サバ (関サバ, シメサバ), レシピ saba sekisaba shimesaba recipe edomae
Jan 15, 2015 21:20:03 GMT 9
Post by 管理人 on Jan 15, 2015 21:20:03 GMT 9
「サバ」という文字を見ただけで、読む気をなくす方が多いような気がします。
だから、Subjectに「関」も加えて、注目していただけるようにしました(笑)
好き嫌いがはっきりと分かれる魚ですね。
私が働いていた料理店では、お客さんにサバの料理を出すことはありませんでした。
店のイメージの問題もあったでしょうが、何よりも親方が体質的にサバを苦手としていましたので。
江戸前のすしで使われるのは、真サバです。
以下、サバと書いてあるのは、全て真サバのことです。
学生時代、大分出身の友人が、「サバの刺身が食べたい」、というのを聞いてびっくりしました。
当時、東京では生サバを食べませんでしたし、サバ=アニサキス(寄生虫)と思っていましたから。
(私が使ったサバの身に、アニサキスが寄生していたことはありません。)
その後、関サバが有名になり、東京のすし店でも生の関サバが使われるようになり、
私も、その美味しさを知ることができました。
江戸前のすしの名店で、生サバを使う店はあまりありませんし、一種の邪道扱いされているのも知っていますが、
私は、生サバは江戸前のすしに合うと思っています。
我が家の人気ネタ(タネ)でもありました。
東京の江戸前のすし店では通常、シメサバ(江戸前のサバのきずし)にして使います。
シメサバは本来の江戸前の仕事ではない、という考えで使わないすし店もありますが、
私にとってはどうでもいいことですし、私も家族もシメサバ好きなので、若い頃からよく使いました。
シメサバにできる、鮮度が良く魚体の充実したサバでも、値段はピンキリで、若い頃は“キリ”の方しか使えませんでした。
それでも、塩と酢の使い方次第で、それなりに美味しくはなります。
金銭的に余裕ができてからは、地元にある上物を扱う鮮魚店で、各地の“ピン”(=上物)のサバを使うようになりました。
私が使った上物のサバに共通するのは、以下の点です。
・釣りものである
・東京湾以西の水道または内海で漁獲されたものである (その海に根付いたものは更に質が良い)
・漁師・流通業者の扱いが丁寧である
・脂のノリと質が上品で、サバ特有の臭みが少ない
上物のサバの持ち味を活かした、江戸前のすしに合うシメサバをつくるためには、
“キリ”のサバとは、塩と酢の使い方を変えた方が良いことも分かりました。
1.仕入(築地場内市場)
生で使ったサバ(関サバ)と、シメサバにしたサバに分けて書きます。
◆生サバ(関サバ)
生で使われるサバで、築地で評価の高かったのは、やはり豊後水道の関サバです。
佐賀関で活け締め・血抜きされ、築地にやってきます。
ほとんど1年中入荷がありましたが、旬は真冬です。
関サバは脂がのっていなくて味気ないという人がいますが、
おそらく旬外れの時期のものか、何日も生け簀で泳がされたものを食べたのだと思います。
旬の上物の関サバには、質の良い脂がしっかりとのっていて、味わいがあります。
築地に並ぶ関サバは、身がゆるくて生では使えない、と言うすし職人がいますが、
それは理解できるところで、私も生で使える関サバを見つけるのに苦労しました。
築地に並んでいる時点で、すでに身が硬直しているものは、夜には身がゆるくなってしまいます。
関サバは、日本料理や江戸前のすしの高級店が使う定番の魚ではありませんから、
行きつけの上物の仲卸しでは扱っていませんでした。
扱っていれば苦労しなくて済んだのですが。
幸い、築地場内を歩き回っているうちに、活けの身質を保った、上物の関サバを扱う仲卸しを見つけることができました。
私がその仲卸しで仕入れていた関サバは、佐賀関の漁協が出荷するものではなく、
築地でも魚の扱いが良いことで知られる、佐賀関のある水産会社が出荷したものです。
地元にある上物を扱う鮮魚店のご主人も、関サバはその水産会社が出荷したものを仕入れていましたし、
私もそれを何度も使っていましたから、安心でした。
活け締めする時間帯や、魚の扱い(硬直させない氷の使い方等)が適切だったからでしょう、
漁協のものよりも高値で取引されていて、その日の夜に使うのにちょうど良いものばかりでした。
私は、関サバをシメサバにしたことはありませんが、旬の真冬にすし店で食べたことがあります。
関サバはシメサバには向かない、という一般論に反して美味しかったです。
佐賀関の対岸、愛媛県の三崎で水揚げされる豊後水道の釣りサバも、岬(はな)サバとして有名です。
築地にも入荷がありましたが、魚自体は良くても状態が悪く、また関サバほどのブランド価値がないため、
さほど高くは評価されていませんでした。
◆シメサバ用
東京の江戸前のすしの名店が、シメサバ用として最も使いたがるサバは、東京湾口、浦賀水道の釣りもの、松輪のサバです。
地元にある上物を扱う鮮魚店のご主人も、松輪のサバを好んで仕入れていましたので、
何度も使い、その素晴らしさはよくわかっていました。
また、松輪は、時々釣りに行った場所でもあるため、愛着がありました。
松輪のサバは、8月後半くらいから良いものが出回りはじめ、秋に旬を迎えます。
築地では、行きつけの仲卸しも、当然とばかりに松輪のサバを扱っていたので、
とびっきりの上物を仕入れることができました。
築地には、他の産地からも上物の秋サバが入荷されていましたが、
松輪の上物がとても素晴らしかったので使う気になれず、一度も仕入れませんでした。
松輪のサバの旬が終わった後は、関サバ以外にも寒サバの良いものが入荷されていましたが、
その時期は関サバを仕入れ、生で使っていました。
2.仕込み(シメサバ)
東京の江戸前のすし店の典型的なシメサバには、大きく分けて次の3つのタイプがあると思います。
(塩と酢の時間は、秋・冬を想定していますが、諸条件により変わります。)
a. 仕込んだ当日に、生に近い状態で供することを前提にしたもの
・塩の時間は長め(3~5時間位)、酢の時間は極端に短め(酢をくぐらせるだけ又は数分~10分位)が多いです。
酢の時間が短いのは、仕込んだ当日の酢は、サバを生臭く感じさせてしまうからです。
・握りにはワサビではなくショウガを使うことが多いです。
・翌日は、bに近いシメサバとして供することも多いです。(塩と酢の時間が長めだとcに近くなります。)
b. 仕込んだ翌日に供することを前提にしたもので、翌日の時点で、血合いに赤さが残る程度に軽めに締めたもの
・塩の時間は短め(1~2時間位)、酢の時間も短め(10~40分位)が多いです。
・握りにはワサビを使います。
・当日にショウガを使って供する場合もあります。(この場合、塩の時間は長め、酢の時間は短めです。)
・翌々日には、血合いは黒っぽく変色します。
c. 仕込んだ翌日と翌々日に供することを前提にしたもので、
翌日の時点で、血合いがやや茶色っぽくなるほど強めに締めたもの
・塩の時間は長め(2.5~4時間位)、酢の時間も長め(1.5~3.5時間位)が多いです。
・酸味の強いシメサバになります。
・サバの特徴がかなり緩和されるので、苦手な人にも食べやすくなります。
・握りにはワサビを使います。
・翌々日には、血合いは完全に黒っぽく変色します。
【 レシピ 】
翌日に供する、上記bのタイプのシメサバです。
・サバ特有の臭みが少ない、上物のサバを使う場合なので、塩と酢の時間を短くしています。
・上物のサバが手に入らない場合は、塩と酢の時間を長めにしてください。
・室温及び水温が高い時は、氷・冷水・冷蔵庫を使用してください。
・塩と酢の時間は、秋・冬を想定していますが、諸条件により変わります。
(材料)
・3枚におろし、腹骨を包丁ですきとった上物のサバ
・あら塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
※どんな酢を使うかによって、味わいが異なります。
私は、造りの良い、軽めで酸味が強めの米酢をブレンドし、キレのある味に仕上げることが多かったです。
砂糖・昆布・かんきつ類などを加える店もあります。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
①ザルに、ザルが見えなくなるほどの、たっぷりの塩をふります。
②皮を下にしてザルにサバを入れ、身の上からもたっぷりの塩をふります。
ザルを上から見ると、塩しか見えません。
③そのまま置きます。サバから水分が出て、塩が溶けてきたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、諸条件によりますが1時間~1時間半くらいが目安です。
※塩は、
・室温が高いほど早く回ります。
・湿度が高いほど早く回ります。
・脂の量が少ないほど早く回ります。
・身が薄いほど早く回ります。
④サバをボウルに入れ、流水で水洗いして塩出しします。
慣れないうちは、ここでサバの味をみてください。
塩辛いと感じるようでは明らかに塩出しが足りません。
・酸味が強めの味に仕上げるならば、ほんの少しだけ塩味が強めだなという程度にしてください。
ただし、煮切り醤油やシャリの塩分も考慮してください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、少し塩味が弱めだなという程度にしてください。
ただし、塩を抜きすぎると、サバのクセが出やすくなります。
⑤皮を下にしてサバを別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして水切りします。
⑥冷やした好みの酢と、冷やしたミネラルウォーターを同量ボウルに入れます。
⑦サバを酢洗いします。
⑥の中でシャブシャブと洗い、皮目を下にして、別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
※シメサバの仕込みでは、酢洗いは行わない場合が多いです。省略してもかまいません。
⑧酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてサバを入れます。
酢はサバが全て浸かる量にしてください。
※酢の温度が高いと、薄皮をはがす時に、薄皮の下の皮もはがれてしまいます。
⑨サバの身の表面が少し白く(身の色が透けて見える程度)なってきたら、別のザルに上げ、
ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
酢に漬ける時間は、20分前後を目安にしてください。
⑩ある程度酢が切れたら、骨を抜き、ザルの下に皿を置いて、ラップし冷蔵庫で保存します。
サバから出た酢が皿にたまるので、時々取り除いてください。
※好みで、酢が切れてからサバの薄皮をむき、
⑧で使ったのと同じ酢(又は砂糖を加えた甘酢)で拭いてやわらかくした昆布か
白板昆布(酢又は甘酢に漬けたもの)を皮にあててください。
サバが苦手な人にも食べやすくなります。
⑪24時間くらい経てば美味しく食べられます。
※供する当日になってから、味を修正するために酢に漬け直さないでください。
食べた時に、生酢のきつい匂いが鼻を突く低調なすしになってしまいます。
3.供し方
◆生サバの場合
薄皮の下の皮を引き(薄皮をむくだけでも良いのですが、皮が生臭さを連想させるのでそうしました。)、
包丁で切りつけ、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
※薄皮をむいた生サバを、煮切り醤油に漬けるすし店もあります。(ゴマを加える店もあり)
◆シメサバの場合
仕込んだ翌日、薄皮をむき、包丁で切りつけ、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
※薄皮をむいた後、皮を香ばしくあぶってもOKです。
だから、Subjectに「関」も加えて、注目していただけるようにしました(笑)
好き嫌いがはっきりと分かれる魚ですね。
私が働いていた料理店では、お客さんにサバの料理を出すことはありませんでした。
店のイメージの問題もあったでしょうが、何よりも親方が体質的にサバを苦手としていましたので。
江戸前のすしで使われるのは、真サバです。
以下、サバと書いてあるのは、全て真サバのことです。
学生時代、大分出身の友人が、「サバの刺身が食べたい」、というのを聞いてびっくりしました。
当時、東京では生サバを食べませんでしたし、サバ=アニサキス(寄生虫)と思っていましたから。
(私が使ったサバの身に、アニサキスが寄生していたことはありません。)
その後、関サバが有名になり、東京のすし店でも生の関サバが使われるようになり、
私も、その美味しさを知ることができました。
江戸前のすしの名店で、生サバを使う店はあまりありませんし、一種の邪道扱いされているのも知っていますが、
私は、生サバは江戸前のすしに合うと思っています。
我が家の人気ネタ(タネ)でもありました。
東京の江戸前のすし店では通常、シメサバ(江戸前のサバのきずし)にして使います。
シメサバは本来の江戸前の仕事ではない、という考えで使わないすし店もありますが、
私にとってはどうでもいいことですし、私も家族もシメサバ好きなので、若い頃からよく使いました。
シメサバにできる、鮮度が良く魚体の充実したサバでも、値段はピンキリで、若い頃は“キリ”の方しか使えませんでした。
それでも、塩と酢の使い方次第で、それなりに美味しくはなります。
金銭的に余裕ができてからは、地元にある上物を扱う鮮魚店で、各地の“ピン”(=上物)のサバを使うようになりました。
私が使った上物のサバに共通するのは、以下の点です。
・釣りものである
・東京湾以西の水道または内海で漁獲されたものである (その海に根付いたものは更に質が良い)
・漁師・流通業者の扱いが丁寧である
・脂のノリと質が上品で、サバ特有の臭みが少ない
上物のサバの持ち味を活かした、江戸前のすしに合うシメサバをつくるためには、
“キリ”のサバとは、塩と酢の使い方を変えた方が良いことも分かりました。
1.仕入(築地場内市場)
生で使ったサバ(関サバ)と、シメサバにしたサバに分けて書きます。
◆生サバ(関サバ)
生で使われるサバで、築地で評価の高かったのは、やはり豊後水道の関サバです。
佐賀関で活け締め・血抜きされ、築地にやってきます。
ほとんど1年中入荷がありましたが、旬は真冬です。
関サバは脂がのっていなくて味気ないという人がいますが、
おそらく旬外れの時期のものか、何日も生け簀で泳がされたものを食べたのだと思います。
旬の上物の関サバには、質の良い脂がしっかりとのっていて、味わいがあります。
築地に並ぶ関サバは、身がゆるくて生では使えない、と言うすし職人がいますが、
それは理解できるところで、私も生で使える関サバを見つけるのに苦労しました。
築地に並んでいる時点で、すでに身が硬直しているものは、夜には身がゆるくなってしまいます。
関サバは、日本料理や江戸前のすしの高級店が使う定番の魚ではありませんから、
行きつけの上物の仲卸しでは扱っていませんでした。
扱っていれば苦労しなくて済んだのですが。
幸い、築地場内を歩き回っているうちに、活けの身質を保った、上物の関サバを扱う仲卸しを見つけることができました。
私がその仲卸しで仕入れていた関サバは、佐賀関の漁協が出荷するものではなく、
築地でも魚の扱いが良いことで知られる、佐賀関のある水産会社が出荷したものです。
地元にある上物を扱う鮮魚店のご主人も、関サバはその水産会社が出荷したものを仕入れていましたし、
私もそれを何度も使っていましたから、安心でした。
活け締めする時間帯や、魚の扱い(硬直させない氷の使い方等)が適切だったからでしょう、
漁協のものよりも高値で取引されていて、その日の夜に使うのにちょうど良いものばかりでした。
私は、関サバをシメサバにしたことはありませんが、旬の真冬にすし店で食べたことがあります。
関サバはシメサバには向かない、という一般論に反して美味しかったです。
佐賀関の対岸、愛媛県の三崎で水揚げされる豊後水道の釣りサバも、岬(はな)サバとして有名です。
築地にも入荷がありましたが、魚自体は良くても状態が悪く、また関サバほどのブランド価値がないため、
さほど高くは評価されていませんでした。
◆シメサバ用
東京の江戸前のすしの名店が、シメサバ用として最も使いたがるサバは、東京湾口、浦賀水道の釣りもの、松輪のサバです。
地元にある上物を扱う鮮魚店のご主人も、松輪のサバを好んで仕入れていましたので、
何度も使い、その素晴らしさはよくわかっていました。
また、松輪は、時々釣りに行った場所でもあるため、愛着がありました。
松輪のサバは、8月後半くらいから良いものが出回りはじめ、秋に旬を迎えます。
築地では、行きつけの仲卸しも、当然とばかりに松輪のサバを扱っていたので、
とびっきりの上物を仕入れることができました。
築地には、他の産地からも上物の秋サバが入荷されていましたが、
松輪の上物がとても素晴らしかったので使う気になれず、一度も仕入れませんでした。
松輪のサバの旬が終わった後は、関サバ以外にも寒サバの良いものが入荷されていましたが、
その時期は関サバを仕入れ、生で使っていました。
2.仕込み(シメサバ)
東京の江戸前のすし店の典型的なシメサバには、大きく分けて次の3つのタイプがあると思います。
(塩と酢の時間は、秋・冬を想定していますが、諸条件により変わります。)
a. 仕込んだ当日に、生に近い状態で供することを前提にしたもの
・塩の時間は長め(3~5時間位)、酢の時間は極端に短め(酢をくぐらせるだけ又は数分~10分位)が多いです。
酢の時間が短いのは、仕込んだ当日の酢は、サバを生臭く感じさせてしまうからです。
・握りにはワサビではなくショウガを使うことが多いです。
・翌日は、bに近いシメサバとして供することも多いです。(塩と酢の時間が長めだとcに近くなります。)
b. 仕込んだ翌日に供することを前提にしたもので、翌日の時点で、血合いに赤さが残る程度に軽めに締めたもの
・塩の時間は短め(1~2時間位)、酢の時間も短め(10~40分位)が多いです。
・握りにはワサビを使います。
・当日にショウガを使って供する場合もあります。(この場合、塩の時間は長め、酢の時間は短めです。)
・翌々日には、血合いは黒っぽく変色します。
c. 仕込んだ翌日と翌々日に供することを前提にしたもので、
翌日の時点で、血合いがやや茶色っぽくなるほど強めに締めたもの
・塩の時間は長め(2.5~4時間位)、酢の時間も長め(1.5~3.5時間位)が多いです。
・酸味の強いシメサバになります。
・サバの特徴がかなり緩和されるので、苦手な人にも食べやすくなります。
・握りにはワサビを使います。
・翌々日には、血合いは完全に黒っぽく変色します。
【 レシピ 】
翌日に供する、上記bのタイプのシメサバです。
・サバ特有の臭みが少ない、上物のサバを使う場合なので、塩と酢の時間を短くしています。
・上物のサバが手に入らない場合は、塩と酢の時間を長めにしてください。
・室温及び水温が高い時は、氷・冷水・冷蔵庫を使用してください。
・塩と酢の時間は、秋・冬を想定していますが、諸条件により変わります。
(材料)
・3枚におろし、腹骨を包丁ですきとった上物のサバ
・あら塩 (精製塩は不可) 適量
・冷やした好みの酢 適量
※どんな酢を使うかによって、味わいが異なります。
私は、造りの良い、軽めで酸味が強めの米酢をブレンドし、キレのある味に仕上げることが多かったです。
砂糖・昆布・かんきつ類などを加える店もあります。
・冷やしたミネラルウォーター(軟水) 適量
①ザルに、ザルが見えなくなるほどの、たっぷりの塩をふります。
②皮を下にしてザルにサバを入れ、身の上からもたっぷりの塩をふります。
ザルを上から見ると、塩しか見えません。
③そのまま置きます。サバから水分が出て、塩が溶けてきたら、次の水洗いに移ります。
塩の時間は、諸条件によりますが1時間~1時間半くらいが目安です。
※塩は、
・室温が高いほど早く回ります。
・湿度が高いほど早く回ります。
・脂の量が少ないほど早く回ります。
・身が薄いほど早く回ります。
④サバをボウルに入れ、流水で水洗いして塩出しします。
慣れないうちは、ここでサバの味をみてください。
塩辛いと感じるようでは明らかに塩出しが足りません。
・酸味が強めの味に仕上げるならば、ほんの少しだけ塩味が強めだなという程度にしてください。
ただし、煮切り醤油やシャリの塩分も考慮してください。
・酸味が控えめな味に仕上げるならば、少し塩味が弱めだなという程度にしてください。
ただし、塩を抜きすぎると、サバのクセが出やすくなります。
⑤皮を下にしてサバを別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして水切りします。
⑥冷やした好みの酢と、冷やしたミネラルウォーターを同量ボウルに入れます。
⑦サバを酢洗いします。
⑥の中でシャブシャブと洗い、皮目を下にして、別のザルに上げ、ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
※シメサバの仕込みでは、酢洗いは行わない場合が多いです。省略してもかまいません。
⑧酢に漬けます。
冷やした好みの酢をボウルに入れ、皮を下にしてサバを入れます。
酢はサバが全て浸かる量にしてください。
※酢の温度が高いと、薄皮をはがす時に、薄皮の下の皮もはがれてしまいます。
⑨サバの身の表面が少し白く(身の色が透けて見える程度)なってきたら、別のザルに上げ、
ザルを立て掛けるようにして酢を切ります。
酢に漬ける時間は、20分前後を目安にしてください。
⑩ある程度酢が切れたら、骨を抜き、ザルの下に皿を置いて、ラップし冷蔵庫で保存します。
サバから出た酢が皿にたまるので、時々取り除いてください。
※好みで、酢が切れてからサバの薄皮をむき、
⑧で使ったのと同じ酢(又は砂糖を加えた甘酢)で拭いてやわらかくした昆布か
白板昆布(酢又は甘酢に漬けたもの)を皮にあててください。
サバが苦手な人にも食べやすくなります。
⑪24時間くらい経てば美味しく食べられます。
※供する当日になってから、味を修正するために酢に漬け直さないでください。
食べた時に、生酢のきつい匂いが鼻を突く低調なすしになってしまいます。
3.供し方
◆生サバの場合
薄皮の下の皮を引き(薄皮をむくだけでも良いのですが、皮が生臭さを連想させるのでそうしました。)、
包丁で切りつけ、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
※薄皮をむいた生サバを、煮切り醤油に漬けるすし店もあります。(ゴマを加える店もあり)
◆シメサバの場合
仕込んだ翌日、薄皮をむき、包丁で切りつけ、ワサビを挟んで握り、煮切り醤油をつけて供します。
※薄皮をむいた後、皮を香ばしくあぶってもOKです。