マコガレイ (真子鰈) makogarei karei edomae
Jun 6, 2015 14:25:05 GMT 9
Post by 管理人 on Jun 6, 2015 14:25:05 GMT 9
マコガレイは、大分県日出町の「城下かれい」で有名なカレイです。
江戸前のすしでは伝統的なネタ(タネ)ではありませんが、
一定レベル以上の東京のすし店では、今や夏の定番という感じです。
子供の頃から、父と東京湾で頻繁に釣った魚なので、個人的にとても愛着があります。
東京湾の釣り人達は、小さなものを「から揚げサイズ」、大きなものを「お刺身サイズ」と呼んでいました。
実は小さなものでも、身が活きているうちならば、刺身でもけっこう美味しく食べることが出来るのですが、
活け締めしても活けの身質を保てる時間はわずかで、また生きたまま持ち帰るのは、
よほど準備していない限り難しいため(小さなものは生命力が弱い)、から揚げなどで食べることになるわけです。
東京湾では「お刺身サイズ」がなかなか釣れないのですが、
子供の頃は、イシガレイと共に、船からも陸からも、今よりは多く大型のもの(と云っても2キロに満たない)が釣れました。
段々と「お刺身サイズ」が釣れる頻度は落ちてしまい、
最後に大型を釣ったのは父が羽田沖、私が富津沖でしたが、両方ともとても美味しかったのを今でもはっきりと覚えています。
1.仕入れ (築地場内)
元々マコガレイは高級魚ではなかったはずですが、今や活けの上物は大変な高値です。
築地場内では、夏のマコガレイの相場は冬のヒラメと同格で、
入荷が少なくなる真夏には上回ることも珍しくありませんでした。
漁獲量が激減したこと、流通の発達により活けのマコガレイの美味しさが広く知れ渡ったこと、
活けの白身に良いものが少ない夏に使えること、すし店の需要が激増したことなどが原因でしょう。
マコガレイは、活けでなければ真価が発揮されません。
当然、活けを狙います。
評価の高いサイズは、1.8~3キロ(3キロ級はあまり無い)くらいで、肉厚でズングリとしたものです。
当時築地で定評のあった産地は大型サイズの多い常磐で、マコガレイの上物=常磐という感じでした。
「城下かれい」の入荷もありましたが、1キロ前後の小さなものばかりで、
尚且つ仲卸しからも料理人からもあまり信用されていなかったため、
(淡水の涌く、いわゆる“城下”ではなく、他の漁場で漁獲されたものがほとんどで、質は他の産地の上物に劣る、という見方。)
名高い割には評価が高くありませんでした。
東京湾産も小さなものがほとんどなのですが、稀に上物の入荷がありました。
東京湾産の場合、身が分厚く1.5キロくらいあれば、常磐産の大型サイズよりも上質だと思います。
お世話になっていた活魚を扱う仲卸しのご主人も、東京湾産を一番高く評価していました。
その仲卸しの水槽で、東京湾産の上物のマコガレイを何度か見ましたが、
そんな時に限ってホシガレイの注文を入れていたので、残念ながら東京湾産を仕入れることはできず、
私が築地場内で仕入れたのは常磐産のみでした。
私の築地での夏場の活魚の仕入れは、シマアジとホシガレイが中心だったので、
マコガレイを仕入れた回数は多くはありませんが、いずれも満足のいくものでした。
マコガレイは北海道から九州まで広く分布し、産卵期に幅があるため、旬の時期も地域によって差がありますが、
一般的には漁獲量が多く産卵と関係のない夏が旬とされます。
私は、春・夏・秋・冬の東京湾の大型のマコガレイの味をよく知っていますが、
産卵後それほど時間が経っていない2月でも美味しいので、産卵からの回復が早い魚なのでしょう。
※大きく成長するのはメスだけです。
よく言われる通り、卵が大きい時期と産卵直後を除けば比較的安定していると思います。
春から初秋にかけて活け物が出回るので(初夏に漁獲が多い)、
卵が小さく身の分厚い上物を選べば、出荷調整されたものや前日の売れ残りを掴まされない限り、
満足な仕入れができると思います。
その時期に仕入れるならば、外れるリスクの高いホシガレイよりも、マコガレイの方がオススメできます。
2.仕込みと供し方
ヒラメやホシガレイと同じようにコケを引いてから(包丁で両面のウロコを切り取る)、5枚おろしにして使います。
産地によっては泥臭かったりクセがあったりするようなので、そういう場合は洗いにすると良いと思いますが、
名産地の上物ならば刺身がおススメです。
ポン酢 ・ 塩とスダチ ・ 煎り酒 ・ 梅肉 ・ 梅酢など色々な形で食べられますが、
上物ならばシンプルにワサビと醤油で食べるのが一番だと思います。
自分からは握りませんでしたが、リクエストがあった時は、
少し厚めに切りつけ、包丁目を入れて硬さを緩和し、シャリを極端に少なくして、味覚と硬さのバランスをとり、
ワサビを挟んで握り、煮切り醤油か塩+かんきつ果汁で供しました。
江戸前のすしでは伝統的なネタ(タネ)ではありませんが、
一定レベル以上の東京のすし店では、今や夏の定番という感じです。
子供の頃から、父と東京湾で頻繁に釣った魚なので、個人的にとても愛着があります。
東京湾の釣り人達は、小さなものを「から揚げサイズ」、大きなものを「お刺身サイズ」と呼んでいました。
実は小さなものでも、身が活きているうちならば、刺身でもけっこう美味しく食べることが出来るのですが、
活け締めしても活けの身質を保てる時間はわずかで、また生きたまま持ち帰るのは、
よほど準備していない限り難しいため(小さなものは生命力が弱い)、から揚げなどで食べることになるわけです。
東京湾では「お刺身サイズ」がなかなか釣れないのですが、
子供の頃は、イシガレイと共に、船からも陸からも、今よりは多く大型のもの(と云っても2キロに満たない)が釣れました。
段々と「お刺身サイズ」が釣れる頻度は落ちてしまい、
最後に大型を釣ったのは父が羽田沖、私が富津沖でしたが、両方ともとても美味しかったのを今でもはっきりと覚えています。
1.仕入れ (築地場内)
元々マコガレイは高級魚ではなかったはずですが、今や活けの上物は大変な高値です。
築地場内では、夏のマコガレイの相場は冬のヒラメと同格で、
入荷が少なくなる真夏には上回ることも珍しくありませんでした。
漁獲量が激減したこと、流通の発達により活けのマコガレイの美味しさが広く知れ渡ったこと、
活けの白身に良いものが少ない夏に使えること、すし店の需要が激増したことなどが原因でしょう。
マコガレイは、活けでなければ真価が発揮されません。
当然、活けを狙います。
評価の高いサイズは、1.8~3キロ(3キロ級はあまり無い)くらいで、肉厚でズングリとしたものです。
当時築地で定評のあった産地は大型サイズの多い常磐で、マコガレイの上物=常磐という感じでした。
「城下かれい」の入荷もありましたが、1キロ前後の小さなものばかりで、
尚且つ仲卸しからも料理人からもあまり信用されていなかったため、
(淡水の涌く、いわゆる“城下”ではなく、他の漁場で漁獲されたものがほとんどで、質は他の産地の上物に劣る、という見方。)
名高い割には評価が高くありませんでした。
東京湾産も小さなものがほとんどなのですが、稀に上物の入荷がありました。
東京湾産の場合、身が分厚く1.5キロくらいあれば、常磐産の大型サイズよりも上質だと思います。
お世話になっていた活魚を扱う仲卸しのご主人も、東京湾産を一番高く評価していました。
その仲卸しの水槽で、東京湾産の上物のマコガレイを何度か見ましたが、
そんな時に限ってホシガレイの注文を入れていたので、残念ながら東京湾産を仕入れることはできず、
私が築地場内で仕入れたのは常磐産のみでした。
私の築地での夏場の活魚の仕入れは、シマアジとホシガレイが中心だったので、
マコガレイを仕入れた回数は多くはありませんが、いずれも満足のいくものでした。
マコガレイは北海道から九州まで広く分布し、産卵期に幅があるため、旬の時期も地域によって差がありますが、
一般的には漁獲量が多く産卵と関係のない夏が旬とされます。
私は、春・夏・秋・冬の東京湾の大型のマコガレイの味をよく知っていますが、
産卵後それほど時間が経っていない2月でも美味しいので、産卵からの回復が早い魚なのでしょう。
※大きく成長するのはメスだけです。
よく言われる通り、卵が大きい時期と産卵直後を除けば比較的安定していると思います。
春から初秋にかけて活け物が出回るので(初夏に漁獲が多い)、
卵が小さく身の分厚い上物を選べば、出荷調整されたものや前日の売れ残りを掴まされない限り、
満足な仕入れができると思います。
その時期に仕入れるならば、外れるリスクの高いホシガレイよりも、マコガレイの方がオススメできます。
2.仕込みと供し方
ヒラメやホシガレイと同じようにコケを引いてから(包丁で両面のウロコを切り取る)、5枚おろしにして使います。
産地によっては泥臭かったりクセがあったりするようなので、そういう場合は洗いにすると良いと思いますが、
名産地の上物ならば刺身がおススメです。
ポン酢 ・ 塩とスダチ ・ 煎り酒 ・ 梅肉 ・ 梅酢など色々な形で食べられますが、
上物ならばシンプルにワサビと醤油で食べるのが一番だと思います。
自分からは握りませんでしたが、リクエストがあった時は、
少し厚めに切りつけ、包丁目を入れて硬さを緩和し、シャリを極端に少なくして、味覚と硬さのバランスをとり、
ワサビを挟んで握り、煮切り醤油か塩+かんきつ果汁で供しました。