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Post by 管理人 on Dec 29, 2014 13:51:26 GMT 9
まるでミツカンの酢のように、
かなり多くの名店で、ヤマサの醤油(スーパーでよく見かける安価な「本醸造醤油」)が使われています。
修行先の親方も、そのまた親方も、そのまた親方も、そのまた親方も、そのまた親方も・・・・・・・・
ヤマサの醤油を使っていたのでしょう。
値段が安いことも使う理由の一つでしょうが。
古い文献を見ると、ヤマサの醤油が、江戸で最高の評価を得ていたことが分かります。
ヤマサの醤油が江戸前のすしに合い、またそれを使うことが一流の証、そんな時期が長かったのではないかと思います。
現在は、小さな蔵が、昔ながらの伝統的な製法で、素晴らしい醤油を造っています。
杉桶で長い時間をかけて醸された味わい ・ 香りは深く、蔵の個性がはっきりと出ています。
そんな素晴らしい醤油をいくつも取り寄せて使ってみたところ、
私が理想とする江戸前のすしに必要な醤油(濃口醤油)は次の2つのタイプに分かれることに気づきました。
①マグロのような、強い味わいのすしを引き立てる、香りも味わいも比較的濃厚な醤油
②淡白な白身魚のような繊細な味わいのすし、並びにアナゴなどの煮物の味を引き立てる、 比較的香りも味わいもマイルドな醤油
①のタイプで私が最終的に選んだのは、島根県のある小さな蔵の醤油です。
煮切り醤油にして使ったところ、強い味わいのすしに見事に調和しました。
各地の名だたる醤油(この醤油も名だたる醤油です)が候補になりましたが、
香り ・ 味わいが濃厚すぎると調和せず、色が濃すぎると、すしの見た目が悪くなる、というのが重要なポイントです。
②のタイプで私が最終的に選んだのは、埼玉県のある小さな蔵の醤油です。
煮切り醤油にして使ったところ、繊細な味わいのすしに見事に調和しました。
また、アナゴなどの煮物に使っても出しゃばらず、素材の味を引き立て、色も明るいのできれいな色に仕上がりました。
おとなしいけれど深い、そんな醤油です。
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