ガリ (ショウガの酢漬け), レシピ gari recipe edomae
Jan 5, 2015 20:47:08 GMT 9
Post by 管理人 on Jan 5, 2015 20:47:08 GMT 9
ガリは、お茶と共に、口の中に残ったすしネタ(タネ)の香り ・ 味 ・ 脂を消し、
次のすしを美味しく食べるための、重要な役割を担います。
また、少量ずつでも繰り返し食べるため、すし全体の良し悪しにも影響を与えます。
私の知る江戸前のすしの名店のガリは、全て自家製です。
ガリはとても大切だから、納得のいくものを自ら作りたいと思うのは当然でしょう。
名店のガリも様々で、新ショウガやひねショウガを薄くスライスして漬けたもの、新ショウガを細く切って漬けたもの、
芽ショウガをスライスせずに漬けてそのまま又は食べる時に包丁で薄く切るもの、などがあります。
共通するのは、辛みと甘味は控えめだということです。
少数ですが、甘味を加えていない店もあります。
辛み ・ 甘味が強いと、味覚を麻痺させてしまいますから、正しい判断だと思います。
とても有名な店で、強烈に
(>.<)スッパ~~~イ!
ガリを食べましたが、いい反面教師になりました。
酸っぱすぎても、味覚が麻痺します。
私も様々なガリを作りました。
辛み ・ 酸味 ・ 甘みをどの程度にするか、が特に重要なポイントだと思いますが、
最終的には、辛みと酸味はマイルドで、甘味を加えないガリを、主に新ショウガをスライスして作りました。
私は、マグロのトロやアナゴなど、香り ・ 味 ・ 脂の強いネタをたくさん握りましたので、
甘いガリでは、口直しが出来ないと考えたからです。
また、酢で締めたネタを、1日目(料理人時代を除き、我が家では、すしは2日連続でした。)に使えないことが多いため、
甘くないガリに、その代役を果たしてもらったようなところもあります。
主に新ショウガをスライスして使ったのは、家族がより好んだからです。(ひねショウガでも美味しくできます)
私と家族は、砂糖を使わないシャリを好んだのと同様、甘味を加えないガリを好んだので、ちょうど良かったのですが、
一般的には、甘みを加えた方が好まれると思います。
1.仕入れ
ガリを自家製にしているすし店でも、
ほとんどの場合、既にスライスしてある近江生姜を妻屋(ワサビ ・ ガリ ・ 花穂などを扱う)で仕入れます。
でも、私はスライス済みのショウガは仕入れませんでした。
理由は、次の通り。
①スライス済みのショウガ(辛みをある程度抜いたものが多い)は、加工の過程で薬品が使われている可能性がある。
②ショウガの栽培では通常、土に多量の農薬が使用される。
そして、スライス済みのショウガには、農薬使用のものが使われている。
というわけで、私は無農薬有機栽培のショウガを仕入れ、ガリにも薬味にも、皮ごと使いました。
中国産のショウガが出回っていますが、使わないでください。辛過ぎます。
2.仕込み
辛みの抜き方と、どの程度辛みを残すかが最大の課題です。
スライサーは、業務用のものがオススメです。
一般に売られているスライサーでは、ペラペラに薄くスライスすることが出来ず、辛みを抜くのに手こずります。
どんな酢を使うかで、味が大きく異なりますので、厳選してください。
【レシピ】
(材料)
・無農薬有機栽培の新ショウガ(近江生姜) 適量
・造りの良い米酢(軽く酸味がマイルドなもの) 適量
・造りの良い辛口の純米酒(ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・あら塩(精製塩は不可) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水 ・ 軟水化したもの) 適量
①漬け酢を作ります。
ショウガを入れた時にヒタヒタになる量の米酢に、少量の塩と純米酒(たくさん入れるとショウガが発色しません)を加え、
ひと煮立ちさせ、冷まします。
ひと煮立ちさせるのは、酸味をマイルドにするためです。
長く煮立てると、くどい酢になりますので気を付けてください。
※日本酒は入れなくてもかまいません。
甘いガリがお好きな場合は、砂糖 ・ 白ザラメ ・ ハチミツなどを加えてください。
②ショウガの汚れを洗い落とし、水気を拭き取ります。
変色した部分は切り取ってください。
ピンク色の部分は使ってください。発色が良くなります。
※無農薬有機栽培のものが手に入らなければ、竹ベラ ・ スプーンなどで皮をむくことをオススメします。
農薬は、皮のすぐ内側の組織に多く残留するそうです。
③ショウガを繊維に沿って、スライサーでペラペラに薄くスライスします。
繊維に沿うのは、食感を良くするためです。
ここで、どの程度の辛みがあるか、どの程度の仕事が必要か、味見して判断してください。
※ひねショウガで辛みが強すぎる場合は、米のとぎ汁に半日~1日くらい漬けてください。
④(辛みが強い場合、又は米のとぎ汁につけた場合)ショウガを水洗いしてザルに上げ、水を切ります。
⑤ショウガにたっぷりの塩を振り、20~30分くらい、そのままにしておきます。
アク出しと下味、両方の意味があります。
※ひねショウガの場合は、塩の時間は2~3倍くらいとってください。
⑥ショウガをボウルに入れ、水で洗い流し、塩出しし、ザルで水気を切ります。
この後に湯につけることも考慮して、塩出しの加減を判断してください。
塩辛いガリは問題外ですが、甘味を加えないガリに全く下味がついていないと、美味しくありません。
出来上がりのガリには、ほんのりと塩味が付いている状態になるよう調整してください。
⑦鍋にたっぷりの水を入れて火にかけ、70℃くらいにし、米酢を少量加えて混ぜます。
湯の温度を低めにし、米酢を加えるのは、ショウガが黒っぽく変色するのを防ぐためです。
※ひねショウガの場合、湯は80℃くらいにしてください。
⑧⑦に塩出しを終えたショウガを入れ、ターゲットの辛さになるまで置きます。 味見して判断してください。
ただし、湯に長く入れたり、ゆでたりすると、黒っぽく変色する場合がありますので、気を付けてください。
⑨ショウガをザルに上げ、熱々のショウガを千切れないよう絞り、熱々のうちに①の漬け酢に漬けます。
新ショウガは、薄いピンク色に変色します。(ショウガの成分を抜きすぎると変色しません。)
熱いですし、傷みやすく(味が変わりやすく)なりますので、素手で絞らない方がいいです。
ただし、しっかりと水気を絞ってください。
⑩ふた付きの容器(酢に反応しないもの)に入れ、冷蔵庫で保管します。
・何日か置いた方が、味が落ち着いて美味しくなります。
・長期間経てば、辛みもマイルドになります。
・⑨でしっかりと水気を絞っておけば、1年間は美味しく食べられます。
3.供し方
漬け酢を絞ってから、供します。
絞らないと、すしの美味しさを損ねます。
次のすしを美味しく食べるための、重要な役割を担います。
また、少量ずつでも繰り返し食べるため、すし全体の良し悪しにも影響を与えます。
私の知る江戸前のすしの名店のガリは、全て自家製です。
ガリはとても大切だから、納得のいくものを自ら作りたいと思うのは当然でしょう。
名店のガリも様々で、新ショウガやひねショウガを薄くスライスして漬けたもの、新ショウガを細く切って漬けたもの、
芽ショウガをスライスせずに漬けてそのまま又は食べる時に包丁で薄く切るもの、などがあります。
共通するのは、辛みと甘味は控えめだということです。
少数ですが、甘味を加えていない店もあります。
辛み ・ 甘味が強いと、味覚を麻痺させてしまいますから、正しい判断だと思います。
とても有名な店で、強烈に
(>.<)スッパ~~~イ!
ガリを食べましたが、いい反面教師になりました。
酸っぱすぎても、味覚が麻痺します。
私も様々なガリを作りました。
辛み ・ 酸味 ・ 甘みをどの程度にするか、が特に重要なポイントだと思いますが、
最終的には、辛みと酸味はマイルドで、甘味を加えないガリを、主に新ショウガをスライスして作りました。
私は、マグロのトロやアナゴなど、香り ・ 味 ・ 脂の強いネタをたくさん握りましたので、
甘いガリでは、口直しが出来ないと考えたからです。
また、酢で締めたネタを、1日目(料理人時代を除き、我が家では、すしは2日連続でした。)に使えないことが多いため、
甘くないガリに、その代役を果たしてもらったようなところもあります。
主に新ショウガをスライスして使ったのは、家族がより好んだからです。(ひねショウガでも美味しくできます)
私と家族は、砂糖を使わないシャリを好んだのと同様、甘味を加えないガリを好んだので、ちょうど良かったのですが、
一般的には、甘みを加えた方が好まれると思います。
1.仕入れ
ガリを自家製にしているすし店でも、
ほとんどの場合、既にスライスしてある近江生姜を妻屋(ワサビ ・ ガリ ・ 花穂などを扱う)で仕入れます。
でも、私はスライス済みのショウガは仕入れませんでした。
理由は、次の通り。
①スライス済みのショウガ(辛みをある程度抜いたものが多い)は、加工の過程で薬品が使われている可能性がある。
②ショウガの栽培では通常、土に多量の農薬が使用される。
そして、スライス済みのショウガには、農薬使用のものが使われている。
というわけで、私は無農薬有機栽培のショウガを仕入れ、ガリにも薬味にも、皮ごと使いました。
中国産のショウガが出回っていますが、使わないでください。辛過ぎます。
2.仕込み
辛みの抜き方と、どの程度辛みを残すかが最大の課題です。
スライサーは、業務用のものがオススメです。
一般に売られているスライサーでは、ペラペラに薄くスライスすることが出来ず、辛みを抜くのに手こずります。
どんな酢を使うかで、味が大きく異なりますので、厳選してください。
【レシピ】
(材料)
・無農薬有機栽培の新ショウガ(近江生姜) 適量
・造りの良い米酢(軽く酸味がマイルドなもの) 適量
・造りの良い辛口の純米酒(ただし苦みを感じさせないもの。古酒は不可。) 適量
・あら塩(精製塩は不可) 適量
・水(高性能の浄水器で、水道水を浄水 ・ 軟水化したもの) 適量
①漬け酢を作ります。
ショウガを入れた時にヒタヒタになる量の米酢に、少量の塩と純米酒(たくさん入れるとショウガが発色しません)を加え、
ひと煮立ちさせ、冷まします。
ひと煮立ちさせるのは、酸味をマイルドにするためです。
長く煮立てると、くどい酢になりますので気を付けてください。
※日本酒は入れなくてもかまいません。
甘いガリがお好きな場合は、砂糖 ・ 白ザラメ ・ ハチミツなどを加えてください。
②ショウガの汚れを洗い落とし、水気を拭き取ります。
変色した部分は切り取ってください。
ピンク色の部分は使ってください。発色が良くなります。
※無農薬有機栽培のものが手に入らなければ、竹ベラ ・ スプーンなどで皮をむくことをオススメします。
農薬は、皮のすぐ内側の組織に多く残留するそうです。
③ショウガを繊維に沿って、スライサーでペラペラに薄くスライスします。
繊維に沿うのは、食感を良くするためです。
ここで、どの程度の辛みがあるか、どの程度の仕事が必要か、味見して判断してください。
※ひねショウガで辛みが強すぎる場合は、米のとぎ汁に半日~1日くらい漬けてください。
④(辛みが強い場合、又は米のとぎ汁につけた場合)ショウガを水洗いしてザルに上げ、水を切ります。
⑤ショウガにたっぷりの塩を振り、20~30分くらい、そのままにしておきます。
アク出しと下味、両方の意味があります。
※ひねショウガの場合は、塩の時間は2~3倍くらいとってください。
⑥ショウガをボウルに入れ、水で洗い流し、塩出しし、ザルで水気を切ります。
この後に湯につけることも考慮して、塩出しの加減を判断してください。
塩辛いガリは問題外ですが、甘味を加えないガリに全く下味がついていないと、美味しくありません。
出来上がりのガリには、ほんのりと塩味が付いている状態になるよう調整してください。
⑦鍋にたっぷりの水を入れて火にかけ、70℃くらいにし、米酢を少量加えて混ぜます。
湯の温度を低めにし、米酢を加えるのは、ショウガが黒っぽく変色するのを防ぐためです。
※ひねショウガの場合、湯は80℃くらいにしてください。
⑧⑦に塩出しを終えたショウガを入れ、ターゲットの辛さになるまで置きます。 味見して判断してください。
ただし、湯に長く入れたり、ゆでたりすると、黒っぽく変色する場合がありますので、気を付けてください。
⑨ショウガをザルに上げ、熱々のショウガを千切れないよう絞り、熱々のうちに①の漬け酢に漬けます。
新ショウガは、薄いピンク色に変色します。(ショウガの成分を抜きすぎると変色しません。)
熱いですし、傷みやすく(味が変わりやすく)なりますので、素手で絞らない方がいいです。
ただし、しっかりと水気を絞ってください。
⑩ふた付きの容器(酢に反応しないもの)に入れ、冷蔵庫で保管します。
・何日か置いた方が、味が落ち着いて美味しくなります。
・長期間経てば、辛みもマイルドになります。
・⑨でしっかりと水気を絞っておけば、1年間は美味しく食べられます。
3.供し方
漬け酢を絞ってから、供します。
絞らないと、すしの美味しさを損ねます。