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Post by 管理人 on Jan 13, 2015 18:36:35 GMT 9
標準和名と築地での呼称はアカムツですが、ノドグロ(ノドクロ)の方が一般的に知られていると思います。
金沢など日本海側のすし店では、よく使われているようです。
いくつかの築地のすし店でも食べたことがあります。大型の上物は使われていませんでしたが。
少し仕事をすると、シャリとの相性がとても良くなると思います。
1.仕入れ (築地場内市場)
高級魚ですが、日本料理や江戸前のすしの高級店が使う定番の魚ではありません。
ですから、行きつけの仲卸しでは、ノドグロを扱っていませんでした。
日本海側、特に北陸あたりが本場なのでしょうが、築地に入荷される日本海側のノドグロは小型 ・ 中型のものが多く、
常に状態(鮮度と魚の扱われ方)が良くなかったので、評価は低かったです。
流通過程に問題があったのだと思います。
私が仕入れていたのは、佐島産(三浦半島)など、近場の釣りものです。
近場の釣りもののノドグロは扱いも良く、鮮やかな赤色で美しく、とても甘味があります。 (ウロコをとってしまうと、美しくありませんが。)
当時、冬になると2軒の仲卸しが、競うように近場の大型のノドグロを店頭に並べていましたので、
2店のノドグロを比べ、より良い1.5キロ以上(築地でも1日に数匹しかない)の釣りの上物を仕入れました。
その日築地で1番のノドグロを仕入れていたのは、間違いなく私だったでしょう。
2.仕込みと供し方
皮を香ばしくあぶるなど、色々と試しましたが、一番受けが良かったのは、昆布締めにしたものです。
少し贅沢な昆布締めを紹介します。
【レシピ】
ウロコをとったノドグロを3枚におろし、背と腹に切り分けて、背の身だけ使います。
(材料)
・ノドグロの皮つきの背の身(骨はつけない)
・あら塩(精製塩は不可) 適量
・造りの良い純米酒 (ただし苦みを感じさせないもの) 適量
・常温の煮切り酒 (造りの良い純米酒を煮切ったもの) 適量
・よく冷えた煮切り酒 (造りの良い純米酒を煮切って冷蔵庫で冷やしたもの) 適量
・煮切り酒でつくった氷 (造りの良い純米酒を煮切って凍らせたもの) 適量
・上質の日高昆布又は羅臼昆布 適量
①昆布をノドグロの大きさに合わせて切り、常温の煮切り酒で拭き、ラップで包んでおきます。
②ノドグロをザルに置き、両面に塩を振ります。
煮切り醤油と昆布の塩分も考慮し、薄く振ります。
③塩が馴染んだら、表面に出た水分をキッチンペーパー等でとります。
④皮を上にしてノドグロを別のザルに置き、薄い布巾をかぶせます。
⑤ボウルに、よく冷えた煮切り酒と塩を入れてかき混ぜ、さらに煮切り酒でつくった氷を入れます。
⑥鍋に純米酒を入れて煮切ります。
⑦⑥で煮切った純米酒を、布巾の上からノドグロの皮にかけます。
⑧ノドグロを⑤に入れて冷やし、すぐに別のザルに上げ、キッチンペーパー等で水気をとります。
⑨ノドグロを少しやわらかくなった①の昆布に挟み、ラップで包んで冷蔵庫に入れます。
⑩ノドグロに、昆布の香りが好みの程度ついたら昆布をはずし、皿に移してラップで包み、冷蔵庫に置きます。
昆布の香りがつくと共に、身がほどよく締まります。
⑪供し方
供する少し前に、ノドグロを冷蔵庫から出し、適温にしてから使ってください。
包丁で切りつけ、ワサビをつけて握り、煮切り醤油をつけて供します。
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