬け込むことによって、ハマグリの身を締めて硬くしたり、ハマグリのエキスを流出させたりしたくない。
ただし、少しは漬け込みたい。
・ハマグリは、少し温かいくらいで供したい。
・ハマグリの煮汁で作った煮ツメを使いたい。
(材料)
・1個で1カンになる大きさの純国産ハマグリ(量は多い方が良い。大きさは揃っていた方が良い。)
・造りの良い純本ミリン(ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・造りの良い純米酒 (ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・造りの良い濃口醤油(香りは控えめで色の明るいもの) 適量
・塩(精製塩不可) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
供する時間に合わせて、仕込みの時間帯を決めてください。
①ハマグリのカラに塩をふり、ハマグリをこすり合わせながら水洗いし、貝殻表面の汚れを除き、ザルで水を切ります。
②表面に残った水気を拭き取り、ハマグリ用のムキ棒でハマグリをむきます。
チョウツガイを下にして持ち、ムキ棒をハマグリに入れ、身やヒモを傷つけないよう2つの貝柱を切り、取り出します。
※ハマグリを持つ手には軍手をはめるなど、ケガをしないよう気を付けてください。他の貝よりも難しいです。
③ボウルに薄い塩水をつくり、むいたハマグリを、一つ一つ軽く洗い、ザルに上げます。
※産地で砂抜きされていたため、味を落とさぬよう、簡単な洗い方にしました。
④鍋に純米酒を入れて煮切ります。
純米酒の量は、ハマグリを入れた時にひたひたになる程度です。
※水の代わりに純米酒を使いました。
⑤煮立った鍋にハマグリを入れ、アクをとり、再び煮立ち始めたら火を止め、
アクをとってから落としぶたをし、そのまま火を通します。
火を通し過ぎると硬くなるので、鍋から出した後の余熱も計算に入れて、ギリギリのところを狙います。
※ハマグリには、ノロウイルスが付いていることがあります。
身の中心部分も含め、最低限85℃で1分以上の加熱が必要です。
⑥ハマグリを鍋から温めておいた皿に移し、ラップします。冷蔵庫には入れないでください。
ハマグリに少し水気がついているくらいの方がしっとりして良いため、ザルには上げません。
ハマグリに火が入ると、ハマグリを指で軽く押した時に、ワタがポロッと出てきます。
ハマグリの味を見て、塩分を確認してください。
※ハマグリの大きさが揃わなかった場合は、鍋から出す時間に差をつけてください。
⑦煮ツメを作っていきます。
鍋に残った茹で汁を濾し、煮詰めていきます。ほど良い量まで煮詰まったら味見し、塩分を確認してください。
ハマグリの身と茹で汁の塩分によって、この後に加える調味料の量が変わります。
⑧別の鍋で純本ミリンを煮切り、茹で汁(以下「煮汁」)に入れ、少量の濃口醤油も加えます。
アクを取りながら、さらに煮詰めていきます。
好みで、白ザラメ(又は砂糖) ・ 少量の水を加えてください。
⑨トロミがつき始めたあたりで、煮汁を少量(漬け込み用)とり、身と同じくらいの温度まで冷まします。
煮汁はさらに煮詰めます。
⑩ハマグリの筋(ヒモではありません)をとり、
足側から包丁を入れ、左右対称に開き、身を傷つけぬようワタをスプーンでとります。
皿にたまった汁は煮汁に加えてください。
⑪ハマグリを皿に戻し、⑨(漬け込み用)をからめて並べ、ラップしてコタツの中など、温かい場所で保温します。
あくまでも短時間です。時間が長いと身が締まり多量のエキスが流出するだけでなく、ハマグリが傷んでしまいます。
⑫煮汁に好みのトロミがついたら火を止めて冷まし、別の容器に移します。ハマグリの煮ツメの完成です。
※塩分が強ければ、煮切った純本ミリンを加え、さらに煮詰めてください。
3.供し方
少し温かいくらいで供します。
ハマグリの水気を切り、ワサビ無し又は有りで握り、ハマグリの煮ツメをつけて供します。
食べ手の好みに合わせ、おろしたユズをシャリにつけるか、煮ツメをつけた握りの上からふります。
高度成長期の埋立てや汚染の影響で純国産のハマグリが激減し、その後も更に漁獲量が減り、
煮ハマの握りを出す店は減っていったわけですが、
バブル期のグルメブームあたりからでしょうか、煮ハマの握りを出す店が増え、
今では一定レベル以上の江戸前のすし店で、煮ハマの握りを出さない店はほとんどないと思います。
父と母は、かつて最も品質が良いとされた純天然物の東京湾産のハマグリを、昔は当たり前に食べていた世代なので、
下手なものは出せないなぁ、と思いながらの仕入れ ・ 仕込みとなりました。
1.仕入れ
江戸前のすしの名店で使われているハマグリは、以下のように分類できます。(シナハマグリを使う名店は無し。)
a. 内海に生息する国産のハマグリ (放流ものを含む)
b. 外洋に生息する国産のチョウセンハマグリ (名前に「チョウセン」が入っていますが日本の種です。)
c. 朝鮮半島産 ・ 中国産のハマグリを、国内の海に近い環境の生け簀等で蓄養したもの。
a の国産ハマグリは、小粒のものが少量あるだけで、
江戸前のすし店が使いたい1個(開いて使う)で1カンになるサイズは、幻に近い存在でした。
ですから、このタイプを使う僅かなすし店では、1カンに3~4個の小さなハマグリを使っていました。
(ごく稀に、産地直送等で入手した大粒のハマグリを使うすし店もありました。)
私が若い頃は、ごく稀に有明海などの国産の大粒のハマグリが手に入り、煮ハマにすることができましたが、
築地通いをしていた頃には、大粒のものは築地場内でさえ皆無でした。
名店の仕入先である、いくつかのハマグリを扱う築地の仲卸しに聞くと、
大粒の国産ハマグリは、長年入荷がないとのことでした。
最近は、大々的な稚貝の放流の成果が出てきたようで、かつての名産地東京湾や伊勢湾の中~大粒のハマグリが、
数は少ないながらも築地に入荷され、また有明海からも少量入荷があるそうで、
東京のすし店もそれらを使えるようになってきました。
ただし、安定供給には至っていないようで、b ・ c が併用されているようです。
b の国産チョウセンハマグリは、もともと大きくなる種で、大粒のものが築地場内にはありました。
産地は鹿島(茨城) ・ 九十九里浜(千葉)などで、当時はa(小粒) ・ c を含めた中で、圧倒的に値段が高かったです。
国産の大粒ということで、この国産チョウセンハマグリを使うすし店もかなり多かったのですが、
味はハマグリに比べると劣ります。
ネット通販やすし店のホームページで、この国産チョウセンハマグリが、
あたかもa のハマグリであるかのように扱われていることがありますので、くれぐれもお間違いなく。
c の外国産ハマグリの国内蓄養物は、当時高級すし店で一番多く使われていました。
築地の仲卸しの方々のお話しによれば、北朝鮮産に良いものが多かったそうですが、
輸入禁止になってからは、韓国産・中国産から良品を選別して扱っているとのことでした。
昔は嘘八百がまかり通っていたと云われる築地場内ですが、
私が接した仲卸し(行きつけ以外の仲卸しも)は、このように正直な方々がほとんどでした。
ところが、築地場内では「国産」と呼ばれなくても、築地から出るとなぜか「国産・桑名産」になっていたり(笑)。
当時、高級すし店でこんな会話を聞きました。
店主 「(握って供するときに)ハマグリです。」
お客 「産地はどこですか?」
店主 「伊勢湾の桑名です。」
お客 「やっぱり、国産のハマグリは違いますね、すごく美味しいです。」
店主 「・・・」
私は、その店主が築地場内でc のハマグリを仕入れているところを、何度も見ていました。
本当に、お客がすごく美味しいと感じたのかどうか知りませんが、
こういう時、すし店側はきちんと言った方がいいのではないでしょうか。
中には、「韓国で獲れたものですが、桑名の海水に入れているので美味しくなっています。」
と正直に答えるすし店もありましたが。
私が使ったのは、a のハマグリですが、小粒のものしか手に入らなくなってからは、煮ハマはつくらなくなりました。
築地場内でも、a~c いずれも仕入れることはありませんでした。
大粒の純日本種のハマグリが、日本各地の内海でたくさん獲れる日が来ることを願います。
2.仕込み
煮ハマグリといっても、軽く火を通してから漬け込むのが一般的です。
すし店で行う代表的な仕込みは、以下の通りです。
ハマグリをムキ棒でむく。(築地のベテラン貝むき女性にむいてもらうすし職人が多いです。あの方達は、とても早くむきます。)
→細い竹箸(又は類似のもの)を、ハマグリの水管部分に次々と通す。
→ボウルに水を張り、水を流しながら、ボウルの中で竹箸を動かしながらハマグリを洗う。(砂をとる)
→鍋に水を入れ沸騰させ、竹箸から外したハマグリを入れ、アクをとりながら火を通す。
→ボウルを敷いたザルにハマグリを上げ、冷ます。
→茹で汁とボウルにたまったハマグリの汁を合わせて濾す。
→まめにアクをとりながら茹で汁を煮詰め、濃口醤油(又は薄口醤油)・ ミリン(又は日本酒) ・ 砂糖(又はザラメ)を入れ、
まめにアクをとりながら煮詰めて漬け汁(又はアメ)を作り、冷ます。
・茹で汁とボウルにたまったハマグリの汁は、使わない店もあります。
・ミリンと日本酒の両方を使う店もあります。
・ミリンと日本酒は使わない店もあります。
・砂糖(又はザラメ)は使わない店もあります。
・漬け汁は、サラッとした程度にする場合と、トロッとアメ状にする場合があります。
→冷めたハマグリを開き、ワタを出し、容器に並べる。(ワタは、開く前に指で軽く押してとる場合もあり。)
→冷めた漬け汁(又はアメ)をハマグリにかける。
→漬け汁(又はアメ)が万遍なく行きわたるよう、時々ハマグリをひっくり返すなどしながら、
数時間~1日漬け込む。(冷蔵庫に入れる場合が多い)
→供する際は、アナゴの煮汁で作った煮ツメを使う。
(ごく稀にハマグリの煮ツメを使う店もあります。煮ツメを使わない店もあります。)
【レシピ】
以下の考えにより、少し変わった仕込みとなりました。
・漬け込むことによって、ハマグリの身を締めて硬くしたり、ハマグリのエキスを流出させたりしたくない。
ただし、少しは漬け込みたい。
・ハマグリは、少し温かいくらいで供したい。
・ハマグリの煮汁で作った煮ツメを使いたい。
(材料)
・1個で1カンになる大きさの純国産ハマグリ(量は多い方が良い。大きさは揃っていた方が良い。)
・造りの良い純本ミリン(ただし熟成香が控えめなもの) 適量
・造りの良い純米酒 (ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・造りの良い濃口醤油(香りは控えめで色の明るいもの) 適量
・塩(精製塩不可) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水・軟水化したもの) 適量
供する時間に合わせて、仕込みの時間帯を決めてください。
①ハマグリのカラに塩をふり、ハマグリをこすり合わせながら水洗いし、貝殻表面の汚れを除き、ザルで水を切ります。
②表面に残った水気を拭き取り、ハマグリ用のムキ棒でハマグリをむきます。
チョウツガイを下にして持ち、ムキ棒をハマグリに入れ、身やヒモを傷つけないよう2つの貝柱を切り、取り出します。
※ハマグリを持つ手には軍手をはめるなど、ケガをしないよう気を付けてください。他の貝よりも難しいです。
③ボウルに薄い塩水をつくり、むいたハマグリを、一つ一つ軽く洗い、ザルに上げます。
※産地で砂抜きされていたため、味を落とさぬよう、簡単な洗い方にしました。
④鍋に純米酒を入れて煮切ります。
純米酒の量は、ハマグリを入れた時にひたひたになる程度です。
※水の代わりに純米酒を使いました。
⑤煮立った鍋にハマグリを入れ、アクをとり、再び煮立ち始めたら火を止め、
アクをとってから落としぶたをし、そのまま火を通します。
火を通し過ぎると硬くなるので、鍋から出した後の余熱も計算に入れて、ギリギリのところを狙います。
※ハマグリには、ノロウイルスが付いていることがあります。
身の中心部分も含め、最低限85℃で1分以上の加熱が必要です。
⑥ハマグリを鍋から温めておいた皿に移し、ラップします。冷蔵庫には入れないでください。
ハマグリに少し水気がついているくらいの方がしっとりして良いため、ザルには上げません。
ハマグリに火が入ると、ハマグリを指で軽く押した時に、ワタがポロッと出てきます。
ハマグリの味を見て、塩分を確認してください。
※ハマグリの大きさが揃わなかった場合は、鍋から出す時間に差をつけてください。
⑦煮ツメを作っていきます。
鍋に残った茹で汁を濾し、煮詰めていきます。ほど良い量まで煮詰まったら味見し、塩分を確認してください。
ハマグリの身と茹で汁の塩分によって、この後に加える調味料の量が変わります。
⑧別の鍋で純本ミリンを煮切り、茹で汁(以下「煮汁」)に入れ、少量の濃口醤油も加えます。
アクを取りながら、さらに煮詰めていきます。
好みで、白ザラメ(又は砂糖) ・ 少量の水を加えてください。
⑨トロミがつき始めたあたりで、煮汁を少量(漬け込み用)とり、身と同じくらいの温度まで冷まします。
煮汁はさらに煮詰めます。
⑩ハマグリの筋(ヒモではありません)をとり、
足側から包丁を入れ、左右対称に開き、身を傷つけぬようワタをスプーンでとります。
皿にたまった汁は煮汁に加えてください。
⑪ハマグリを皿に戻し、⑨(漬け込み用)をからめて並べ、ラップしてコタツの中など、温かい場所で保温します。
あくまでも短時間です。時間が長いと身が締まり多量のエキスが流出するだけでなく、ハマグリが傷んでしまいます。
⑫煮汁に好みのトロミがついたら火を止めて冷まし、別の容器に移します。ハマグリの煮ツメの完成です。
※塩分が強ければ、煮切った純本ミリンを加え、さらに煮詰めてください。
3.供し方
少し温かいくらいで供します。
ハマグリの水気を切り、ワサビ無し又は有りで握り、ハマグリの煮ツメをつけて供します。
食べ手の好みに合わせ、おろしたユズをシャリにつけるか、煮ツメをつけた握りの上からふります。