茶 (日本茶 ・ 緑茶) tya nihontya ryokutya edomae
Aug 8, 2015 15:23:14 GMT 9
Post by 管理人 on Aug 8, 2015 15:23:14 GMT 9
お茶は、ガリと共に重要な口直しの役割を担います。
同時に、ガリと同じく繰り返し口にするため、すし全体の良し悪しにも影響を与えます。
お茶はあくまでも口直しであって美味しいお茶はすしに不向きとし、
安くて不味いお茶を出す高級店も中にはありますし、そういう能書きもよく見聞きします。
でも、私はすしにとってお茶とは、そのような消極的なものではないと思っています。
すしの名店でも多くの場合、香り・旨み・渋み・苦みのバランスのとれたお茶を出しています。
すしに合う美味しいお茶を飲みながら食べた方が、すしに対する満足感も高まります。
江戸前のすし店では、昔から粉茶が使われています。
茶漉しに入れて湯を注げば、すぐに必要な濃度のお茶が出せることに加え、
値段が安いことも使われる大きな理由でしょう。
でも、いくつものすしの名店でお茶について伺うと、
粉茶だけでなく煎茶・芽茶・抹茶などをブレンドしているところが大半でした。
1.仕入れ (各地)
東京のすし店の多くが使うのは静岡茶。
仕入先は、築地場内・場外に店舗を持つ有名な日本茶専門店や、
すし店と取引のある海苔店(海苔店の多くがお茶を扱っている)などが多く、
それらの店から、粉茶ならびにブレンドに使う煎茶・芽茶・抹茶などを仕入れているようです。
私もすしに合うお茶をと思い、若い頃は築地の有名な上記専門店や海苔店で、
すし店で使われている粉茶・煎茶・芽茶の上等品を仕入れて使ってみましたが、
父がほとんど飲んでくれませんでした。 _| ̄|〇
また、私が働いていた日本料理店で使っていた、とても素晴らしい宇治茶の高級品も、
父の好みではありませんでした。 \__〇_
飲んでもらえないと口直しにもなりません。
ですから、父の好みに合うお茶を選択することになりました。
典型的なすし用のお茶とは異なりますが、入れ方次第で充分に口直しの役割を果たせ、
また甘味を加えないガリが口直しに大きな力を発揮してくれたので、特に問題はありませんでした。
◆求めた茶質
父ならびに我が家のお茶の好みははっきりしていて、それは70年代頃までの狭山茶です。
昔の狭山茶は、さほど高価ではない煎茶や茎茶でさえも抜群に美味しく、
色は濃く深い緑色、渋み・苦みは控えめ、甘味が豊かで香りのいいお茶でした。
妻の実家も昔は狭山茶を愛飲していたので、妻も昔の狭山茶のすごさをよく知っていました。
あの美味しかった狭山茶はどこに行ってしまったのだろうと、
90年代前半に名産地・主産地の入間市(埼玉)の
茶農家兼販売店(狭山茶は栽培・製茶・販売を一貫して行っているところが多い)を
いくつも廻って試飲させていただいたところ、やはり茶質が違う。
美味しいお茶もあるけれど、茶質は静岡茶にありがちなものでした。
昔の美味しかった狭山茶はどうしたのかと伺うと、皆さん顔を曇らせました。
質が落ちたことを、痛いほど自覚しているようでした。
茶畑の激減に伴う他産地からの茶葉の混入、茶の品種の変更、栽培方法の変更のせいではないかと思い、
ある茶農家兼販売店のご主人に伺ったところ、
それよりも、80年代あたりから各製茶者が製茶機を次々と入れ替え、
それに伴い製茶工程が変わり、それが茶質を大きく変化させたとのことでした。
昔は、製茶期間中はろくに寝ることもできなかったけれど、新しい製茶機を導入してからは楽になったそうです。
人の介在する余地がほとんどなくなったのだろうと思います。
おそらく、少額の自己負担で製茶機を入れ替えることが出来るよう、
補助金(=税金)がばら撒かれたため、短期間の間に次々と製茶機が入れ替わっていったのだと思います。
製茶機メーカーは儲かり、製茶する人達は楽をし、消費者は質の落ちたお茶を飲むことになったわけです。
狭山茶以外でも同様の変化があったのかもしれません。
最近になって久しぶりに狭山茶を飲む機会が何度かありましたが、
中には昔の狭山茶に近い茶質のものもありました。
昔の抜群に美味しかった狭山茶の復活を期待します。
というわけで、昔の狭山茶に近い茶質のお茶を探すことになりました。
◆無農薬有機栽培茶の使用
色々と調べていくと、一般にお茶の栽培は農薬依存度が非常に高いことが分かりました。
都内・埼玉県内・その他の茶畑で、毒々しい匂いを周囲に漂わせながら、
しみ込むほどにじっくり・たっぷりと茶葉に農薬をかけている様子も、実際に何度も目にしました。
そういう光景を見てしまうと、家族にだけはそんなものを飲ませたくはないと思います。
栽培している農家も、自分たちが飲む茶葉には農薬をかけていないでしょう。
したがって、農薬使用のお茶は選択肢から外れました。
各地から無農薬有機栽培のお茶を取り寄せて使ってみたところ、
昔の狭山茶のようなものはありませんでしたが、父にも飲んでもらえるお茶をいくつか見つけたので、
それらをブレンドして使うことになりました。
2.供し方
使う水は、ミネラルをバランス良く含む(特に、カルシウム > ナトリウム)軟水が向いています。
私は軟水のミネラルウォーターを使いました。
粉茶でも芽茶でも煎茶でも抹茶でも、お茶は水の温度によって味も香りも変わります。
旨味を強調するならば低い温度で、
口直しに重要な役目を果たす渋み・苦みを強調するならば高い温度で入れます。
すしの場合は、口直しのため渋み・苦みを強調し、
且つ魚介類のクセを感じることのないよう、高温の湯で少し濃い目に入れるのが普通で、
お茶は温度が低くなる前にまめに差し替えます。
更に突き詰め、ネタ(タネ)によって、温度・濃度・茶葉を変えると、
よりいっそうすしを美味しく味わうことが出来ます。
また、抽出時間や使う茶葉の量によっても味や香りを変えることが出来ます。
お酒を飲みながらすしを食べる場合も、
合い間、合い間に変化をつけたお茶を飲むと、より美味しくすしを食べ進めることが出来ると思います。
同時に、ガリと同じく繰り返し口にするため、すし全体の良し悪しにも影響を与えます。
お茶はあくまでも口直しであって美味しいお茶はすしに不向きとし、
安くて不味いお茶を出す高級店も中にはありますし、そういう能書きもよく見聞きします。
でも、私はすしにとってお茶とは、そのような消極的なものではないと思っています。
すしの名店でも多くの場合、香り・旨み・渋み・苦みのバランスのとれたお茶を出しています。
すしに合う美味しいお茶を飲みながら食べた方が、すしに対する満足感も高まります。
江戸前のすし店では、昔から粉茶が使われています。
茶漉しに入れて湯を注げば、すぐに必要な濃度のお茶が出せることに加え、
値段が安いことも使われる大きな理由でしょう。
でも、いくつものすしの名店でお茶について伺うと、
粉茶だけでなく煎茶・芽茶・抹茶などをブレンドしているところが大半でした。
1.仕入れ (各地)
東京のすし店の多くが使うのは静岡茶。
仕入先は、築地場内・場外に店舗を持つ有名な日本茶専門店や、
すし店と取引のある海苔店(海苔店の多くがお茶を扱っている)などが多く、
それらの店から、粉茶ならびにブレンドに使う煎茶・芽茶・抹茶などを仕入れているようです。
私もすしに合うお茶をと思い、若い頃は築地の有名な上記専門店や海苔店で、
すし店で使われている粉茶・煎茶・芽茶の上等品を仕入れて使ってみましたが、
父がほとんど飲んでくれませんでした。 _| ̄|〇
また、私が働いていた日本料理店で使っていた、とても素晴らしい宇治茶の高級品も、
父の好みではありませんでした。 \__〇_
飲んでもらえないと口直しにもなりません。
ですから、父の好みに合うお茶を選択することになりました。
典型的なすし用のお茶とは異なりますが、入れ方次第で充分に口直しの役割を果たせ、
また甘味を加えないガリが口直しに大きな力を発揮してくれたので、特に問題はありませんでした。
◆求めた茶質
父ならびに我が家のお茶の好みははっきりしていて、それは70年代頃までの狭山茶です。
昔の狭山茶は、さほど高価ではない煎茶や茎茶でさえも抜群に美味しく、
色は濃く深い緑色、渋み・苦みは控えめ、甘味が豊かで香りのいいお茶でした。
妻の実家も昔は狭山茶を愛飲していたので、妻も昔の狭山茶のすごさをよく知っていました。
あの美味しかった狭山茶はどこに行ってしまったのだろうと、
90年代前半に名産地・主産地の入間市(埼玉)の
茶農家兼販売店(狭山茶は栽培・製茶・販売を一貫して行っているところが多い)を
いくつも廻って試飲させていただいたところ、やはり茶質が違う。
美味しいお茶もあるけれど、茶質は静岡茶にありがちなものでした。
昔の美味しかった狭山茶はどうしたのかと伺うと、皆さん顔を曇らせました。
質が落ちたことを、痛いほど自覚しているようでした。
茶畑の激減に伴う他産地からの茶葉の混入、茶の品種の変更、栽培方法の変更のせいではないかと思い、
ある茶農家兼販売店のご主人に伺ったところ、
それよりも、80年代あたりから各製茶者が製茶機を次々と入れ替え、
それに伴い製茶工程が変わり、それが茶質を大きく変化させたとのことでした。
昔は、製茶期間中はろくに寝ることもできなかったけれど、新しい製茶機を導入してからは楽になったそうです。
人の介在する余地がほとんどなくなったのだろうと思います。
おそらく、少額の自己負担で製茶機を入れ替えることが出来るよう、
補助金(=税金)がばら撒かれたため、短期間の間に次々と製茶機が入れ替わっていったのだと思います。
製茶機メーカーは儲かり、製茶する人達は楽をし、消費者は質の落ちたお茶を飲むことになったわけです。
狭山茶以外でも同様の変化があったのかもしれません。
最近になって久しぶりに狭山茶を飲む機会が何度かありましたが、
中には昔の狭山茶に近い茶質のものもありました。
昔の抜群に美味しかった狭山茶の復活を期待します。
というわけで、昔の狭山茶に近い茶質のお茶を探すことになりました。
◆無農薬有機栽培茶の使用
色々と調べていくと、一般にお茶の栽培は農薬依存度が非常に高いことが分かりました。
都内・埼玉県内・その他の茶畑で、毒々しい匂いを周囲に漂わせながら、
しみ込むほどにじっくり・たっぷりと茶葉に農薬をかけている様子も、実際に何度も目にしました。
そういう光景を見てしまうと、家族にだけはそんなものを飲ませたくはないと思います。
栽培している農家も、自分たちが飲む茶葉には農薬をかけていないでしょう。
したがって、農薬使用のお茶は選択肢から外れました。
各地から無農薬有機栽培のお茶を取り寄せて使ってみたところ、
昔の狭山茶のようなものはありませんでしたが、父にも飲んでもらえるお茶をいくつか見つけたので、
それらをブレンドして使うことになりました。
2.供し方
使う水は、ミネラルをバランス良く含む(特に、カルシウム > ナトリウム)軟水が向いています。
私は軟水のミネラルウォーターを使いました。
粉茶でも芽茶でも煎茶でも抹茶でも、お茶は水の温度によって味も香りも変わります。
旨味を強調するならば低い温度で、
口直しに重要な役目を果たす渋み・苦みを強調するならば高い温度で入れます。
すしの場合は、口直しのため渋み・苦みを強調し、
且つ魚介類のクセを感じることのないよう、高温の湯で少し濃い目に入れるのが普通で、
お茶は温度が低くなる前にまめに差し替えます。
更に突き詰め、ネタ(タネ)によって、温度・濃度・茶葉を変えると、
よりいっそうすしを美味しく味わうことが出来ます。
また、抽出時間や使う茶葉の量によっても味や香りを変えることが出来ます。
お酒を飲みながらすしを食べる場合も、
合い間、合い間に変化をつけたお茶を飲むと、より美味しくすしを食べ進めることが出来ると思います。